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鍼治療例

私が今まで診させていただいた患者さんの症例をご紹介させていただいております。

患者さんがどのような症状で来院され、私がどのように患者さんの状態を見極め、どのような鍼治療をどのぐらいの期間、頻度で鍼治療を行ったのか、その結果、患者さんの最初の症状などがどう変化したのかをご紹介させていただいております。

ご自身の症状などと比べて、参考にしていただけたらと思います。


自律神経失調症
性別 男性
年齢 50歳代
最もお困りの症状 自律神経失調症
初診時の症状、体質
高校生の頃から自律神経失調症が原因で、だるさ、不眠、頭重感、のぼせ、肩こりなどがある。

睡眠に関しては、寝つきや寝起きが悪く、眠りが浅く、夜中に目が覚めることもあり、子供の頃から熟睡できることがない。

症状としては、頭痛、耳鳴り、眼精疲労、めまい、立ちくらみ、動悸、足部のむくみ、下肢がピリピリする痺れ、手足の冷えがある。

精神的には、神経質で、イライラすることが多く、憂うつ感、不安感がある。

子供の頃は喘息があったが、この数年はない。

診察
自律神経失調症とは、特に原因がはっきりとしないが、様々な症状が現れ、精神的にも不安定な状態となります。

自律神経とは、体の様々な調節を自動的に行なう機能を司る神経です。代表的なものは、心拍、血圧、血液量、体温、血液のペーハー、発汗、消化、排泄などの調節となります。

自律神経は交感神経と副交感神経という緊張とリラックスをもたらす信号によって、意思とは無関係に体の様々な調節を自動的に行っています。

多くの患者さんは過緊張状態にあり、鍼の刺激には心地良さというリラックスできる感覚があり、そのような鍼の刺激が自律神経を整えていく作用があるとされます。

自律神経について詳しくは、免疫のことを含めて説明しているコラム記事がありますので、ご興味ある方はご覧下さい。
鍼神尾 コラムページ
免疫力ってどういうこと?~免疫力と自律神経の関係と腸内環境について~


お体の全体的な印象としては、頸部肩部肩甲骨内側第1~5腰椎仙骨部(骨盤)の硬さが顕著でした。

特に、不眠症の方の特徴である頸部肩部肩甲骨内側の硬さは連なっているような印象があり、睡眠状態の改善が最初の目標とすべきだと思いました。

腰部は深い所が硬く、体の土台でもありますので、硬さを緩めて、バランスの良い土台を作る必要があります。また、腰部は消化器系、腎臓、副腎などと関連が深いこともあるので、全身への影響は大きいです。

治療内容
自律神経失調症の症状には様々なものがありますが、鍼の刺激によって、自律神経が整うことで、多岐にわたる症状も徐々に改善されます。

この患者さんの場合は、頸部肩部肩甲骨内側第1~5腰椎仙骨部の硬さを鍼によって緩めていくことで、滞りのないバランスのとれた状態を目標としました。また、ツボの名前としては、陶道(とうどう)、神道(しんどう)といった背骨の中心を走る線上のツボも重視しました。

まず最優先されることは、睡眠の質を上げるためにも、頸部肩部肩甲骨内側の硬さと張りをとることとなります。睡眠の質が上がれば、体を回復させる力が増強するからです。

その後は、体の土台部分である腰部、仙骨部を中心に整えていけたらと思います。

自律神経失調症の治療ポイント


経過
治療を開始した当初は、治療を受けてからの3日間は眠気が非常に強く、昼も夜も寝てしまうことがあり、便通が多かったり、便秘になったり、動悸を強く感じたり、息苦しいことがあったりと様々な変化がありました。

これは、鍼治療によって、体が動き出し、特に眠気が強く、寝続けてしまうというのは、体の欲求であり、体が治る方向を向き始めたといえると思います。このような変化は多くの患者さんが経験することです。

初診から2ヶ月が経ったころには、動悸、息苦しさ、便秘、下肢の痺れ、頭痛といった諸症状が改善されてきました。

その頃、ご本人は、鍼治療を続けていく内に、ご自身の体の不調の根本は腰にあるのではないか、ということを仰っていました。

治療も初診当初は、頸部肩部肩甲骨内側といった体の上部を最も重視するものでしたが、徐々に体の上部が緩みだすにつれ、重視する個所も腰部や仙骨部に移行していきました。ご本人も腰が緩むと、呼吸が楽になったり、睡眠にも良い影響があると仰っていました。

その後は一時期、腰の痛みが浮かび上がってきた、とご本人は仰っていましたが、その時期を過ぎると、今までで最も体調が良いと仰っていました。

治療期間: 4ヶ月

治療間隔: 週に1回

患者さんご自身が感じられた変化
子供の頃から喘息があり、若い頃も精神科に通ったりした時期もあり、その後も様々な症状に悩まされ、今までも色々な治療を受けてきました。

鍼灸治療も以前に他の鍼灸院で受けたこともありましたが、自律神経失調症に関する説明がしっくりくることがありませんでした。

こちらの鍼灸院では、鍼の刺激が、自律神経の交感神経と副交感神経に対して働きかけ、自律神経が整っていく、という説明がありました。また、体の負担がかかっている個所に硬さが現れ、その硬さを一つずつ緩めていくことで、体内の滞りが解消され、循環の良い体作りが根本治療であるという説明に、私は納得することができました。

体調としては、様々な症状があったにも関わらず、特に最初は体の上部に現れる頭痛、息苦しさ、動悸、耳鳴り、眼精疲労、めまいといった症状がつらかったですが、そのような症状に改善がみられてからは、それまで自覚症状としてはほとんどなかった腰が自分にとって最も治療が必要だった個所だということに、鍼治療を受ける度に気がつかされました。

腰は体の中心であり土台であるわけですから、枝葉末節ばかりでなく、中心部を治さないかぎり、私のような、どこの治療院でも良くならなかった患者は、なかなか良くならないといえそうです。

考察
この患者さんは治療開始当初は、体の上部に現れる症状を最優先する治療から始め、体の上部が緩むにつれ、治療のポイントとしては腰部に重点が移っていきました。

ご本人としても腰部は自覚症状があまりなく、意識が薄かったようでしたが、治療が進むにつれ、腰部の重要性に気がつかれ、驚いていました。

腰部は体の土台であり、全身に影響を与えます。土台が狂えば、体はバランスを失い、土台が整えば、体は快方に向かえるといえます。

自律神経失調症は、どこか体の部分的なことではなく、体全体の疾患だと思います。体の滞りを解消し、体のバランスが整うことで、様々な症状は快方に向かいます。それができるのが、鍼治療の優れた点だと思います。

カテゴリー:自律神経失調症

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