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玄米は消化が悪いのか

「玄米って体に良いかもしれないですけど、消化が悪いって言いますよね?」

と、言われたことがあります。玄米が体にとってどうなのかについて私の考えとしては、以下の前回のコラムにいたしました。

鍼灸院神尾コラム記事玄米と白米の違い

次に、「玄米は消化が悪い」という個所になりますが、私個人としては玄米を食べると胃がもたれる、といったことがないので、消化が悪いということは実感としてはありません。

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しかし、玄米には硬い食感があり、それが消化が悪そうな印象を与えるのかもしれません。玄米が硬いと感じるのは、下図にあるように、構造上、最も外側に薄皮のような糠(ぬか)や胚芽があるためかと思います。



白米では、糠と胚芽を削ぎ落としてしまうため、白米を食することに慣れている人にとっては、「玄米は硬い」→「玄米は消化に悪そう」と感じてしまうかもしれません。

よく噛まないと美味しくない

それと、玄米を食するのに気をつける点は、「よく噛む」ということです。一口につき何回、噛んだほうがいい、とったことを言うつもりはありませんが、スルスル玄米を飲み込んでしまうような食べ方をすると、美味しくもなく、消化にも悪いと思います。

玄米食の楽しみというのは、良く噛んで、玄米の甘みを楽しむということだと思っています。玄米は噛めば噛むほど甘みが出て、それを美味しいと感じる感覚が必要だと思います。また、噛むほど、唾液が分泌され、消化を助け、体への吸収も促進されるのだと思います。

発芽抑制因子

ここからは、玄米が消化に悪いという説を唱える人が、ある理由を挙げていたことについて触れてみたいと思います。

それは、「玄米の表面には、発芽抑制因子というものがあり、その発芽抑制因子が消化に悪い。」ということでした。

「発芽抑制因子」というのは、玄米に限らず、「種」に見られるもののようです。玄米も例えば、玄米を水の中に浸しておけば、1週間程度で、発芽します。それを発芽玄米と呼びます。つまり、玄米も種といえます。

種は発芽せずに種として存在するには、発芽しない状態を維持しなければなりません。発芽を抑える物質が種の表面に存在し、それが種を守っているという話があります。実際に、発芽する時は、水分であったり、土の養分といったものが種の表面の「発芽抑制因子」を中和するというか、バリアを突き破るような形で、「発芽抑制状態」が崩れるということのようです。

私個人としては、そのような「発芽抑制因子」といった物質が種の表面にあってもなくても、「種」は温度、湿度、気圧、光線量などといった周りの自然環境が種にとって完璧に整った時に、何かスイッチのようなものが点いて、種は発芽するのではないかと思うが自然な気がします。

その「発芽抑制因子」が消化に悪い、ということに仮にした場合、発芽しない状態でもその「発芽抑制因子」を壊すことができれば、消化に良い玄米が炊けるという話があり、その方法は、玄米を「煎る」ことだそうです。

煎ってから炊く

この話を聞いてから、我が家でも玄米を炊くときは、先に玄米を煎ってから炊くようにしています。詳しい炊き方は後日、コラム記事にしたいと思います。

私の炊き方は、簡単に述べると、2カップの玄米を軽く洗って水を切ってから、フライパンで強火で5分間煎り、そのフライパン上に水を入れ、水が沸騰したような状態になるのですが、それが落ち着いたら、煎った玄米と水を炊飯ジャーの釜にいれて、炊飯ジャーの玄米モードでセットして炊いています。炊く前に玄米を水に浸けておく、といったことはしません。

実際に、煎ってから炊くと、香ばしい炊き上がりになります。私個人としては、元々煎らずに炊いても消化に悪いと感じたことがないので、なんとも言えなかったりはしますが、何かマイナスになる点はないと感じています。

玄米は焦げても大丈夫?

初めて試した時は、5分間強火で煎ると玄米の表面が完全に焦げるわけではないのですが、多少焦げたような感じになり、玄米が焦げていたら、それは体には良くないのではないか、と思いました。

しかし、玄米を完全に焦がしたものを煎じて飲む玄米療法が東城百合子著「家庭でできる自然療法」に「黒入り玄米」として書かれていて、玄米を焦がすことで薬効があるということを知り、それからは多少焦げ気味になっても問題ないとしています。

「家庭でできる自然療法」では、玄米を2〜3時間弱火で真っ黒になるまで煎り、それを煎じてコーヒーのようにして飲むと、弱った体に活力を与え、食欲が増進する、とあります。また、体の毒素を排毒し、便通、利尿の通りを良くして、新陳代謝を促し、老廃物を排出するとあります。

そんなわけで、玄米が焦げること自体には問題ないどころか薬効まであるということがわかったのですが、実際に日常的に煎って炊く場合は、焦げるほどは煎らずに、強火ではありますが火加減を調節して香ばしいぐらいにしています。

煎って炊く場合と煎らないで炊く場合での私が感じる違いは、煎った場合のほうが、食感としては軽い感じがして、ベタベタとした食感がありません。また、しゃもじに付く玄米が煎ったほうが、しゃもじにくっつきにくい、といった違いもあります。

まとめ

まとめますと、「玄米が消化に悪いのか」といったことについては、私個人としては、どのような炊き方をしても、よく噛んで玄米の甘みを楽しめるような食べ方をしていれば、玄米が消化に悪いとは感じていません。でも、感じ方は人それぞれで、玄米が硬い、消化が悪いと感じる方や、玄米を試してみたい玄米初心者の方にとっては、玄米を煎ってから炊く方法はおすすめできます。

何事もこういうことは、試してみて、自分に合っているのか、どうなのかをご自身で判断していただければいいと思いますので、悩まずにまずは試してみて、ご自身で感じていただけたらと思います。

次回のコラムでは、実際に私がどのように玄米を炊いているか、ご紹介できたらと思います。

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カテゴリー: 食養

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