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五十肩はどうしたらいい?

五十肩というと、50歳代の肩の痛みと思われがちですが、40歳代でもその他の年代でも五十肩とされ、医学的には「五十肩」が正式な疾患名となり、40歳代は「四十肩」とは医学的には言いません。

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痛みは強く、日常生活にも支障がでるほどのことが多いようですが、ある一定の期間を過ぎると何事もなかったかのように痛みが消えるといった特徴があります。

実際に、五十肩を発症した場合、どのように対処し、ご自分でできることはあるのか、また鍼治療ではどのように治療していくのか、といったことを3回のコラムに分けてご紹介させていただきます。

五十肩の症状

症状は肩が重だるい、うずくような感じがする、手の置き場がない、といった訴えが多いですが、肩を動かさない時は特別に苦痛はなく、たなの上のものを取ろうとした時など、ふいをつかれて痛んだり、服に手を通そうとしたとき、自分の髪を束ねようとしたときなど、手を伸ばす瞬間にキリッとした痛みを感じるのが特徴です。

五十肩の原因

原因は不明とされますが、肩がどうなるために痛むのか、については以下が挙げられます。

五十肩01


① 肩の関節を取り囲んでいる回旋筋腱板という筋肉の腱(骨に付着する部分の強い筋肉)がすりきれたり、石灰がたまったりする。

② 癒着性関節炎や粘液包炎をおこす。

③ 肘を曲げる筋肉である上腕二頭筋の腱が腱鞘炎をおこす。

筋肉が骨にくっつく部分に腱と呼ばれる組織があります。足のアキレス腱をイメージされるとわかりやすいかと思いますが、この腱は関節を動かすときに重要な働きをしています。かなり丈夫にできているのですが、この腱には血管がないために、一度、傷つくとなかなか治りにくいのです。この腱が老化などの理由で、もろくなると、部分的にすれたり、切れたりして五十肩の症状が出てきます。

以上が五十肩の最も有力な原因とされますが、その他には、関節そのものが変形したり、肩の周りの筋肉や筋膜(筋肉を包んでいる膜)に炎症をおこし、それが五十肩になる場合もありえます。

また、肩の関節の可動域(動かせる範囲)は360度ですから、人間の関節の中で最も可動域が広い関節なので、これは人間の手が進化の過程において使いやすいように、その自由度が高くなったために、仕組みが複雑になって、安定性が犠牲になっている、という弱点があります。

鍼治療の方法

治療を行わず自然治癒をただ待つ場合、完治まで早くて半年、長くて1年かかるとされています。その場合でも完治してしまえば跡形もなく治り、腱組織も自然に修復され、安定状態が保たれます。

鍼治療を行なうとその半年~1年のつらい肩の痛みの期間が短縮されます。実際の鍼治療では、肩関節の前面、後面、上腕、鎖骨下端、胸鎖関節付近などにみられる異常個所に鍼をすることで、痛みを和らげる効果はもとより、損傷している腱の修復を早める効果があります。

基本的に、鍼をする個所には、「血液」や「気」が集まる性質があります。それによって、患部に栄養が運ばれ、老廃物が回収されるという循環が促進されます。また、鍼は金属で、体にとっては「異物」であり、その異物に対して戦う力が発動され、その力が腱などの損傷個所に対する修復力の増加につながると言えます。

また、肩周辺の患部のみの治療ではなく、体全体の治療を行うことで、自律神経系が整うことや、栄養吸収の改善、排泄力の増進、眠りの質の改善、ホルモンバランスの正常化や骨盤の調整などの様々鍼治療の効果が、患部の修復、回復に必要な体内環境を作り出します。

五十肩の症例を以下で紹介させていただいております。
⇒五十肩の症例

普段の生活での注意点

初期の2~4週間は肩を安静にし、無理をして動かさないことと、温めると痛みが楽になるので、ぬるめのお風呂にゆっくりつかることや、カイロで患部を温めるのがいいと思います。

ウォーキングは誰でも手軽にできる運動で、腕を振って歩くことで血行を良くし、筋肉のトレーニングにもつながるので五十肩にも効果があります。

肩を覆うということが大事なので、普段の工夫として、少し厚手のシャツを着たり、就寝時には肩を保温するサポーターをつけることもお勧めです。肩周辺を冷やさないことが大切です。

仰向けで寝る時に肩周囲に痛みがある場合は、バスタオルなどを2~3回折りたたみ、痛いほうの腕の下に置きます。こうすることで、腕の重みで肩が下に引っ張られることを防ぐので痛みがなく安眠できます。

肩が少しずつ動かせるようになったら、積極的に運動療法を始めることが、完全に治す一番の近道です。運動療法のポイントとしては、自分で動かして最も痛む方向に向って、無理せず徐々に根気良く動かすことです。

五十肩の運動療法に関しては、次のコラム「五十肩の体操療法」を参考にされてください。

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カテゴリー: 五十肩

たねの森を訪ねて

たねの森を訪ねて01先週の休日は、埼玉県日高市のたねの森を3年ぶりに訪ねました。当日は畑でエゴマの作業があるということで、一緒に畑仕事をさせていただき、久しぶりに土に触れ、土の温かさ、土の香りや植物の生命力を感じることができました。

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私が初めてたねの森を訪ねたのは10年前で、最初に愛媛県の福岡正信さんの農園を訪ね、そこで知り合った人づてに、たねの森に辿り着き、一時期は連日のように畑仕事の手伝いをさせていただいていました。

その頃の私は、鍼灸の道を歩み始めていましたが、鍼灸の文献や教科書といった卓上の理論といったものだけでなく、生命というか、もっとリアルに自然を実際に感じ、その感触を自分の五感を通して経験したかった想いがありました。その経験が鍼灸治療を歩む者にとって絶対に必要なことだと信じていましたし、今でもそう思っています。それは、鍼灸の考え方には人体は自然と一体のものであるという考えが大前提であるとされるからです。たねの森という空間で自然を感じる様々な経験をさせていただいたことは私にとって鍼灸師としても財産であり、ただただ感謝するばかりです。

たねの森を訪ねて02たねの森では紙さん一家が本物の種を作られています。現在の一般的な種は、F1種(交配種)と呼ばれ、一代で力を出し切ってしまい、二代、三代となるにしたがって、生産性が低下し、中には種が採れないものもあるようで、F1種は代々永続的につながっていく種ではありません。F1種の作物は形が良かったり、効率が良かったり、人間都合にとっては良いことがあります。しかし、それは本来の自然界のものとはかけ離れたものであり、代々つながっていく「種のリレー」が途絶えることになります。

人類が農耕を始めた1万年前から、人々は種を家宝のように大切に守りながら受け継いできました。それが20世紀に入ってから、このF1種という人工的に交配された、代々つながらない種は、資本主義的な生産主義、効率主義と価値観が合致し、大規模農業経営と共に急速に広がったのでした。

「種のリレー」が途絶えるということは、命の営みの上で最も大切な多様性や永続性が途絶えることになります。

たねの森では、途絶えてしまった「種のリレー」を取り戻し、失われた種を守り広め、継承の文化や多様性の価値観を取り戻すための様々な活動に取り組んでおられます。

東洋医学、とりわけ鍼灸治療の全盛期は江戸時代であるといわれていますが、明治維新や第二次世界大戦後のGHQによって弾圧され、近年になって西洋医学一辺倒からの東洋医学の価値観が見直されてきている状況があります。

私は東洋医学、鍼灸治療を取り巻く状況とこの「種のリレー」とに、重なる部分があると感じています。

無農薬・無化学肥料のたねの店
たねの森
http://www.tanenomori.org/

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カテゴリー: 探訪記

患者さんの不安 ~初診時に大切なこと~

先日、当院にお電話でお問い合わせがありました。初めてお電話をいただいた方でした。

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腰椎椎間板ヘルニアで、それほどの激痛ではないものの、腰に痛みがある方でした。この方は、この電話の前日に他の鍼灸院で治療を受けられたとのことでした。にもかかわらず、

「鍼 神尾では私のような場合、どのような治療をされるのですか?」

とお問い合わせをいただきました。

前日に受けた治療院では、痛みの強い患部に直接、鍼や灸をするのではなく、患部の周辺から治療していくようなやり方だったとのことでした。一応、その治療院で次回の予約を1週間後に入れているが、同時期に鍼 神尾でも治療を受けてもいいものか、といったことを仰っていました。

私がどのような治療をするのかに対しては、

「腰痛にまつわる病名には、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、すべり症など様々なものがありますが、腰椎4・5番や骨盤の中央にある仙骨の深部の硬さが原因となっていることがほとんどであることから、当院ではその硬さを鍼によって緩めることを最も重要視いたします。」

と答えました。

言い換えれば、腰椎4・5番や骨盤の中央にある仙骨の深部の硬さがより深刻になると、それがその患者さんによって、ある方は椎間板に負担がかかり腰椎椎間板ヘルニアとなり、脊柱管を圧迫する形になっていけば、脊柱管狭窄症となる、といったように、根っこは同じでも、その患者さんの体の状態、体の使い方、体の癖によって、病名が異なってくるように思えます。

患者さんの不安この腰椎4・5番や骨盤の中央にある仙骨の深部の硬さというのは、背骨と骨盤のつなぎ目であり、ここは人間が2本足で立った時点で最も負荷がかかる所であり、強力な靭帯や筋肉で支えてはいるものの、負担に耐え切れなくなると、ある意味、痛みなどの黄色信号を体が発し、これ以上、無理させないよう、また、休息させるように体が反応するのだと思うのです。痛み、しびれ、麻痺といった症状は、状態が悪化すればするほど、痛みは腰部よりも下へ、臀部の奥や太ももの裏、アキレス腱や足の甲にまで下がっていく傾向があります。

休息をとれば治るのであれば問題ありませんが、悪化すると自力では元に戻れない状態になり、そのような状態では治療が必要となります。いわば、鍼治療は自力で元に戻れるようになれるように体を助ける治療法に思えます。

それと、この患者さんは

「同時期に複数個所で鍼灸治療を受けてもいいのか?」

といったことも仰っていましたが、それに対しては、私としては、避けたほうがいいと伝えました。前日に受けた鍼灸院の治療方法、治療の考え方、治療計画といったものが私には全くわかりませんし、あれこれ手を出して中途半端に治療に取り組むのは良いことはないように思えます。前日にその鍼灸院で治療を受けたということは、その鍼灸院、鍼灸師とご縁があったということだと思いますし、この患者さんはご自分の判断で鍼灸院を選択されたのですから、それにきっと意味があるのだと思います。何度か通院されて、治療の効果が感じられず、いろいろな意味で、ご自身が納得して治療に取り組めないようでしたら、当院に足を運んでいただけたらと伝えました。

最後に、この患者さんですが、前日に他の鍼灸院で治療を受けたにもかかわらず、治療を受けた翌日に私の所に電話をしてきた心境を察すると、前日に受けた鍼灸院では、その日に行った治療に関する説明や、鍼灸師が感じた患者さんのお体の印象、今後どうやって治療して、どういった状態を目指すのか、患者さんが抱える疑問に答える、といったやり取りが不十分であったことで、この患者さんはいろいろなことがトータルで納得いかず、今後に関して不安になってしまったのではないでしょうか。

「今のところ、劇的な効果も感じてないし、今後の治療計画のことも説明がよくわからなかったし…でも、まだ一回受けただけだしなぁ…次回の予約はしているけれど、今後もこの鍼灸院で治療を続けていっても大丈夫なのだろうか?そうだ、ネットで調べてみよう…なんか「鍼 神尾」なんて所があるぞ…ちょっと電話して聞いてみようかな…」

これは私の勝手な想像ですが、このような心境だったのではないでしょうか。

鍼灸師は治療において、とにかく患者さんのお体が良くなるために全力で最善を尽くすことが第一だと思います。その上で、患者さんの不安を取り除けるように、説明すべきことはしっかりと伝えることで患者さんに納得していただくことが、患者さんの不安を取り除き、ご自身が意欲的に治療に取り組めることにつながるのではないでしょうか。

なかなか簡単なことではありませんが、大切なことだと思います。

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カテゴリー: 鍼治療について

鍼灸治療ってどこの治療院で受けても一緒?

鍼灸治療には、色々なやり方があり、流派やグループがたくさんあります。

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経絡というツボの並びを重視して、その流れを通すように鍼や灸をする方法。この症状には、このツボという風にツボを使っていくやり方。ツボには特にこだわらず、筋肉や神経に対して鍼や灸をする方法。そのそれぞれのやり方が混ざり合っているようなものもあるように思え、挙げればきりがないかもしれません。

このようなやり方の違いは、登山に例えると、みんな同じ頂上を目指しているけれど、その登るルートや装備などの違いとでもいえるのではないでしょうか。目指す頂上というのは、その患者さんの本来持ち合わせる自然に治ろうとする力を発揮できる体内環境を整えることであると、私個人としては、そう思っています。その整え方に色々な方法があるといえると思います。

鍼灸治療ってどこの治療院で受けても一緒それぞれの流派やグループの治療方法が違っているのは、はっきりしていることなのですが、では、同じ流派ならば、異なる鍼灸師でも治療自体は同じといえるのでしょうか?私個人としては、同じ流派でも鍼灸師個人の技術、経験によって、大きく異なると思います。また、その技術にしても、鍼灸師個人の物事に対する考え方や物事に取り組む姿勢、価値観といったものが土台となって、長い時間をかけて経験を積み重ねていく過程で形作られていくものだと思います。

私の鍼の師匠から最初に指導していただいたことは、単なる鍼の打ち方といったことではなく、

「鍼は心でするもの」

ということでした。

「心が鍼治療に伴っていれば、技術は後からいくらでもついてくる」

「患者さんを想って、早く良くなってもらいたい、と願う心を持って治療に取り組み続ければ、その内、良い鍼が打てるようになる」

という指導でした。

これは、やり方がどうこうといった理屈ではなく、もっと根本的な話であり、実際の治療で患者さんを前にして、こういう理論で、こう鍼をすればいい、ああ鍼をすればいいといった頭でごちゃごちゃと考えているガラクタは役に立たないということに思えます。

私の場合、雑念まみれの頭の中ですが、シンプルに原点に常に帰ることが必要だと思っています。

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カテゴリー: 鍼治療について

腰が根本原因?

今日はある患者さんと治療後にちょっと話し込んじゃいました。

「自分では、腰痛とか腰の症状は今までなかったので、腰はノーマークというか、全く意識してませんでしたが、今日、鍼を受けてみて、自分が今、抱えている諸症状は腰が根本原因ではないかと気づきました。」

と、その患者さんは仰っていました。その患者さんは、自律神経失調症、不眠症、体のだるさ、冷え性、といった症状をお持ちで、1ヵ月前から通院されています。最も深刻な訴えは不眠症です。

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この患者さんは、首、肩、肩甲骨内側に主に硬さといった異常がみられ、これは不眠症の患者さんの特徴でもあり、ご本人も首、肩、肩甲骨内側の硬さをはっきりと自覚されています。ご本人の訴えである不眠症を解消するには、この首、肩、肩甲骨内側の硬さを鍼によって緩めていく治療が必要となります。

この患者さんの場合、もちろん、この首、肩、肩甲骨内側を治療のポイントとするわけですが、私の治療の場合、どのような症状をお持ちの患者さんでも、首から肩、背中、腰、骨盤というように、首、背骨、骨盤の周辺を注意深く触診し、異常のある箇所に鍼をし、体全体を意識しながら治療を進めます。

これは、体は一つ一つのパーツに分けることはできるかもしれませんが、決してパーツとして部分的に機能しているのではなく、体全体として連動して機能していると考えるためです。その連動性の中核を担うのが腰であると考えます。

腰はちょうど体の中心部に位置し、骨盤を土台とし、腰を中心として曲げたり、伸ばしたり、ねじったり、といった動きができます。はさみに例えると、腰ははさみの刃と刃をつなぐネジの部分とでもいえるでしょうか。このネジの部分がズレていたり、動きが悪かったりしたら、はさみの切れ味が悪いばかりでなく、物を切ることも全くできないかもしれません。

腰が根本原因


鍼治療では、

「腰を治さなければ、体は治らない。」

と言われています。私の鍼治療でもどんな症状の患者さんでも必ず腰を注意深く診て、触診して、異常がないかどうか確認します。実際には9割以上の患者さんに腰に鍼をします。それは、腰は体の動きの出発点であり、腰に狂いがあれば、体全体も整わないと考えるためです。

今日、話をした患者さんの場合、腰の特に深いところに硬さがあり、ご本人も自覚されています。体の土台である腰が硬いと、腰にかかる様々な負担に柔軟に対応できず、腰に乗っかっている背中や肩甲骨周辺、肩、首にも負担がかかることで硬くなり、不眠症に陥っていると考えます。

この患者さんは、自分の腰に治療のポイントがあることを発見され、とても喜ばれ、今後の治療にも期待が持てると仰って帰られました。

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免疫力を上げるには?
~日常でできる免疫力アップ方法 後編 食事について~

今回は、前回のコラム、

免疫力を上げるには? ~日常でできる免疫力アップ方法 前編~

の後編ということで、免疫を上げる方法としての食事についてまとめてみたいと思います。

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食事に関しては、様々なことがいえますが、今回は免疫力を上げるには、というテーマがありますので、それに絞った内容にしたいと思います。

免疫細胞の6割は腸に存在し、腸内の免疫細胞が活発に働くには、善玉菌と悪玉菌の理想的なバランスが善玉菌9、悪玉菌1の9:1といわれています。ところが、このバランスは崩れやすく、善玉菌が不足し、悪玉菌が増えてしまう傾向にあります。よって、善玉菌を増やすための食事が必要となります。

善玉菌を増やす食事について以下が挙げられるかと思います。

発酵食品の摂取

発酵食品とは、食品を乳酸菌、麹菌、酵母菌、納豆菌などの働きによって、食材を発酵させ、食品の腐敗を防ぐ、おいしさに深みが出る、栄養成分が高まる、体内への吸収率が良くなる、といったことに加え、腸内環境を整え、免疫力が高まるといった効果があるとされます。

また、野菜に含まれる食物繊維は、乳酸菌などのエサとなり、発酵を助ける働きがあるとされます。

ヨーグルトやチーズといった乳製品は動物性の乳酸菌を含み、乳製品の乳酸菌は牛乳という栄養が豊富な環境で育つため、植物性乳酸菌のほうが厳しい環境である分、生命力が高く、胃や腸の中で胃酸などによって死滅することなく、多くが生きて腸まで届くと言われています。また、日本人にとっては、古来から植物性乳酸菌になじんでいるので、多くの日本人には植物性乳酸菌のほうが、体には合っているように思えます。

主な発酵食品の材料と菌名
醤油…大豆を麹菌と酵母で発酵
味噌…大豆を麹菌、酵母、乳酸菌で発酵
豆板醤…ソラマメと唐辛子を麹菌で発酵
コチュジャン…もち米と唐辛子を麹菌などで発酵
お酢…酒類が酢酸発酵
パン…小麦をパン酵母で発酵
くずもち…小麦を乳酸菌で発酵
納豆…大豆を納豆菌で発酵
鰹節…カツオをコウジカビで発酵
塩辛…微生物ではなく、原材料そのものがもつ酵素による発酵
ナタ・デ・ココ…ココナッツを発酵
バニラ…種子鞘の発酵により香料を得る
タバスコ…唐辛子を岩塩・穀物酢で発酵
キムチ…白菜などの野菜、塩、唐辛子、魚介塩辛などを乳酸菌によって発酵
ピクルス…野菜、塩、酢を乳酸菌によって発酵
ザワークラフト…キャベツ、塩を乳酸菌によって発酵
日本酒…米を麹菌と清酒酵母で発酵
ワイン…葡萄をワイン酵母で発酵
ビール…大麦の麦芽をビール酵母で発酵
シードル…りんごをりんご酵母で発酵
紅茶…発酵茶。微生物ではなく、原材料そのものがもつ酵素による酸化発酵
烏龍茶…紅茶と同様

米のとぎ汁乳酸菌の紹介

米のとぎ汁、自然塩、黒砂糖を混ぜて3~5日間かけて作ることができます。米に含まれる乳酸菌がとぎ汁にも含まれ、乳酸菌が塩分と糖分をエサとして増殖するというもののようです。私も最近、作ってみてはいますが、発酵が難しく、うまく作れるようになったら、後日紹介させていただきたいと思います。
作り方は以下のサイトを参考にされてください。
米のとぎ汁乳酸菌の作り方と使い方 | SUSTAINA PROJECT

特定の食品

野菜ある食品に限定して、「これさえ食べれば免疫が上がる。」といった考え方は偏りがあり、それほど単純には思えません。それでも、一般的に免疫に作用があるといわれる食品を以下に挙げ、参考にしていただけたらと思います。

大根
主な成分:辛味成分ジアスターゼ
免疫力を高めるには、白血球などの細胞がいつも元気に働けるよう、細胞の酸化(老化)を防ぐことが大切になります。
抗酸化食品はいろいろありますが、大根の辛み成分であるイソシアシアネイトに抗酸化の働きがあり、皮との間に多く含まれているので、よく洗って皮ごと食べたほうが効果が高いようです。
また、大根はジアスターゼなどの消化酵素も豊富です。食べたものを速やかに消化し、効率よく吸収する助けをし、効率よく吸収する働きがあり、代謝のアップにも役立ちます。
ただし、これらの成分は熱に弱いので、食べ方としては『大根おろし』が良いようです。

長いも
主な成分:ムチン
長いものヌメリに含まれるムチンは、たんぱく質の分解を助ける成分。長いもは、他にも多くの消化酵素を含み、食べ物の消化吸収をよくし、新陳代謝を上げるので、昔から“精がつく食べ物”といわれてきました。
最近では、抗酸化成分を含むこともわかっています。

茶そば
主な成分:ルチン、ビタミンA・C・E
そばにはルチンという抗酸化成分が含まれており、動脈硬化や高血圧の予防にも抗力を発揮するからです。 ところが、同じそばでも抹茶を加えた茶そばは、抗酸化ビタミンのA・C・Eも含むため、抗酸化力がさらに強力になるようです。そばを食べるなら、茶そばのほうがおすすめということのようです。

小松菜
主な成分:クロロフィル ビタミンA・C・E
小松菜は、緑色の成分であるクロロフィルとビタミンA・C・Eを含む、強力な抗酸化食品です。
そのうえカルシウムや鉄分などのミネラルも豊富なので、免疫力アップのためだけでなく、骨粗鬆症や貧血が気になる女性には、とくに積極的にとることをおすすめします。

納豆
主な成分:イソフラボン ビタミンK2
納豆などの大豆製品には、イソフラボンという、胃がんを予防する成分が含まれており、これが強い抗酸化力をもっています。
納豆には、納豆菌が含まれていますが、この納豆菌は腸内の悪玉菌をやっつけて、善玉菌を増やしてくれます。

梅干し
主な成分:クエン酸 特効成分
梅干しは昔から薬効の多い食品として知られていますが、有効成分の1つがクエン酸です。代謝をよくすることで疲労を予防・解消し、元気な体を維持します。
もう1つの有効成分は、梅干しを焼くことで生まれる特効成分。これには強力な抗酸化作用があるとされます。

にら
主な成分:硫化アリル ビタミンA・C・E
免疫力を高めるには、体内にはいった栄養素が、エネルギーとして効率よく燃える必要があります。
エネルギーの素である、糖質の代謝に不可欠な栄養素はビタミンB1です。そのビタミンB1の働きを助けるのが、にらに含まれている、硫化アリルという成分です。

にんにく
主な成分:硫化アリル
にんにく特有の匂いも、硫化アリルが含まれています。硫化アリルは加熱しないほうが、より強力に作用するので、『にんにくのしょうゆ漬け』がおすすめです。にんにくをしょうゆに漬けて、1週間から10日置くだけです。にんにくの臭みが消えるので、生でもおいしく食べられます。

食品添加物、化学調味料、乳製品の排除

ここからは、食べることで免疫を上げる、のではなく、免疫を下げている要因についてです。

食品添加物、化学調味料、乳製品が体内に入ると何が起こるのでしょう?

食品添加物、化学調味料の多くは化学物質であり、体内で活性酸素を発生させたり、アレルギーを起こさせる物質であったり、体細胞を傷つける可能性があります。このようなことが長期間に渡って続けられると免疫力が低下してしまいます。

また、乳製品には乳糖(ラクトース)という成分が含まれていて、日本人のような古来から乳製品をほとんど摂取してこなかった民族の場合、この乳糖を分解できず、腸に負担がかかり、免疫機能が低下するといわれています。

その他にも食品添加物、化学調味料、乳製品は「血管透過性の亢進」といい、「血管から水がしみ出る」という現象を引き起こし、細胞と細胞の間に水が溜まり、細胞同士の情報伝達が鈍るといった直接的ではないにしても間接的には免疫力低下を招くことが起きるとされています。

遺伝子組換農産物は何が悪いのか?

遺伝子組換農産物は強力な腸内細菌叢の破壊作用があります。遺伝子組換農産物は除草剤「ラウンドアップ」の使用を前提とします。

除草剤「ラウンドアップ」は、ベトナム戦争で使われた「枯葉剤」とほぼ同じ成分です。枯葉剤はダイオキシン類の一種2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-1,4-ジオキシン(TCDD)を高い濃度で含んだものです。

腸内細菌叢の状態の良い人が遺伝子組換農産物を摂取すると、腸内細菌叢はその90%が破壊され、免疫機能は劇的に低下するということになります。

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カテゴリー: 免疫力

免疫力を上げるには?
~日常でできる免疫力アップ方法 前編~

免疫力に関しては、下記のコラムに書かせていただきました。

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免疫力ってどういうこと?~免疫力と自律神経の関係と腸内環境について~

上記のコラムの中で、免疫力を上げるには、自律神経を整えることと腸内善玉菌を増やすことが大切であることを説明させていただきました。

自律神経と白血球の顆粒球とリンパ球の関係をまとめると以下のようになります。

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免疫機能を主に担当するのは血液中の白血球であり、白血球の種類である顆粒球とリンパ球の割合が自律神経の交感神経と副交感神経がコントロールしています。

交感神経…緊張、戦闘モードの時に働く→顆粒球が増える
副交感神経…リラックス、まったりモードの時に働く→リンパ球が増える

顆粒球が増えすぎ…自分の体を攻撃。顆粒球が死ぬ時に活性酸素を出し、がんや糖尿病の原因になると言われている。
リンパ球が増えすぎ…アレルギーを起こしたり、低体温を引き起こし、がんの原因になると言われている。
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今回は日常生活の中でできそうな自律神経を整えることと腸内善玉菌の増やし方や気をつける点をまとめられたらと思います。

睡眠

快眠眠ることで自律神経のバランスをとっています。

睡眠不足…免疫力低下。
睡眠時間が長すぎる…リンパ球が増え過ぎる。
夜更かし…交感神経が高まりすぎて顆粒球が増え過ぎる。
夏の時期…副交感神経が高まりやすく、日の出時間も早いことから、起床も早め。
冬の時期…交感神経が高まりやすく、日の出時間も遅いことから、日が昇るまでは寝ていたほうがよい。

適度な睡眠時間とは個人差もあり一概にはいえないのかもしれませんが、普通は7~9時間といったところでしょうか。寝不足、寝過ぎ、夜更かしはいずれも自律神経のバランスを崩すもののようです。また、季節による日の出に合わせた起床時間も意識すると自律神経にとってはさらに良いことのようです。自然界のリズムと睡眠時間を合わせることが自律神経を整えるようです。

運動

運動運動することで、筋肉が発熱し、代謝を高め、血行が促進し、疲労物質が回収されるなどの効果があり、免疫力を上げる効果が高いです。

適切な運動の量と質といったことも個人差がありますが、無理のないウォーキングなどの全身運動、筋肉を伸ばし、関節可動域を高めるストレッチなど、自分にとって心地く続けられる運動がご本人にとって適した運動に思えます。

量的にも疲れ過ぎる、痛みを感じるほどではなく、心地よさを感じられる量が適正だと思います。

入浴

入入浴には副交感神経優位をもたらすリラックス効果があります。副交感神経が優位になると内臓機能も高まり、腸も活発に活動しますので、当然、免疫力が上がることが期待できます。

熱いお風呂に短時間つかるのではなく、半身浴でぬるめのお風呂に30分以上、入るのが副交感神経が優位になるようです。

呼吸

自律神経とは、自分の意識に関係なく、自動的に体の様々な調節をしてくれる、人間にとって最も根源的な機能であると思います。

自律神経は交感神経と副交感神経の刺激の伝達によって、体の様々な機能を調節しています。代表的なものとして、体温、血圧、血流、ホルモン分泌、消化機能、呼吸などの調節が挙げられます。

この中で、特殊なものが呼吸です。呼吸は意識して深くしたり、浅くしたり、速くしたり、遅くしたりもできますが、無意識にもでき、就寝時には完全に自動です。

この意識的もでき、無意識にもできる呼吸は、意識的に呼吸することで、自律神経に直接働きかけることできる数少ない方法といわれています。ヨガや呼吸法などは体を動きに合わせながら、呼気と吸気を意識することで、自律神経を整える作用があるといえます。自律神経が整えば、当然、腸の働きを中心に免疫力は高まります。

精神的に緊張すると呼吸は浅く速くなります。これは交感神経が高まっている状態です。逆に、リラックスした状態では、呼吸は深くゆっくりになり、副交感神経が高まります。免疫を上げるには、副交感神経を高めたいので、呼吸を意識的に深くゆっくりなものにできるのが理想です。

食事

食事については、

次回のコラム 免疫力を上げるには?~日常でできる免疫力アップ方法 後編 食事について~

に続きます。

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カテゴリー: 免疫力

免疫力ってどういうこと?
~免疫力と自律神経の関係と腸内環境について~

免疫力というのは、外敵から身を守る力といえます。外敵とは、細菌、カビ、ウイルスなどのことですが、そうした外敵に対して、免疫機能はどれが外敵なのかを判別し、攻撃したり対処したりします。

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免疫機能は、血液の白血球の成分バランスを調節する自律神経の働きが重要となります。
血液の構成

血液は、

  血漿成分←働き:体内恒常性の維持
  血球成分

からなります。

血球成分は、

  赤血球←働き:酸素の運搬
  血小板←働き:止血
  白血球

からなります。

白血球は、

  顆粒球←働き:貪食・殺菌による感染防御
  リンパ球←働き:免疫応答
  単球←働き:感染防御

からなります。免疫を担当するのは主に白血球です。

免疫力ってどういうこと

顆粒球、リンパ球と自律神経の関係

白血球の顆粒球とリンパ球の割合は刻々と変化し、この割合をコントロールしているのが、自律神経です。

自律神経とは、本人の意思とは関係なく、体の様々な機能を自動的にコントロールしてくれる神経です。体温、脈拍、消化、排泄などがわかりやすいことですが、生物の根幹的な機能を司るのが自律神経です。例外としては、意識にコントロールでき、無意識にもできるのは呼吸です。この自律神経は、交感神経と副交感神経の2つの神経から成ります。この2つの神経には以下の特徴があります。

  交感神経…緊張、戦闘モードの時に働く→顆粒球が増える
  副交感神経…リラックス、まったりモードの時に働く→リンパ球が増える

顆粒球が増え過ぎると、自分の体を攻撃します。また、顆粒球が死ぬ時に活性酸素を出し、がんや糖尿病の原因になると言われています。

リンパ球が増えすぎると、アレルギーを起こしたり、低体温を引き起こし、がんの原因になると言われています。

顆粒球とリンパ球の理想的な割合は顆粒球54~60%、リンパ球35~41%といわれています。顆粒球とリンパ球が増えすぎずに一定の割合を保てれば、免疫機能も正常に働いてくれることになります。それには、自律神経がうまく調節してくれる必要があります。

顆粒球、リンパ球と自律神経の関係原始時代ならば、昼間は野山を駆け回り、狩りなどで傷を負うことも多かったと思いますし、戦闘モードである交感神経が強く働き、顆粒球が多い状態といえると思います。夜間は、電気のない時代であれば暗くて何もできず、日没には床に就き、リラックスモードで副交感神経が働き、リンパ球が多い状態だったのではないでしょうか。

こののバランスは、昼間は活動的、夜間は静かに休息という人間の生活のリズムと自然界のリズムが合っていることが理想に思えます。

交感神経、副交感神経ところが、現代人は、日の出とともに起床し、日没とともに就寝する人はほとんどいないのではないでしょうか。それどころか、夜になっても仕事が続く、朝は起きれない、もしくは寝不足を感じるといったことや昼夜が逆転している場合もあると思います。これが人間の生活のリズムと自然界のリズムにズレを生じさせていることになり、現代人の自律神経の乱れを生じ、それが免疫力の低下を招いている一つの原因に思えます。

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カテゴリー: 免疫力

がんが発生しにくいといわれている臓器とは?

がんが発生しにくいといわれている臓器は心臓と小腸です。全くないというわけではないようですが、心臓癌や小腸癌というのはあまり耳にしないかと思います。心臓と小腸にどんな特徴があり、なぜがんが発生しにくいかを考えるとがん細胞の性質や弱点などがみえてくるかもしれません。

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心臓は筋肉でできた血液を全身に送り出すポンプとしての働きがあります。小腸は胃でどろどろの粥状態にされた食べた物から栄養を吸収します。心臓と小腸はどちらも活発な働きをしています。心臓の温度は40~42度といわれていて、小腸の温度は37度ぐらいといわれています。がん細胞は増殖しやすい温度が35度であり、39度で活動停止、42度で死滅するといわれています。

がん細胞は体温が低いほうを好む性質から、心臓や小腸は居心地が良くないといえます。

また、小腸にはパイエル板というリンパ組織があり、リンパ組織は免疫機能の中心的な存在です。リンパ組織は全身に分布していますが、パイエル板は小腸にしか存在せず、回腸(小腸の下部)に約20~30存在し、腸管免疫の中で最も重要な器官と言われています。

よく腸内の善玉菌と悪玉菌という話がありますが、パイエル板をはじめとする腸管免疫にとって理想的なバランスは、善玉菌9に対して悪玉菌1の9:1と言われています。

以上をまとめますと、心臓の特徴としては温度が高く、血液の流れが強く活動が活発であること。また、小腸も温度が高く、パイエル板を中心とする免疫機能が本来は活発であることがいえます。このような特徴をもつ心臓と小腸にはほとんどがんはできない、といわれていることから、体全体にもいえることは、

体温を上げ、

免疫力を高める、

ということががんを作りにくくするヒントになるのではないかと思います。

体温を上げるには、以下の記事を参考にされるとよいかと思います。
「体温を上げるには? ~半身浴、運動などの薦め~」

免疫力を上げる方法をまとめたものも近日中にコラムにしてみたいと考えています。

また、東洋医学の考え方の一つに臓腑(ぞうふ)というものがあり、六臓六腑(一般に言われる五臓六腑)という内臓の状態を表すものがあります。臓とは中身の詰まった肝臓、腎臓などの実質臓器、腑とは胃、腸、膀胱などの管状や袋状の中空臓器のことです。この臓と腑は表と裏の関係があり、またそのそれぞれの関係が深いとされています。

がんが発生しにくいといわれている臓器とは

上図のように、心と小腸は表裏の関係となっています。心と小腸の関係は、一つには経絡というツボの流れがあり、心のツボの流れと小腸のツボの流れが繋がっていることによるといわれています。もう一つには心と小腸の生理活動や病理にはお互いに関連しあう部分があるといわれていることです。例えば、心に熱があると、その熱は小腸に伝わり、血尿や排尿困難を引き起こし、小腸の熱は胸中の煩悶感など心熱の症状を引き起こすとされます。

東洋医学における心と小腸の関係とがんができにくいといわれている心臓と小腸という関係は研究材料になると思います。

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カテゴリー: がん

うつ病に鍼治療は何ができるか

うつ病は精神の病ではありますが、東洋医学では、心と体は表裏の関係である、という考え方があります。心が病めば体も異常をきたし、体が病めば心にも異常をきたす、ということでしょうか。

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鍼治療では、体に現れている異常を解消することで、心の病に対してアプローチしていくことになります。

私の鍼の最大の特徴は、主に首~肩~背中~腰~仙骨部の脊柱の周りの硬さ、張り、弱さ、凹凸、皮膚の変色などの異常を見つけ、その異常を解消していくことで、体の浅い所や深い所にある滞りを解消し、全身の気血の巡りを改善することができることです。気血の巡りに滞りがなく澱みがなくなれば、血行が良くなり、体温も上がり、免疫力、生命力が高まります。

うつ病の患者さんに多いのは首~肩、肩甲骨内側にかけての硬さが顕著であり、首~肩、肩甲骨内側を中心に硬さを鍼で無理せず徐々に緩めていけるように治療を続けます。

また、うつ病の患者さんのほとんどは睡眠状態に問題があり、不眠症を抱えている方や、不眠症までではなくても寝つきが悪い、目覚めが悪い、夜中に起きてしまうなど様々です。

睡眠状態が不良の方に多いのは、肩甲骨内側の第5胸椎付近の硬さや張りが顕著であることです。

うつ病に鍼治療は何ができるか


治療の最初の目標としては、睡眠状態の改善になりますので、肩甲骨内側の第5胸椎付近を中心として鍼によって緩めていくことになります。

また、睡眠状態の改善に加え、食欲が低下している方も多く、食事がおいしく摂れる体の状態も目指します。食事がおいしく感じられるということは、排便が毎日あり、食べ物を摂取することと排便という入出力の循環が健全な状態ということです。

良く眠れ、食事がおいしい。この状態は、うつ病に限らないことですが、特にうつ病の患者さんが目指すべき状態であり、その先にうつ病の改善、完治があると私は思います。

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カテゴリー: うつ病

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