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臓腑(ぞうふ)とは? ~東洋医学の基本的な考え方の一つ~

「五臓六腑に染み渡る…」

とは、「内臓全体に染み込むように美味しく感じられる」という表現ですが、東洋医学では「六臓六腑」とされます。この「六臓六腑」のことを「臓腑」と呼びます。

「臓腑」が様々な要因で変調をきたすと、病気となるとされます。臓腑の「臓」は、中身がつまった実質臓器とされ、「腑」は管状や袋状といった中身が空洞の中空臓器とされます。「臓腑」は以下のようになります。

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六臓六腑の表

この「六臓六腑」は、内臓器そのものと、それぞれの内臓の機能を含めたことをひっくるめたものを指します。

西洋医学で言われている、例えば胃なら臓器である胃のことだけを意味します。胃の機能のことまで「胃」という言葉には含まれないかと思います。

ちょっと話がわかりにくいかもしれませんが、内臓の機能を含めたことというのは、「六臓六腑」のそれぞれが以下のような機能を持っているとされ、臓器そのものに加え、機能や働き、つながりといったことが含まれています。以下は全ての機能や働きではないですが、わかりやすいものだけを並べてみました。

六臓六腑それぞれの特徴

肝(かん)
 ・魂を臓する。
 ・判断力や計画性などの精神活動を支配する。
 ・蔵血を司る。
 ・筋肉を司る。
 ・爪を司る。
 ・目につながる。
 ・怒り過ぎると肝を傷める。
 ・外邪を防ぐ。

心(しん)
 ・神を臓する。
 ・六臓六腑を統括し、知覚・記憶・思考・意識・判断などの精神活動の支配、
  六臓六腑の調和を保つ。
 ・血脈を司る。
 ・脈を介して血を全身にくまなく運行させる。身体諸器官の活動を支える。
 ・舌につながっている。
 ・喜び過ぎると心を傷める。

脾(ひ)
 ・営を臓する。
 ・運化(水穀を消化し、後天の精や津液、血・営衛などを吸収して全身に送る
  作用)を司る。
 ・消化・吸収を行う。
 ・肌肉を司る。
 ・口につながる。
 ・津液の生成を司る。
 ・思い過ぎると心を傷める。

肺(はい)
 ・気を司る。
 ・呼吸を司る。
 ・通調水道(脾の働きによって胃から上部に運ばれた水分を全身に散布する
  作用)を司る。
 ・皮毛を司る。汗腺を調節する。
 ・鼻につながる。
 ・憂鬱になり過ぎると肺を傷める。

腎(じん)
 ・精を蔵する。
 ・成長・発育・生殖・老化などを司る。
 ・水を司る。
 ・水分代謝を支配する。
 ・骨を司る。
 ・耳につながる。
 ・恐れ過ぎると腎を傷める。

心包(しんぽう)
 ・心を保護する。
 ・実体のない架空の臓器。

胆(たん)
 ・決断や勇気を司る。
 ・胆汁を蔵する。

小腸(しょうちょう)
 ・胃から送られてきた糟粕(飲食物のかす)を受け取り、内容物をさらに
  消化し、澄んだ清いものと濁ったものに分け、清いものは脾を通して全身へ
  送り、濁ったものは蘭門で水分と固形分に分けられ、水分は膀胱へ、
  固形物は大腸へ送られる。

胃(い)
 ・脾とともに消化吸収を行う。
 ・水穀の受納・腐熟を司る。
 ・通降を司る。
 ・内容物を小腸・大腸に送り、新たな飲食物を受け入れる。

大腸(だいちょう)
 ・大便を肛門から排泄する。
 ・「伝導の官」と呼ばれる。

膀胱(ぼうこう)
 ・貯尿・排尿作用を行う。
 ・「州都の官」と呼ばれる。

三焦(さんしょう)
 ・気が昇降出入する通路。
 ・水分の運行の通路。
 ・体温調節作用、気血津液の調整作用、輸瀉作用の三つを行う。

 三焦は上焦、中焦、下焦と分けられる。

 ・上焦は横隔膜より上部の機能を指す。働きは清気を取り入れ血と共に全身に
  巡らせる。衛気・津液を全身の皮膚に巡らせ皮膚に潤いを与えて、体温調節を
  行う。

 ・中焦は横隔膜から臍(へそ)までの間の機能を指す。働きは消化・吸収を
  行い、そこから生じる精気を、営気と血とし、経絡を介して全身に巡らせる。

 ・下焦は臍から下部の機能を指す。働きは消化した糟粕を大便、水分を
  尿として排出する。

上記をご覧になって、六臓六腑それぞれが持つ、だいたいのイメージをつかんでいただけたらと思いました。

西洋医学の臓器で言われていることとほとんど同じことや、メンタル的なことを臓腑が司っていたりと東洋医学独特のものもあったかと思います。

例えば、肝では、「判断力や計画性などの精神活動を支配する。」とありますが、肝の働きが鈍くなると、「物事の判断力や計画性までもが鈍くなる」ということを意味します。

臓腑は「五行説」という思想に当てはめられる

臓腑は、五行説と呼ばれる思想に当てはめられます。この五行説とは、自然界における万物は木・火・土・金・水の5つの元素から成り立つという考え方です。

以下の図は臓腑を五行説に当てはめた図となります。この場合、六臓六腑ではなく、五臓五腑となり、心包と三焦はありません。

五行関係図

上の図の中に「相生(そうせい)関係」と「相克(そうこく)関係」があります。

「相生」とは、「生み出す関係」であり、これはわかりやすいかと思います。

「相克」とは、「相克」の「克」とは「勝つ」の意味であり、それぞれの臓腑が勝ったり負けたりして権勢し合っているような関係といえます。

「相生」ばかりだと、どんどん全体が増えてしまっていくようですが、「相克」の関係性があるために、どんどん増えてしまうのを抑制しているともいえるようです。

このように、東洋医学では人体はそれぞれのパーツとパーツが単独で機能しているということではなく、「臓腑を当てはめた五行説」の考え方に代表されるように、それぞれが連動し関係性を保ちながら機能しているとされます。

弱った臓腑が元気を取り戻し全体のバランスが整えば、その患者さんの本来持ち合わせる治癒力が充分に発揮され、病が消失していくことになります。

まとめますと…

臓腑の「臓」とは実の詰まった実質臓器のことであり、肝・心・脾・肺・腎・心包があり、「腑」とは管状や袋状の中空臓器のことであり、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦となります。また、このそれぞれの臓腑は、臓器そのものとその臓器の働きなどが含まれるとされます。

それぞれの臓腑の特徴も見ていただきました。

この臓腑は、万物は木・火・土・金・水の5つの元素から成り立つとされる「五行説」という思想に当てはめられ、東洋医学の基礎的な考えとなっています。

今までのコラムでも今回のコラムに似た内容もあったかと思いますが、臓腑についてまとめられたものではなかったので、今回このようなコラムにさせていただきました。

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カテゴリー: 鍼治療の説明

「自分の鍼治療を説明させてください」
 第3回 ~西洋医学、解剖学的な説明。神経の分布。~

今回も、前回から引き続きまして、「自分の鍼治療を説明させてください」シリーズの第3回として、自分の鍼治療を西洋医学の観点から説明させていただけたらと思います。

「第1回 ~鍼灸治療のやり方は様々で、多くの流派がある~」

「第2回 ~東洋医学的な説明。人体は全体で一つ。六臓六腑と兪穴~」

西洋医学は主に、解剖学、生理学、病理学といった分野で構成されていて、解剖学は人体の構造について、生理学とは病気ではない正常な状態の人体の働きについて、病理学とは生理ではない病的な状態について、となります。

今回は、解剖学から自分の鍼治療を説明させていただけたらと思います。

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解剖学における神経

解剖学とは、人体の構造についてとなりますが、神経の流れが自分の鍼治療と深く関係していると考えられています。

神経は体内を行き渡り、脳から組織、組織から脳への信号の通り道ということになります。

手の指先で何か触れたら、その感触が電気信号となり、神経の中を通り、脳にその信号が達し、脳で「手に何か触れた」と判断します。

脳から脊椎の中を通って、分岐して全身に神経は走行し、図としては以下のようになります。

脊髄神経の走行


この神経は脊柱から左右に31対が出ており、臓器や組織につながります。

自律神経の分布


兪穴(ゆけつ)と神経の走行

前回のコラム第2回の中で、自分の鍼治療は、臓腑を癒す「兪穴(ゆけつ)」と呼ばれるツボの治療することで、六臓六腑のバランスを整え、それが患者さんご自身が元々持ち備えている治癒力を充分に発揮できる体内環境を作り出すことになる、ということをお話しさせていただきました。

この「兪穴」は以下の図のように位置しています。

背部兪穴


この兪穴と神経の走行に関連があるとされ、これを説明するには、「ヘッド氏帯」と呼ばれる、ある臓器に疾患がある場合、皮膚のある領域に異常が起きる、という理論を用いることができるかと思います。

「ヘッド氏帯」と鍼治療

「ヘッド氏帯」は、内臓と皮膚には回路があり、神経を通して、やり取りをしていて、内臓に異常があれば、皮膚にも異常が現れるということです。また、その逆に皮膚を刺激すれば、内臓に刺激が伝わるということになります。

これを鍼治療に当てはめて考えると、鍼は皮膚に刺激を与えるものであり、その刺激が内臓機能を整えることにつながっていると考えられています。

例えば、胃に症状がある場合、胃兪と呼ばれるツボは第12胸椎付近にあるとされますが、その第12胸椎の皮膚上に何らかの異常が現れるということになります。

その異常というのは、硬さ、張り、盛り上がり、凹みなど触れて見つけるものや、皮膚の色の異常などのように見てわかるものもあります。

そのような異常をツボとして、鍼をしていくわけですが、的確にツボをとらえ、適度な刺激を与えることで、例えば、第12胸椎付近の異常をツボとして鍼をすれば、その刺激は胃に届き、胃の機能が整う、ということになります。

まとめますと…

馴染みのない言葉も出てきて、わかりにくいかと思いますが、以下のようにまとめられるかと思います。

・神経は脳からスタートし、背骨や骨盤の中を通り、背骨や骨盤の中央から左右に枝分かれし、神経は臓器や組織につながっている。

・臓器と皮膚は連動していて、臓器に異常があれば、皮膚上にも異常が現れるという「ヘッド氏帯」と呼ばれる理論がある。

・鍼治療では、皮膚上に現れた異常をツボとして、そのツボに鍼をする。それにより、鍼の刺激が内臓に届き、その内臓を癒し、内臓機能を整えると考えられている。

今回、私が最も言いたかったことは、鍼治療は長い歴史の中で形作られ、独自の見解を持っていますが、上記のように、科学をベースとした西洋医学の分野である解剖学の視点からも、鍼治療がなぜ効果があるのか、という説明ができる、ということです。

もちろん、物事は科学で全てが説明できるものではないのと同様に、鍼治療を科学できれいに説明できないこともありますが、一つの見方として、今回のような説明もできるのではないか、という試みでした。

私個人としては、鍼治療の科学で説明できない部分に魅力を感じ、可能性を追求していきたいという想いがあります。

3回に渡り、自分の鍼治療を説明するにはどうしたら良いかを考えながら、記事を書かせていただきました。今後もいろいろな観点から鍼治療について説明できることがあれば、記事にさせていただけたらと思っています。

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カテゴリー: 鍼治療の説明

「自分の鍼治療を説明させてください」
 第2回~東洋医学的な説明。人体は全体で一つ。六臓六腑と兪穴~

第1回 ~鍼灸治療のやり方は様々で、多くの流派がある~」 に引き続きまして、第2回として、自分の鍼治療を東洋医学の観点から説明させていただけたらと思います。

第1回の最後に、鍼灸治療は様々な技術、考え方がありますが、東洋医学の考え方が流派を問わず、共通しているのではないか、ということでしたので、その続きとして、まとめてみたいと思います。

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鍼灸師にとって共通の考え方である東洋医学の考え方

それでは、鍼灸師にとって共通の考え方である東洋医学の考え方とはどのような考え方なのでしょうか。

東洋医学の中にも様々な理論がありますが、代表的なものを挙げるならば、「人体は全体で一つである」ということに思えます。

西洋医学では、循環器内科、消化器内科、神経内科、呼吸器内科、心療内科、腎臓内科、心臓内科、口腔内科など、内科に限っても、これだけ分割します。

私の理解では、例えば、心臓の不調は腎臓の機能低下が原因とみなすので、心臓内科と腎臓内科の医師が連携して治療を行なう、といったことは西洋医学の病院では起こらないと思います。西洋医学では、心臓の症状に対して心臓内科が担当し、腎臓の症状に対しては腎臓内科が担当する、といったことが通常だと思います。

西洋医学のベースは科学です。科学は細分化して考えます。人体を細分化していくと、たどり着くのは細胞、遺伝子といった世界なのだと思います。ミクロの世界ですね。

東洋医学では、人体の基本的な構成要素として、気、熱、水、血液が六臓六腑において活動することによって、正常に生命活動が営まれるとされ、気、熱、水、血液の働きや流れが阻害され、六臓六腑のバランスが崩れることで、体調の不調が現れ病となるとされます。

この六臓六腑の「臓」とは中身のつまった臓器のことで、肝、心、脾、肺、腎となり、「腑」とは袋状や管状の臓器のことで、胆、小腸、胃、大腸、膀胱となります。これに心包(しんぽう)と三焦(さんしょう)を加えたものが六臓六腑となります。心包と三焦は東洋医学特有の臓腑となりますが、心包は心を守る働き、三焦は水を巡らせる働きがあります。

また、東洋医学でいう例えば、「肝」は西洋医学の「肝臓」とイコールか?と問われれば、イコールではありません。「肝臓」といえば臓器そのものを指すと思いますが、東洋医学の「肝」とは、臓器だけでなく、肝の働き、また肝には感情や精神にも働きかける機能があるとされ、単に臓器だけを指すものではなく、「肝」にまつわる機能全体を指すとされます。

下図が六臓六腑を表しています。

六臓六腑の表


この六臓六腑の中の五臓五腑それぞれが常に関係性を保っているという考え方が下の図の「五行の相生(そうせい)と相克(そうこく)」と呼ばれる考え方となります。

五行関係図

「相生(そうせい)」とは、「生み出す関係」であり、これはわかりやすいかと思います。

「相克(そうこく)」のほうが比較的わかりにくいのですが、「相克」の「克」とは「勝つ」の意味であり、それぞれの臓腑が勝ったり負けたりして権勢し合っているような関係といえます。

「相生」ばかりだと、どんどん全体が増えてしまっていくようですが、「相克」の関係性があるために、どんどん増えてしまうのを抑制しているともいえるようです。

このように、東洋医学では人体はそれぞれのパーツとパーツが単独で機能しているということではなく、「臓腑」の考え方に代表されるように、それぞれが連動し関係性を保ちながら機能しているとされます。

弱った臓腑が元気を取り戻し全体のバランスが整えば、その患者さんの本来持ち合わせる治癒力が充分に発揮され、病が消失していくことになります。

病があったり、体調が優れない方は、バランスを失った身体が本来持つ治癒力を発揮できない状態にあるといえます。従って、病は患者さんの持つ治癒力が治すのであって、鍼灸治療は治癒力が充分発揮できる体内の環境を作ることが目的となるといえます。

このような考え方は、流派を問わず、鍼灸治療の根底にあると私は思います。

私の流派が重視していること

私の流派においても、重視していることは、上記の「人体は全体で一つである」の考え方に基づき、どの臓腑が機能低下しているかを見極め、その臓腑を癒すことで、全体のバランスを整えることだと思います。

そこで、私の流派では、背中、腰、骨盤といった個所に存在する「兪穴(ゆけつ)」が臓腑を直接癒すと考え、兪穴の治療を重視いたします。

兪穴は下の図のように位置します。

背部兪穴


上の図のように、臓腑に深く関係している兪穴は「臓腑名」+「兪」と表され、「兪穴」の「兪」という漢字は、「癒」の原型といわれ、文字通り、「兪穴」は「その臓腑を癒すツボ」となります。心包兪はありませんが、心包の兪穴は厥陰兪(けついんゆ)となります。

また、「兪穴」はその臓器が位置する高さに一致していることが多く、例えば、「心兪」は心臓の位置の真裏に近い所に位置しますが、「兪穴」の位置は臓器の位置に一致させたというより、長い鍼灸の歴史の中で、経験上どの位置がどの臓腑を癒し、最も効果があるか、といったことの積み重ねによって、「兪穴」の位置が特定されていったのだと思います。

他の流派によっては、この「臓腑」を癒すのに、「兪穴」を使うのではなく、手の肘~手首、足の膝~足首などに位置するツボを使う方法があります。手や足にはその臓腑につながる経絡というツボの並びがあり、その経絡を使って臓腑のバランスを取ろうとする手法があります。

私の流派では、手や足のツボを使うことはいわば遠隔操作であり、「兪穴」は、より直接的に臓腑に働きかけると考えることから、「兪穴」を積極的に使っていくという治療方法に行き着いたのではと私は思っています。

まとめますと…

長くなりましたが、まとめますと以下のようになるかと思います。

鍼治療の説明 まとめ


次回の第3回は、この「兪穴」は西洋医学的にも説明ができる側面がありますので、そのような説明ができたらと思います。
「自分の鍼治療を説明させてください」
 第3回 ~西洋医学、解剖学的な説明。神経の分布。~


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「自分の鍼治療を説明させてください」
 第1回 ~鍼灸治療のやり方は様々で、多くの流派がある~

日本の国民の鍼灸治療を受けたことがある人の割合は7%程度と聞きます。残念ながら、現代における鍼治療はそれだけ一般的ではありません。一般的ではないことを説明するのは難しいことです。

それでも、患者さんに納得していただいて治療に取り組んでいただくには、鍼治療についてご理解していただけるよう、説明する努力が必要であると考えています。

今回は以下の3つに沿って、説明できたらと思いました。

鍼治療の説明

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鍼灸治療のやり方は様々で、多くの流派がある

「えっ、鍼灸に流派なんてあるんですか?」

と患者さんに言われることがあります。

昔から続く流派のほうが珍しくなってきている印象ですが、現在も多くの流派が存在し、戦後に組織としてできた比較的新しい流派のほうが鍼灸の世界としては一般的に思えます。

鍼灸師になるには、鍼灸学校を3年間かけて卒業し、国家試験に合格しなければなりません。鍼灸学校でも実技は習いますが、残念なことに鍼灸学校で学んだ実技が卒業後にプロとして通用するかといわれれば、それは難しいこととなっています。多くの鍼灸師は鍼灸学校を卒業してから、本格的な修行が始まるといえるのではないでしょうか。

私の場合も、鍼灸学校を卒業してから、修行の道が始まったわけですが、今思えば、最初の時期は右も左もわからないながら激流に飲み込まれ、自分が気がつかないまま本物の道からは遠く逸れていってしまったり、大変な時期もありました。

それでも、最後に一生をかけてこの先生の鍼を目指そうと思える師に出会えたことで、奇跡的に救われ、今の自分があると思っています。

患者さんから、

「鍼って打っちゃいけない所ってあるんですか?」

と、聞かれることがあります。

その答えとしては、常識的なところであれば、鍼をしてはいけないところはない、とされます。

常識的というのは、例えば、眼球に鍼を刺す、といったことは非常識、ということで、頭、顔、首、肩、腕、背中、腰、骨盤、足といったように全身に渡って、どこを鍼してはいけない、ということはありません。

上記のように、常識的なところなら、どこに鍼や灸をしても良いとなれば、極端には、頭の先から足の先まで全身をまんべんなく鍼や灸をするということでも良いのかもしれません。

でも、それだけ鍼や灸をする必要は無く、どこを重視するのか、何を優先するのか、といったことが鍼灸の長い歴史の中で、無駄なことが削ぎ落とされ、残ってきたことがあるのだと思います。

その何を重視するのか、が流派によって異なり、それがそれぞれの流派の治療の特徴となっているといえると思います。

鍼治療の説明 木火土金水流派によって、脈を整えることを重視する、お腹の硬さを取り去ることを重視する、腰部や骨盤を整えることを重視するなど、様々です。また、実際に鍼や灸をする場所も、肘から手先、膝から足先を重視するやり方や、お腹や背中、腰を主に治療するなど、それも様々です。

どれが正解か、ということは誰にも答えられないことなのかもしれませんが、山登りに例えるなら、患者さんに良くなって元気になってもらいたい、ということはどの流派の鍼灸師にとっても共通の山頂であり、鍼灸師はそれぞれの技術や考え方によって、それぞれの山登りのルートで山頂を目指すといったことに私は思います。

鍼灸師によっては、直線的に山頂を目指すルートを選ぶかもしれませんし、迂回しながらゆっくり山頂を目指したりとするのかもしれません。

ただし、山頂を目指すにあたって、鍼灸師には共通の考え方のようなものがあるように思えます。それは、東洋哲学をベースとした東洋医学の考え方です。その東洋医学の解釈などはそれぞれの流派によって差異はあるかとは思いますが、基本的なとらえ方としては、共通しているといえるのではないでしょうか。

次回は、第2回として、東洋医学の共通的な考え方と私の流派の鍼についての説明ができたらと思っています。
「自分の鍼治療を説明させてください」
 第2回 ~東洋医学的な説明。人体は全体で一つ。六臓六腑と兪穴~


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健康保険を利用して鍼灸治療は受けられるのか?

健康保険を利用して鍼灸治療は受けられるのか最近、数名の患者さんから健康保険を利用して鍼灸治療が受けれるかどうか、をお問合せいただきました。

鍼灸治療では、健康保険を利用することができます。

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患者さんの利点としては、1回の施術につき、は1,057円(平成28年2月現在)を健康保険組合が負担してくれるので、通常の5千円の治療費の場合、患者さんのご負担額は3,943円(平成28年2月現在)となることです。ただし、患者さんのほうで、書類など数点用意していただくことなどがございますので、最初だけお手数をおかけするかと思います。書類が揃い、健康保険組合のほうで受理されれば、書類は毎月一度、鍼灸師のほうで作成しますので、患者さんのほうではほとんど手間はかかりません。

制度として、鍼灸治療の健康保険の利用は、一般の病院等での健康保険の利用と異なる点が以下のようにございますので、それを踏まえた上で、ご利用いただけたらと思います。

一般の病院等での健康保険と異なる点

・ 医師による同意書が必要となります。医師による鍼灸治療を受けても良い、という同意が必要となり、医師に同意書を書いてもらう必要があります。同意書の作成の費用は100円~3千円程度と病院によって異なるようです。

・ 3ヶ月間、鍼灸治療を受診されない場合、再度、医師の同意書が必要となります。

・ 健康保険を利用する場合、1回の施術につき保険組合が支払う金額は1,057円(平成28年2月現在)となり、5千円の治療費の場合、患者さんのご負担額は3,943円(平成28年2月現在)となります。

・ 月に一度、私のほうで、保険請求のための書類を作成し、患者さんに手渡しますので、それをご自宅に持ち帰り、所定の個所に患者さんが捺印をし、患者さんご自身で郵送していただきます。宛先を記した封筒もこちらで用意いたします。

・ 書類が健康保険組合で受理されると、患者さんが指定した患者さんの銀行口座に1ヶ月分の健康保険組合が支払う分が振り込まれます。受理されてから振り込まれるまでに約3ヶ月かかります。

健康保険を利用する手続きの手順

1. 患者さんご自身が医師に同意書の作成を依頼していただきます。

2. 医師の同意書、保険証のコピー1部、患者さんが指定される銀行口座情報の3点を鍼灸師にお渡しください。同意書の用紙と銀行口座情報の用紙はこちらで用意いたします。

3. 月のはじめに、前月の治療分の健康保険組合に送る書類を私のほうで作成し、書類一式を患者さんにお渡しいたしますので、所定の個所に患者さんの捺印をされ、健康保険組合宛に郵送してください。

4. 健康保険組合が書類を受理してから約3ヶ月後に、患者さんが指定された銀行口座に健康保険が負担する額が振り込まれます。

以上が大まかなご案内となります。細かなことは上記に関してもありますが、ウェブ上では誤解を招くこともあるかと思いますので、実際に健康保険を利用して鍼灸治療を受けてみたいとご希望される方、ご相談等は、下のお問合せページからお問合せいただけたらと思います。
鍼灸院 鍼神尾 お問合せページ

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ここちよい針のシゲキ

先日、私と同世代の患者さんがこう仰っていました。

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「鍼治療に行く日が早く来ないか待ち遠しくて、PUFFYの愛のしるしを歌っちゃいましたよ~」

「でも、あれは鍼じゃなくて針ですけどね~」

最初、何を言われているのかわからなかったのですが、「愛のしるし」という曲の歌詞の出だしに次のフレーズがあるようです。

「ヤワなハートがしびれる ここちよい針のシゲキ」

PUFFYの曲の歌詞はおもしろいものが多いですが、これには、意味があるのかないのか、どうなんでしょう…

しばらく私のテーマ曲にしてみようかと思います。



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鍼灸の鍼と注射針の違い

「はり」と聞くと、病院での採血の時の注射針や歯科医院での麻酔の注射針をイメージされる方が多いかと思います。もちろん、私も経験がありますが、とにかく痛いですね。

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まず、漢字としては、鍼灸は「鍼」を使い、注射針は「針」を使います。裁縫の場合も「針」ですね。語源には諸説あるようで、はっきりしたことはわかりません。漢字の「鍼」に関しては、過去のコラムに書かせていただきました。

はりは、金と咸
http://mbp-tokyo.com/harikanwo/column/41756/

今回は、鍼灸の「鍼」と注射針の「針」は何が違うのか、についてです。

太さがどのぐらい違うのか

注射針は薬剤、つまり液体を静脈に入れるのが目的ですので、中が管状になっていることから、それなりの太さになってしまう、ということです。

注射針の太さは、直径0.4~1.2mmとあるようです。

テルモ注射針
https://www.terumo.co.jp/medical/equipment/me11.html

それに対して、私が使用する鍼の太さは、直径0.16~0.34mmです。私が使用する最も太い鍼よりも注射針の最も細い針のほうが太いとなりますね。

ちなみに一般的に髪の毛の太さは、直径0.05~0.15mmといわれています。

先端について

注射針は皮膚に刺してから静脈の中に入り、薬剤を静脈内に流し入れるということになりますので、注射針が静脈を破るために、先端が鋭利に尖っています。静脈を破るため、注射針を抜くと出血します。

注射針の先端拡大写真


鍼と注射針の先端の違い


上のイラストのように、鍼灸の鍼は先端が丸まっています。私が使用する鍼は一般の鍼よりもさらに先端を丸めています。そのため、血管や神経は鍼を避けてくれるとされますので、血管を破って出血するようなことはまずありません。

ただし、瘀血(おけつ)と呼ばれる、毛細血管と毛細血管との間で、静脈に入らずに回収されずに漂っている血液が鍼を抜いたタイミングで一緒に出てくることがあります。この瘀血は冷えや痛みの原因ともされ、瘀血を体外に出すことも鍼の効果であるといえます。瘀血がしっかりと体外に出たほうが患者さんはスッキリされ、痛みなどから解放されることが多くあります。瘀血の量は、ごく少量で、直径1~2ミリ程度にジワっと出て、それで終わりです。包丁で指を切った時のように、垂れるほどだったり、しばらく止まらない、といったようなものではありません。

鍼と針は別物

上記のように、まず太さがかなり違うということと、先端の構造が違う、ということがいえます。注射針の先端の写真を見ると鍼灸の鍼とは全く別物に思えます。

また、鍼灸の鍼は注射針に比べ細いこと、それに加え、血管を傷つけにくい丸まった構造であることは、人体に刺さった時に、ほとんど痛みがない、といえます。では、鍼治療において、鍼が刺さった時に、痛みは全くないのか、といえば、それは患者さんの感受性によって、痛く感じやすい方もいれば、全く痛みは感じたことがない、という患者さんまで様々です。

痛みがでるとすれば、毛穴に鍼が入ったときに痛むという説もあります。他には、鍼灸師の技術としては、「切皮(せっぴ)」と呼ばれる鍼が皮膚を通過する動作がありますが、その時に特に、左手(右利きの場合)が甘いと切皮の時に痛みが出る場合があり、これを「切皮痛」と呼んだりします。この「切皮痛」がない鍼は心地良い鍼の条件の一つといえます。もちろん、この「切皮痛」がある時は、速やかに鍼を抜いて、打ち直します。

最後に鍼治療における「鍼の響き」について

鍼治療には、「鍼の響き」と呼ばれる鍼治療独特な感覚があります。鍼の響きについては、こちらのコラムをご覧下さい。

鍼の響き
http://mbp-tokyo.com/harikanwo/column/41673/

このような鍼の響きを実際に患者さんに表現していただくと、「痛気持ち良い」「効いている感じ」「じんわりしている」「ビビビと走る」など様々です。感覚としては、「痛い」と「気持ち良い」の間のどこかの感覚といえるかもしれません。また、お体の状態が悪い方ほど「痛い」に近く、治療が進み、お体の状態が良くなるにつれて「気持ち良い」よりに近づいていく、といった傾向があります。

この鍼の響きは、注射針の痛みとは全く質が異なる別物の感覚である、ということは言わせていただきたいです。

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カテゴリー: 鍼治療の説明

どんな鍼を使うのですか? ~鍼の種類~

鍼には様々な種類があり、代表的なものをご紹介させていただきます。

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毫鍼に関しては、私の流派のやり方を説明させていただきます。

毫鍼(ごうしん)

一般的にも鍼といえば、このタイプを思い浮かべられるのではないでしょうか。私はこの毫鍼のみを使用します。

毫鍼は鍼体(しんたい)と呼ばれる実際に刺さる部分と鍼柄(しんぺい)と呼ばれるグリップというか持つ所から成ります。

鍼の写真01


毫鍼の素材の種類と特徴は、以下のようになります。

鍼の素材

私の使用する鍼は、職人さんの手作りの鍼で、ステンレスの合金ですが、柔軟性は銀鍼に近く、一般的なステンレス鍼のような硬さではありません。柔らかい鍼は、患者さんにとっても痛く感じずらく、体に馴染みやすい鍼といえます。

価格は一般的な使い捨てのステンレス鍼の10倍ぐらいします。

私の使用する鍼の長さは、1寸5分(4.5cm)と2寸(6cm)の2種類を鍼をする場所によって使い分けます。また、鍼の太さは、以下のようになります。

1番鍼…直径0.16mm
2番鍼…直径0.18mm
3番鍼…直径0.20mm
5番鍼…直径0.24mm
7番鍼…直径0.28mm
10番鍼…直径0.34mm

ちなみに一般的に髪の毛の太さは、直径0.05~0.15mmといわれています。

鍼の太さは、それぞれの患者さんの体質や鍼への感受性、硬結(治療の対象物)の硬さ、などによって使い分けられます。

私の鍼の打ち方では、この毫鍼は、鍼管(しんかん)と呼ばれる管とセットで使い、鍼管は毫鍼より5mm短く、直径2mmの管状のものです。この鍼管は、鍼を打つ時に、患者さんが痛みを感じにくくするために使用されます。この鍼管は日本の鍼の特徴であり、中国の鍼には一般的には存在しません。

鍼と鍼管

鍉鍼(ていしん)

棒状のもので、皮膚には刺さりません。皮膚面を擦したり、押圧したりします。気の流れは体表にあり、それを調節する、という考えのもとに使われます。

鍉鍼

三稜鍼(さんりょうしん)

昔は腫れ物の切開に用いたり、現在では溜まった血液を体外に出す目的で使用します。

三稜鍼


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どのぐらいのペースで続ければいいですか?~治療間隔について~

治療開始時は週1回以上

治療間隔ということを考えるにあたっては、鍼治療開始時は最低週に1回をおすすめしています。

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鍼治療は治療を受けた直後から効果を感じていただけることが多いですが、鍼治療直後から体が変化し、それが治まるのが3日後~1週間とされます。2回目の治療は3日後~1週間後となります。従って、週に1~2回からスタートとなります。基本は週1回からはじめ、週2回の方はご本人が週2回を希望されることが多く、体がそう要求しているようにみえます。

患者さんの様子をみていて言えることは、治療期間がある程度かかったとしても、週1回以上で継続されている患者さんは、体に変化が出てきて、それが積み重なって、患者さんご本人もそれを実感しながら、治療に取り組んでいかれている方が多いということです。

治療スタート時から、隔週に1回、1ヶ月に1回、といった患者さんの場合、治療効果を積み重ねていくことができないため、毎回が初診時とほぼ同じ状態に戻ってしまい、なかなか完治に向う階段を駆け上がっていくことができません。患者さんご本人は、鍼を受けると体が軽くなり、楽になったりとするので、隔週に1回でも月に1回でも鍼治療を希望されるのかもしれませんが、そのペースですと、なかなか結果を出すことは難しいです。

体の治り方

治療を続けていく内に、体調に変化が現れ、症状に改善がみられていきますが、右肩上がりに一直線で完治まで辿りつけることはまずありません。

体の状態には波があり、その波の上下が段々と全体的には上昇していくというのが、体の治り方だと思います。波が下がった時に、患者さんは鍼治療を続けているのに、なぜ体調の波が下がってしまうのだろう、と悩まれる方がいらっしゃいますが、下がることも次に上昇するために必要な過程であるといえます。

ある程度のスパンで、上昇しているかどうかを判断されたほうが良いと思います。

体の治り方

治療間隔の空け方

こうして、体の状態の波の上下を繰り返しながら、治療の間隔も様子をみながら調節していきます。

治療開始時の週1回以上の治療から、体の状態が上昇し、訴えていた症状がとれて来たタイミングで、隔週、3週間に1回、月に1回といったように治療間隔を空けていきます。

その過程においても、治療間隔を空けたことで、体調が下がるようでしたら、週1回に戻し、また様子をみるといったことも必要ですので、注意深く治療間隔を調節することも大切です。

最終的には、体のメンテナンスを兼ねて月に1回は鍼を受けておく、といった患者さんが多いように思えます。

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何回通院すればいいですか?~治療期間について~

鍼治療をどのぐらいの期間をかけて、治療に取り組んでいけばよいか、についてです。

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特に初めて鍼治療を受ける患者さんとしては、「何回通えば治りますか?」と聞きたくなる心情はよくわかります。

答えにはならないかもしれませんが、それは治療を進めていくに従って、つかめてくることであり、患者さんご自身にも感覚的にわかってくることかと思います。

治療を始める前に、「○回で治ります。」「全治○週間です。」といったことは鍼治療の場合、言いきることはできません。なぜなら、単に症状がなくなるといったことだけでなく、本当の意味での根本の治癒を実現するには、下記のように患者さんの体質などにより個人差が大きくあるからです。治療に要する時間は、患者さんの心身のダメージの深さによっても異なるのだと思います。

患者さんには、様々なタイプの方がいらっしゃるわけですが、体質として大きく分けるならば、以下の陰性と陽性となります。

陰性の方の特徴

冷え性傾向、甘いものや乳製品が好き、低血圧、低体温、むくみが気になる、貧血気味、心配性など。

陰性の方は、女性に多くみられ、普段はテンションが高くはありませんが、安定感があり、地道に継続できる強みがあるように思えます。健康面は、季節の変わり目などの変化に影響を受けやすかったり、休息が度々必要となりますが、急に激しい病気に襲われるようなことは少ないように思えます。

陽性の方の特徴

外交的、筋肉質、活発、食べすぎ傾向、声が太く張りがある、体が火照る、など

陽性の方というのは、男性に多くみられ、ライフスタイルとしても、外交的でバリバリ仕事をこなし、エネルギッシュです。健康面では、普段は元気に満ちていますが、体調の異変を逃すと、大病されるまで突っ走ってしまう傾向があるように思えます。

皆さんは、ご自身の体質がどちらよりだったでしょうか。陰性か陽性かに完全に当てはまる方もいらっしゃれば、どちらの要素も当てはまる、またはある時は陰性より、または陽性よりといった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

完全に陽性の方というのは、鍼治療において、一般的には、的確な鍼を打てれば、短期間で治療の効果が出やすいとされます。逆に、陰性の傾向の強い方ほど、治療にはある程度の時間をかけながら地道に取り組んでいく必要があることが多いかと思います。

古い鍼灸の文献によれば、江戸時代は陽性のタイプの方が多かったとされます。農業に携わる方であれば、一日中、外で陽の気を浴びて運動量があり、自然と一体したライフスタイルであれば、陽性の傾向であることは想像できます。

それに対して、現代人のライフスタイルはどうでしょうか?室内でパソコンに向かい、活動量も少なく、陰性のものに囲まれた生活といえるのではないでしょうか。当院に訪れる患者さんも圧倒的に陰性の方が多いです。

私にとっては鍼灸師として、1回の治療で最大限の結果を得るために最善を尽くします。しかし、特に陰性の傾向の強い患者さんの場合は、1回の治療で簡単に結果を出すことはできません。どうしても、治療を積み重ねていく過程が必要になります。

治療期間についてまた、長い期間かけて形作られた疾患を快方に向かわせるには、それなりの時間が必要となります。病気治し、体調を整えるということは、患者さんご自身の持つ生命力、治癒力によって体は快方に向かうという考えが、鍼治療の根底にあります。鍼治療はそのためのきっかけであり、それは強力なきっかけとなりえる可能性を秘めていると思います。鍼治療は血液循環、気の流れ、神経の流れといった体内の様々な循環を活発にすることで、結果、患者さんご自身の持つ生命力、治癒力を高め、病を必要としない体に変えていくことが目標となります。そう考えても、患者さんご自身の体内の環境が整い、循環が高まり、治癒力が発揮され、問題が解決されるまでには、時間がどうしても必要であるといえます。

もちろん、治療させていただく私としては、患者さんには一日も早く良くなっていただきたいという想いで治療させたいだきます。例えば、1年かけて悪くしたものを1年かけて完治させる、というのでは、治療の腕がある、とはいえないと思いますが、この1年をいかに短期間にできるかが鍼灸師としての実力が問われることになります。

また、例えば、鍼治療を始めてから3ヶ月で完治した場合、初診から3ヶ月経った時に、突然完治する、といったことではありません。その3ヶ月の間に、様々な変化があり、症状の出かたにも波があったり、体の状態も上下を繰り返しながらも、患者さんご自身が体が整い、症状がとれてくる感覚を実感することができます。

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診療日




火・水以外の祝日は診療日となります。

診療時間
月・木・金:10時半〜18時半
(最終診療開始時間:17時)
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(最終診療開始時間:18時)

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