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鍼治療例

私が今まで診させていただいた患者さんの症例をご紹介させていただいております。

患者さんがどのような症状で来院され、私がどのように患者さんの状態を見極め、どのような鍼治療をどのぐらいの期間、頻度で鍼治療を行ったのか、その結果、患者さんの最初の症状などがどう変化したのかをご紹介させていただいております。

ご自身の症状などと比べて、参考にしていただけたらと思います。


肩こり
性別 女性
年齢 30歳代
最もお困りの症状 肩こり
その他の症状 子宮筋腫、お腹の張り、便秘、冷え性、眼の下のクマ
初診時の症状、体質
10年以上前から、肩こりが強い。肩が痛む時と、突っ張っている時がある。右肩よりも左肩のほうが痛む。腕が上がらないといったことはないが、常に両肩がつらい。左腕を上に挙げると、ポキッと鳴ることがある。

去年、子宮筋腫の手術を受ける。子宮筋腫と診断を受けてから、食べ過ぎるとお腹が張ることがあり、現在もある。

便秘気味。暑がりだが、手足の冷えは強く、寝ていても手足の冷えで目が覚めることがある。

眼の下のクマが気になる。
診察
肩部は左右とも板状の硬さです。肩甲骨内縁も硬さが連なります。これは肩こりの直接的な原因でもありますが、消化器系とも関連が深いです。他にも硬さがある所は、背骨の第12胸椎付近、仙骨部です。

第12胸椎付近には、「胃兪」(いゆ)や「脾兪」(ひゆ)と呼ばれる胃や膵臓に関連が深いツボがあります。また、仙骨部には「小腸兪」と呼ばれる小腸に関連したツボがあります。こうした胃、膵臓、小腸といった消化器系に関連の深いツボが硬さとして現れていることと、肩部肩甲骨内縁に硬さが現れていることが、消化器系の症状の原因であるといえます。

仙骨上部は生殖器とも関連が深く、子宮筋腫とも関連があると考えられます。

また、便秘、冷え性、眼の下のクマというのは、どれも体の循環が悪いことが共通した原因です。

治療内容
治療のポイントは以下の4つになります。
①お体全体のバランスを整えながら、肩部肩甲骨内縁の硬さが鍼によって緩まると→肩こりの改善・消失

肩部肩甲骨内縁第12胸椎付近、仙骨上部の硬さが緩まると→胃、膵臓、小腸といった消化器系の臓器につながる神経が圧迫された状態から開放される→消化器系の機能が高まる→お腹の張り、食欲不振などの症状の改善・消失

仙骨上部の硬さ→緩まると→生殖器につながる神経が機能を取り戻す

④全身のバランスをとりながら、上記の硬さが緩まると→全身の気・血液・神経の流れが滞りなく循環するようになる→便秘、冷え性、眼の下のクマといった循環の流れの停滞といえる症状が改善・消失

肩こりの治療ポイント

経過
ご本人の最もつらい症状である肩こりを改善することから始めました。初診時には、両肩ともに板状の硬さで、根深い肩こりの印象でした。

治療開始時は、鍼治療の2~3日後には、また以前のような肩の痛みや張りに戻ってしまうことがありました。

鍼治療を受けた後、眠気が強いとも仰っていました。それは体を回復させるために、体を休めたいという反応に思えます。そのような反応が見られる方のほうが回復する力が強いと考えられます。

初診から1ヶ月後には、それまでの治療後2~3日後に戻る、といった状態が、治療4~5日後に戻る、といったように、肩の痛み、つらさが戻るまでの間隔が開いてきました。それと伴に、その時期から、お腹の張りや胃もたれといった症状が、ほぼ気にならなくなってきたとのことでした。

また、2ヶ月目に入ると、手足の冷えが以前よりなくなってきている、便通が良くなってきた、よく眠れる、といった変化があり、肩の痛みはほとんどないが、首の付け根がつらい、といったものになってきました。

その後は多少の波がありましたが、初診から4ヶ月後に肩のつらさが強いことがなくなり、5ヵ月後も肩の痛みでつらい、といったことはなくなりました。

治療期間: 5ヶ月
(肩の痛みが気にならなくなった…初診から4ヶ月)

治療間隔
初診~1ヶ月…週に1回
1ヶ月~3ヶ月…隔週に1回
3ヶ月~5ヶ月…月に1回

患者さんご自身が感じられた変化
鍼治療を始めたころは、とにかく治療を受けた後、すごく眠くて、あくびを連発していました。

肩の痛みは、しばらくは治療後の数日間は楽に感じるものの、1週間以内に元に戻ってしまうことが続きました。

最初は肩に関してはそんな感じでしたが、肩よりも先にお腹の張りが気にならなくなってきたり、便通が改善され、胃がもたれることが気にならなくなったりと、お腹の調子が整ってきた感じがありました。

その後、徐々に肩が痛むことがなくなってきて、肩の張りや肩が重く、つらい、といったことがなくなってきました。

私の場合は、肩が硬くつまっていたことで、様々な循環が良くなかったように思えます。そのせいで、消化器系の症状もありましたし、冷え性や目の下のクマがあったりと、特に血液の循環が悪かったのだと思いました。

考察
肩こりのタイプとしては、硬い塊がゴロっと触れるタイプ、肩全体が張っているタイプ、バリバリに板状の硬さがあるタイプと様々です。この患者さんの場合は板状の硬さがはっきりとしていたタイプでした。

硬さが根深い印象でしたので、ある程度、時間はかかる覚悟が必要でしたが、思っていたよりかなり早い時期から症状の変化と改善がみられました。

初診から1ヶ月は、治療の数日後には元に戻る、といったことが続きましたが、肩こりの大きな変化よりも先に、お腹の張り、胃のもたれ、便秘といった消化器系の症状の改善がみられました。

その後は肩の外側から緩んできて、4ヶ月後には肩の痛みを感じることはほぼなくなってきました。その頃は月に1回の治療でしたが、元の肩の痛みが再発するようなことはありませんでした。

この患者さんの場合、肩こりの他に消化器系の症状が目立ちました。肩部が硬く、つまった状態が続くと消化器系に影響がでるタイプの患者さんであったと思います。また、肩部が硬くつまれば、血液や気の流れが停滞することにもなりますので、冷え性などの全身の症状にも影響があります。

肩こりが改善される過程で、消化器系の症状のほうがむしろ肩こりよりも先に改善がみられ、それに従って、肩こりにも改善がみられた、といったことからも、消化器系と肩こりに関連性があるケースであったといえると思います。

このように肩こりと消化器系との関連が、全ての肩こりの患者さんに当てはまるかといえば、そうとはいえません。しかし、肩こりは肩部だけの問題ではないことがほとんどです。そのような意味でも、症状のある個所にだけ気をとられず、お体全体をとらえながら鍼治療を続けることが重要であるといえます。

カテゴリー:肩こり

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月・木・金:10時半〜18時半
(最終診療開始時間:17時)
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