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投稿日:2022年11月23日
「自然」とは自らを然らしむ
このコラムも自然農の話しから始まってしまいますが、今回はそれが人間の心体のことにつながる話しになります。
過去のコラムの中で、度々紹介させていただいている、YouTubeチャンネルになりますが、島の自然農園の山岡さんが、まなちゃんと対談されている動画があります。
YouTube 島の自然農園チャンネル
【自然農】2022年8月5日 なぜ野菜が無肥料で育つの? 【natural farming】
この動画の中で、
「自然農法を始める前に、無肥料で野菜を育てていくことができると思っていましたか?」
という質問がありました。
一般的には、肥料を与えずに、作物を育てる、ということは、考えられないことで、受け入れ難いことであり、常識的ではない、ということのようです。
それに対して、山岡さんは
「できると思っていた。」
と応えられ、どうしてできると思っていたのかを説明されていました。
クヌギの木を例にされていましたが、木は切り倒しても、切り株からまた木が伸びて成長し、木を切る前よりも大きくなっていくこともあり、それは、人間が手を加えることなく、勝手にそうなる、ということを仰っていました。
また、畑も人間が手放すと、草が生い茂り、そこから木も生え始め、最終的には山や森のような形態になっていき、それが自然界では当たり前のことであると仰っていました。当然、その間、人の手によって肥料を与えるといったことはありません。
この当たり前の自然界の力を認識できない人は、「野菜作りには、肥料が必要。」という考えになってしまうのだと思います。
山岡さんは、「自然」とは「自らを然(しか)らしむ」ということであり、簡単に言えば、「勝手にそうなる」といった壮大な自然界の流れによる力であると仰ります。
また、「自然」に相反するものは、「人工」であり、「人工」とは、人間の頭の中の思考が作り出したものであり、現代人の多くは、生まれた時からこの「人工」に囲まれた環境で過ごしていて、「人工」に慣れきっている結果、「自らを然らしむ」ことが信じられないことになってしまうと仰ります。
私がこの話しを聞かせていただいて、素人ながら自然農法を始めていて、自分の畑のことにも当てはまることではあるのですが、それ以上に、私が感じたのは、「自らを然らしむ、勝手にそうなる力」というのは、人間の心体や病いを癒そうとする自然治癒力についても同様のことが言えるのではないか、ということです。
私の実感としては、鍼治療を求める患者さんには少ないと思いますが、一般的には、本来は、人間が病いや怪我をしたとしても、それが癒され完治していくのが自然な姿であり、それが自然治癒力といわれる本来、誰もが持ち合わせている力によるものである、という考えが欠落している人が多いように思ます。
指先を包丁で切ってしまったとしても、その傷が治るのは、軟膏を塗ったからだとか、傷口を消毒したからだとか、バンドエイドの成分が傷を治してくれたんじゃないかとか、そういった思考に現代人は陥りやすいのではないでしょうか。
傷口が完治するのは、自ら然らしむ、自然治癒力によって、勝手に治っていくのが当たり前なのです。軟膏、消毒液、バンドエイドといったものは、その自然治癒力が発揮しやすくするサポートすることに過ぎないのです。
鍼治療も同じことがいえます。金属製の鍼そのものが、あーだこーだと体を治すのではありません。体を治すには、自然治癒力が充分に発揮できる体内環境を整える必要があり、それを実現するために鍼治療があると考えます。
私の鍼治療の場合は、硬結と呼ばれる硬さが体の浅いところや深いところにあり、そういった硬さがあったままでは、その硬さが血液の流れ、気の流れ、といった様々な流れを阻害してしまうと考えます。
それでは、自然治癒力が発揮されないので、その硬結に鍼を当て、硬さを緩めていくことで、体内の滞りが解消され、体内循環が正常化されることで、自然治癒力が充分に発揮されれば、今まで起きていた不具合は自然と解決される、ということだと思います。
このような鍼治療の原点といえる考え方を自然農から再認識させていただきました。
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過去のコラムの中で、度々紹介させていただいている、YouTubeチャンネルになりますが、島の自然農園の山岡さんが、まなちゃんと対談されている動画があります。
YouTube 島の自然農園チャンネル
【自然農】2022年8月5日 なぜ野菜が無肥料で育つの? 【natural farming】
無肥料で育つのか?
この動画の中で、
「自然農法を始める前に、無肥料で野菜を育てていくことができると思っていましたか?」
という質問がありました。
一般的には、肥料を与えずに、作物を育てる、ということは、考えられないことで、受け入れ難いことであり、常識的ではない、ということのようです。
それに対して、山岡さんは
「できると思っていた。」
と応えられ、どうしてできると思っていたのかを説明されていました。
クヌギの木を例にされていましたが、木は切り倒しても、切り株からまた木が伸びて成長し、木を切る前よりも大きくなっていくこともあり、それは、人間が手を加えることなく、勝手にそうなる、ということを仰っていました。
また、畑も人間が手放すと、草が生い茂り、そこから木も生え始め、最終的には山や森のような形態になっていき、それが自然界では当たり前のことであると仰っていました。当然、その間、人の手によって肥料を与えるといったことはありません。
この当たり前の自然界の力を認識できない人は、「野菜作りには、肥料が必要。」という考えになってしまうのだと思います。
山岡さんは、「自然」とは「自らを然(しか)らしむ」ということであり、簡単に言えば、「勝手にそうなる」といった壮大な自然界の流れによる力であると仰ります。
また、「自然」に相反するものは、「人工」であり、「人工」とは、人間の頭の中の思考が作り出したものであり、現代人の多くは、生まれた時からこの「人工」に囲まれた環境で過ごしていて、「人工」に慣れきっている結果、「自らを然らしむ」ことが信じられないことになってしまうと仰ります。
私が感じたこと
私がこの話しを聞かせていただいて、素人ながら自然農法を始めていて、自分の畑のことにも当てはまることではあるのですが、それ以上に、私が感じたのは、「自らを然らしむ、勝手にそうなる力」というのは、人間の心体や病いを癒そうとする自然治癒力についても同様のことが言えるのではないか、ということです。
私の実感としては、鍼治療を求める患者さんには少ないと思いますが、一般的には、本来は、人間が病いや怪我をしたとしても、それが癒され完治していくのが自然な姿であり、それが自然治癒力といわれる本来、誰もが持ち合わせている力によるものである、という考えが欠落している人が多いように思ます。
指先を包丁で切ってしまったとしても、その傷が治るのは、軟膏を塗ったからだとか、傷口を消毒したからだとか、バンドエイドの成分が傷を治してくれたんじゃないかとか、そういった思考に現代人は陥りやすいのではないでしょうか。
傷口が完治するのは、自ら然らしむ、自然治癒力によって、勝手に治っていくのが当たり前なのです。軟膏、消毒液、バンドエイドといったものは、その自然治癒力が発揮しやすくするサポートすることに過ぎないのです。
鍼治療では…
鍼治療も同じことがいえます。金属製の鍼そのものが、あーだこーだと体を治すのではありません。体を治すには、自然治癒力が充分に発揮できる体内環境を整える必要があり、それを実現するために鍼治療があると考えます。
私の鍼治療の場合は、硬結と呼ばれる硬さが体の浅いところや深いところにあり、そういった硬さがあったままでは、その硬さが血液の流れ、気の流れ、といった様々な流れを阻害してしまうと考えます。
それでは、自然治癒力が発揮されないので、その硬結に鍼を当て、硬さを緩めていくことで、体内の滞りが解消され、体内循環が正常化されることで、自然治癒力が充分に発揮されれば、今まで起きていた不具合は自然と解決される、ということだと思います。
このような鍼治療の原点といえる考え方を自然農から再認識させていただきました。
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