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コラム

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インタビューを受けて

先日、あるウェブ上の企画でインタビューを受けました。

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短い言葉で、伝えることは難しいですね…

質問① ここの治療院はどのような治療ですか?


私の鍼治療では、首から骨盤まで、背骨や骨盤の周りを重視します。

この場所に硬さなどの異常が現れると、各臓器に関連するツボが現れます。その現れたツボに鍼をすると、例えば、胸椎5番付近に現れるツボは心臓を癒し、腰椎2番付近に現れるツボなら腎臓を癒すとなります。

また、硬さなどの異常は、滞りとなり、本来の血液や気の流れが阻害され、全身の症状にもつながります。

鍼治療では、その滞りを解消することで、主に以下が可能となります。
①各臓器の働きが高まる。
②免疫力が上がる。
③自律神経を活性化させる効果によって、体の様々な調節機能が高まる。

質問② どうして鍼灸師になろうと思ったのですか?


インタビューを受けて自身が十代から二十歳という若い時期に、海外での生活やスポーツによって体を壊し、一般の医療は一通り巡るも見放され、東洋医学に目を向け、最終的には鍼治療に辿りついた経験があります。

私自身も治療家の先生方に支えられ、きっかけをいただきながら、自分の体と心を省みて、絶望的な毎日から一歩ずつ快方に向かいました。

自分が経験したことを母が癌を患った時に、少しでも傍で役立てたらという想いがあり、母の最期に寄り添いました。このような経験により、その後、鍼灸師を目指し、現在に至っています。

質問③ どうして、開院しようと考えたのですか?


私は現在の個人の治療院を開院する前は、往診や数人の鍼灸師で共有する鍼灸院に所属していました。

その過程を経て、その後、より丁寧に患者さんお一人ずつの治療にあたらせていただくには、地に足をつけた私個人の治療院を開院することが必要となりました。

大規模に展開していく治療院ではなく、丁寧に患者さんに向き合える継続可能な治療院を目指して、地道に「鍼の道」に励んでいきたいと考えています。

質問④ 今はどんな想いで、治療されているのですか?


鍼は物理的にも強力な治療法でありますが、なにか目に見えないものと対話するような、そのように技術的にも難しいものです。また、結果を求める患者さんに対応して、患者さんのお役に立てるということは、簡単なことではありません。

東洋医学では「人体は小宇宙である」といわれることからも、日々、自分の非力さを感じながらも、患者さんが快方に向かい、人生を切り開いていくことに、微力ながらも貢献することができたらという想いで鍼治療に取り組んでいます。

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カテゴリー: 鍼治療の説明

パンストは「女性の敵」

ある患者さんはパンストをはかなきゃならない日は確実に体調が悪く、「女性の敵」だと仰います。

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ネット上に、パンストに関する記事を見つけました。
wantonのブログ
重要再掲 パンティ-ストッキングのある恐ろしい秘密
http://ameblo.jp/64152966/entry-11594710305.html

化学繊維製のパンストは、静電気を発し、体からマイナスイオンを奪い、それが体を酸化させ、冷え性、便秘、子宮がん、子宮筋腫といったことにつながる可能性が高いといっています。

パンストは特に腹部に悪影響があり、

腸の機能低下→便秘、免疫力低下、体温低下

子宮からマイナスイオンが奪われ、酸化→活性酸素が発生→子宮がん、子宮筋腫

となるつながりがあるという指摘を記事ではしています。

パンストは女性の敵私は男性なので、パンストではありませんが、タイツをはくと、圧迫感を感じ、長時間は、はいていたくないといった印象はあります。

パンストに限らず、化学繊維の衣服には、体には悪影響があるという話はよく聞きます。やはり化学繊維が静電気を発することは、どなたでも経験上、理解できることでありますが、その静電気が体にとって、電気的なバランスを崩させる原因になっているのだと思います。特にパンストは体に密着しますので、より悪影響があると考えられます。

確かに、綿などの自然素材の衣服のほうが精神的にも落ち着くように思えます。

パンストは「女性の敵」と仰っていた患者さんは、鋭い感覚の持ち主で感じ取り、パンストに対して、違和感というより、苦痛として感じるのだと思います。

この患者さん曰く、少々値段は高いけれど、絹のパンストはかなり快適だそうです。

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カテゴリー: セルフケア

鍼をすると、どうなる?

鍼治療について、端的に説明するならば、を考えてみました。
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鍼治療をすると…

鍼治療の効果など詳細については下記をご覧ください。

鍼 神尾ホームページ 鍼はなぜ効くのか?
http://harikanwo.com/chiryou_naze.html

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カテゴリー: 鍼治療の説明

4種類以上の薬

4種類以上の薬当院に通院される患者さんの多くは、薬はできるだけ服用したくない、または、断固として服用しない、と仰ります。そのような感覚をお持ちの方が鍼灸院に足が向くのかとも思います。

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しかし、患者さんの中には、精神疾患で20年以上、1回の服用時の薬の量が片手に乗り切らないほど服用し続けていると仰る患者さんもいます。鍼治療と西洋薬剤というのは、相反する性質がありますので、これだけ薬漬けの患者さんの場合、鍼治療の効果を上げることは簡単ではありません。

下記のリンク先に、この患者さんのことが心配になる記事を見つけました。

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るいネットさんのサイトより
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=304372

『薬剤には必ず効果と副作用があり、日本では欧米より副作用に対しての意識が低い。欧米では1種類の処方が基本であり、日本では5種類以上の処方が当たり前になっている。』

『アメリカの医師向けの「ドクターズルール425 医師の心得集」(クリフトン・K・ミーダー編、福井次矢訳/南江堂)には、「薬に関する心得」として、4種類以上服用している患者は、医学の知識が及ばない危険な状態にあり、薬の種類が増えれば増えるほど、副作用の危険度は加速度的に増す、とされる。』
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薬の副作用というのは、1つずつの薬についての副作用は研究されているのだと思いますが、複数のそれぞれ効果や副作用の異なる薬を同時に服用した場合の複合的な副作用については、研究するにも限界があるのだと思います。

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カテゴリー: 薬剤

五十肩の体操療法

五十肩前回のコラム「五十肩はどうしたらいい?」に引き続き、五十肩のための激痛期、慢性期、回復期、予防のそれぞれの時期にできる体操をご紹介いたします。

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各体操は、10回を1セットとし、一日に2~3セットを目安に行なってください。その際、痛みを強く感じたりする場合は無理をせず、回数を減らすなど少しずつ、様子をみながら行なってください。

各体操方法のイラストがあるとわかりやすいのですが、著作権の関係で用意できず、申し訳ありません。「五十肩体操」で画像検索されてください。

鍼治療による五十肩の症例を以下で紹介させていただいております。
⇒五十肩の症例

アイロン体操  激痛期…痛み始めてから2~4週間

元々はアイロンを使った体操のようですが、ペットボトルなどに水を入れたおもりになるものでできます。

肩に痛みがないほうの手を机などに置き、肩に痛みのあるほうの手にペットボトルなどのおもりを持ち、おもりを持ったほうの手をぶらぶらと前後に無理のない範囲で動かします。

動かしてみて、肩が痛んだりする場合は、おもりを軽くしたり、振り幅を調節してください。ほどよく肩や腕がストレッチされるのが目的ですので、痛いのに無理するようなことはないよう注意してください。

コノリー体操  慢性期…痛み始めてから4週間~

以下の3種類の体操があります。それぞれ肩関節の様々な筋肉をストレッチする効果があります。

① ご自分の顔や頭の位置で握れるもの(例えば、タンスやドアの上部など)に痛みのあるほうの手をかけて、腰を少しずつ下方向に落としていきます。その時に、肩関節が伸びる感覚があるかと思います。

② 両手をご自分の腰のあたりで、肩に痛みのないほうの手で、痛むほうの手を握り、上方向に引き上げます。

③ 両手を頭や首の後ろで組み、肘を開くように動かします。

棒体操  快復期…強い痛みがなくなってきてから

長さ1メートルぐらいの適当な棒を両手で持ち、肩に痛みのない手で、肩に痛みのあるほうの腕を引っ張ったり、伸ばしたりします。徐々に肩関節が大きく動くように肩関節をストレッチします。

壁押し体操  予防

壁に向かって両手をつき、腕立て伏せのように肘を伸ばしたり、縮めるようにします。

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カテゴリー: 五十肩

五十肩はどうしたらいい?

五十肩というと、50歳代の肩の痛みと思われがちですが、40歳代でもその他の年代でも五十肩とされ、医学的には「五十肩」が正式な疾患名となり、40歳代は「四十肩」とは医学的には言いません。

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痛みは強く、日常生活にも支障がでるほどのことが多いようですが、ある一定の期間を過ぎると何事もなかったかのように痛みが消えるといった特徴があります。

実際に、五十肩を発症した場合、どのように対処し、ご自分でできることはあるのか、また鍼治療ではどのように治療していくのか、といったことを3回のコラムに分けてご紹介させていただきます。

五十肩の症状

症状は肩が重だるい、うずくような感じがする、手の置き場がない、といった訴えが多いですが、肩を動かさない時は特別に苦痛はなく、たなの上のものを取ろうとした時など、ふいをつかれて痛んだり、服に手を通そうとしたとき、自分の髪を束ねようとしたときなど、手を伸ばす瞬間にキリッとした痛みを感じるのが特徴です。

五十肩の原因

原因は不明とされますが、肩がどうなるために痛むのか、については以下が挙げられます。

五十肩01


① 肩の関節を取り囲んでいる回旋筋腱板という筋肉の腱(骨に付着する部分の強い筋肉)がすりきれたり、石灰がたまったりする。

② 癒着性関節炎や粘液包炎をおこす。

③ 肘を曲げる筋肉である上腕二頭筋の腱が腱鞘炎をおこす。

筋肉が骨にくっつく部分に腱と呼ばれる組織があります。足のアキレス腱をイメージされるとわかりやすいかと思いますが、この腱は関節を動かすときに重要な働きをしています。かなり丈夫にできているのですが、この腱には血管がないために、一度、傷つくとなかなか治りにくいのです。この腱が老化などの理由で、もろくなると、部分的にすれたり、切れたりして五十肩の症状が出てきます。

以上が五十肩の最も有力な原因とされますが、その他には、関節そのものが変形したり、肩の周りの筋肉や筋膜(筋肉を包んでいる膜)に炎症をおこし、それが五十肩になる場合もありえます。

また、肩の関節の可動域(動かせる範囲)は360度ですから、人間の関節の中で最も可動域が広い関節なので、これは人間の手が進化の過程において使いやすいように、その自由度が高くなったために、仕組みが複雑になって、安定性が犠牲になっている、という弱点があります。

鍼治療の方法

治療を行わず自然治癒をただ待つ場合、完治まで早くて半年、長くて1年かかるとされています。その場合でも完治してしまえば跡形もなく治り、腱組織も自然に修復され、安定状態が保たれます。

鍼治療を行なうとその半年~1年のつらい肩の痛みの期間が短縮されます。実際の鍼治療では、肩関節の前面、後面、上腕、鎖骨下端、胸鎖関節付近などにみられる異常個所に鍼をすることで、痛みを和らげる効果はもとより、損傷している腱の修復を早める効果があります。

基本的に、鍼をする個所には、「血液」や「気」が集まる性質があります。それによって、患部に栄養が運ばれ、老廃物が回収されるという循環が促進されます。また、鍼は金属で、体にとっては「異物」であり、その異物に対して戦う力が発動され、その力が腱などの損傷個所に対する修復力の増加につながると言えます。

また、肩周辺の患部のみの治療ではなく、体全体の治療を行うことで、自律神経系が整うことや、栄養吸収の改善、排泄力の増進、眠りの質の改善、ホルモンバランスの正常化や骨盤の調整などの様々鍼治療の効果が、患部の修復、回復に必要な体内環境を作り出します。

五十肩の症例を以下で紹介させていただいております。
⇒五十肩の症例

普段の生活での注意点

初期の2~4週間は肩を安静にし、無理をして動かさないことと、温めると痛みが楽になるので、ぬるめのお風呂にゆっくりつかることや、カイロで患部を温めるのがいいと思います。

ウォーキングは誰でも手軽にできる運動で、腕を振って歩くことで血行を良くし、筋肉のトレーニングにもつながるので五十肩にも効果があります。

肩を覆うということが大事なので、普段の工夫として、少し厚手のシャツを着たり、就寝時には肩を保温するサポーターをつけることもお勧めです。肩周辺を冷やさないことが大切です。

仰向けで寝る時に肩周囲に痛みがある場合は、バスタオルなどを2~3回折りたたみ、痛いほうの腕の下に置きます。こうすることで、腕の重みで肩が下に引っ張られることを防ぐので痛みがなく安眠できます。

肩が少しずつ動かせるようになったら、積極的に運動療法を始めることが、完全に治す一番の近道です。運動療法のポイントとしては、自分で動かして最も痛む方向に向って、無理せず徐々に根気良く動かすことです。

五十肩の運動療法に関しては、次のコラム「五十肩の体操療法」を参考にされてください。

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カテゴリー: 五十肩

たねの森を訪ねて

たねの森を訪ねて01先週の休日は、埼玉県日高市のたねの森を3年ぶりに訪ねました。当日は畑でエゴマの作業があるということで、一緒に畑仕事をさせていただき、久しぶりに土に触れ、土の温かさ、土の香りや植物の生命力を感じることができました。

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私が初めてたねの森を訪ねたのは10年前で、最初に愛媛県の福岡正信さんの農園を訪ね、そこで知り合った人づてに、たねの森に辿り着き、一時期は連日のように畑仕事の手伝いをさせていただいていました。

その頃の私は、鍼灸の道を歩み始めていましたが、鍼灸の文献や教科書といった卓上の理論といったものだけでなく、生命というか、もっとリアルに自然を実際に感じ、その感触を自分の五感を通して経験したかった想いがありました。その経験が鍼灸治療を歩む者にとって絶対に必要なことだと信じていましたし、今でもそう思っています。それは、鍼灸の考え方には人体は自然と一体のものであるという考えが大前提であるとされるからです。たねの森という空間で自然を感じる様々な経験をさせていただいたことは私にとって鍼灸師としても財産であり、ただただ感謝するばかりです。

たねの森を訪ねて02たねの森では紙さん一家が本物の種を作られています。現在の一般的な種は、F1種(交配種)と呼ばれ、一代で力を出し切ってしまい、二代、三代となるにしたがって、生産性が低下し、中には種が採れないものもあるようで、F1種は代々永続的につながっていく種ではありません。F1種の作物は形が良かったり、効率が良かったり、人間都合にとっては良いことがあります。しかし、それは本来の自然界のものとはかけ離れたものであり、代々つながっていく「種のリレー」が途絶えることになります。

人類が農耕を始めた1万年前から、人々は種を家宝のように大切に守りながら受け継いできました。それが20世紀に入ってから、このF1種という人工的に交配された、代々つながらない種は、資本主義的な生産主義、効率主義と価値観が合致し、大規模農業経営と共に急速に広がったのでした。

「種のリレー」が途絶えるということは、命の営みの上で最も大切な多様性や永続性が途絶えることになります。

たねの森では、途絶えてしまった「種のリレー」を取り戻し、失われた種を守り広め、継承の文化や多様性の価値観を取り戻すための様々な活動に取り組んでおられます。

東洋医学、とりわけ鍼灸治療の全盛期は江戸時代であるといわれていますが、明治維新や第二次世界大戦後のGHQによって弾圧され、近年になって西洋医学一辺倒からの東洋医学の価値観が見直されてきている状況があります。

私は東洋医学、鍼灸治療を取り巻く状況とこの「種のリレー」とに、重なる部分があると感じています。

無農薬・無化学肥料のたねの店
たねの森
http://www.tanenomori.org/

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カテゴリー: 探訪記

患者さんの不安 ~初診時に大切なこと~

先日、当院にお電話でお問い合わせがありました。初めてお電話をいただいた方でした。

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腰椎椎間板ヘルニアで、それほどの激痛ではないものの、腰に痛みがある方でした。この方は、この電話の前日に他の鍼灸院で治療を受けられたとのことでした。にもかかわらず、

「鍼 神尾では私のような場合、どのような治療をされるのですか?」

とお問い合わせをいただきました。

前日に受けた治療院では、痛みの強い患部に直接、鍼や灸をするのではなく、患部の周辺から治療していくようなやり方だったとのことでした。一応、その治療院で次回の予約を1週間後に入れているが、同時期に鍼 神尾でも治療を受けてもいいものか、といったことを仰っていました。

私がどのような治療をするのかに対しては、

「腰痛にまつわる病名には、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、すべり症など様々なものがありますが、腰椎4・5番や骨盤の中央にある仙骨の深部の硬さが原因となっていることがほとんどであることから、当院ではその硬さを鍼によって緩めることを最も重要視いたします。」

と答えました。

言い換えれば、腰椎4・5番や骨盤の中央にある仙骨の深部の硬さがより深刻になると、それがその患者さんによって、ある方は椎間板に負担がかかり腰椎椎間板ヘルニアとなり、脊柱管を圧迫する形になっていけば、脊柱管狭窄症となる、といったように、根っこは同じでも、その患者さんの体の状態、体の使い方、体の癖によって、病名が異なってくるように思えます。

患者さんの不安この腰椎4・5番や骨盤の中央にある仙骨の深部の硬さというのは、背骨と骨盤のつなぎ目であり、ここは人間が2本足で立った時点で最も負荷がかかる所であり、強力な靭帯や筋肉で支えてはいるものの、負担に耐え切れなくなると、ある意味、痛みなどの黄色信号を体が発し、これ以上、無理させないよう、また、休息させるように体が反応するのだと思うのです。痛み、しびれ、麻痺といった症状は、状態が悪化すればするほど、痛みは腰部よりも下へ、臀部の奥や太ももの裏、アキレス腱や足の甲にまで下がっていく傾向があります。

休息をとれば治るのであれば問題ありませんが、悪化すると自力では元に戻れない状態になり、そのような状態では治療が必要となります。いわば、鍼治療は自力で元に戻れるようになれるように体を助ける治療法に思えます。

それと、この患者さんは

「同時期に複数個所で鍼灸治療を受けてもいいのか?」

といったことも仰っていましたが、それに対しては、私としては、避けたほうがいいと伝えました。前日に受けた鍼灸院の治療方法、治療の考え方、治療計画といったものが私には全くわかりませんし、あれこれ手を出して中途半端に治療に取り組むのは良いことはないように思えます。前日にその鍼灸院で治療を受けたということは、その鍼灸院、鍼灸師とご縁があったということだと思いますし、この患者さんはご自分の判断で鍼灸院を選択されたのですから、それにきっと意味があるのだと思います。何度か通院されて、治療の効果が感じられず、いろいろな意味で、ご自身が納得して治療に取り組めないようでしたら、当院に足を運んでいただけたらと伝えました。

最後に、この患者さんですが、前日に他の鍼灸院で治療を受けたにもかかわらず、治療を受けた翌日に私の所に電話をしてきた心境を察すると、前日に受けた鍼灸院では、その日に行った治療に関する説明や、鍼灸師が感じた患者さんのお体の印象、今後どうやって治療して、どういった状態を目指すのか、患者さんが抱える疑問に答える、といったやり取りが不十分であったことで、この患者さんはいろいろなことがトータルで納得いかず、今後に関して不安になってしまったのではないでしょうか。

「今のところ、劇的な効果も感じてないし、今後の治療計画のことも説明がよくわからなかったし…でも、まだ一回受けただけだしなぁ…次回の予約はしているけれど、今後もこの鍼灸院で治療を続けていっても大丈夫なのだろうか?そうだ、ネットで調べてみよう…なんか「鍼 神尾」なんて所があるぞ…ちょっと電話して聞いてみようかな…」

これは私の勝手な想像ですが、このような心境だったのではないでしょうか。

鍼灸師は治療において、とにかく患者さんのお体が良くなるために全力で最善を尽くすことが第一だと思います。その上で、患者さんの不安を取り除けるように、説明すべきことはしっかりと伝えることで患者さんに納得していただくことが、患者さんの不安を取り除き、ご自身が意欲的に治療に取り組めることにつながるのではないでしょうか。

なかなか簡単なことではありませんが、大切なことだと思います。

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カテゴリー: 鍼治療の説明

鍼灸治療ってどこの治療院で受けても一緒?

鍼灸治療には、色々なやり方があり、流派やグループがたくさんあります。

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経絡というツボの並びを重視して、その流れを通すように鍼や灸をする方法。この症状には、このツボという風にツボを使っていくやり方。ツボには特にこだわらず、筋肉や神経に対して鍼や灸をする方法。そのそれぞれのやり方が混ざり合っているようなものもあるように思え、挙げればきりがないかもしれません。

このようなやり方の違いは、登山に例えると、みんな同じ頂上を目指しているけれど、その登るルートや装備などの違いとでもいえるのではないでしょうか。目指す頂上というのは、その患者さんの本来持ち合わせる自然に治ろうとする力を発揮できる体内環境を整えることであると、私個人としては、そう思っています。その整え方に色々な方法があるといえると思います。

鍼灸治療ってどこの治療院で受けても一緒それぞれの流派やグループの治療方法が違っているのは、はっきりしていることなのですが、では、同じ流派ならば、異なる鍼灸師でも治療自体は同じといえるのでしょうか?私個人としては、同じ流派でも鍼灸師個人の技術、経験によって、大きく異なると思います。また、その技術にしても、鍼灸師個人の物事に対する考え方や物事に取り組む姿勢、価値観といったものが土台となって、長い時間をかけて経験を積み重ねていく過程で形作られていくものだと思います。

私の鍼の師匠から最初に指導していただいたことは、単なる鍼の打ち方といったことではなく、

「鍼は心でするもの」

ということでした。

「心が鍼治療に伴っていれば、技術は後からいくらでもついてくる」

「患者さんを想って、早く良くなってもらいたい、と願う心を持って治療に取り組み続ければ、その内、良い鍼が打てるようになる」

という指導でした。

これは、やり方がどうこうといった理屈ではなく、もっと根本的な話であり、実際の治療で患者さんを前にして、こういう理論で、こう鍼をすればいい、ああ鍼をすればいいといった頭でごちゃごちゃと考えているガラクタは役に立たないということに思えます。

私の場合、雑念まみれの頭の中ですが、シンプルに原点に常に帰ることが必要だと思っています。

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カテゴリー: 鍼治療の説明

腰が根本原因?

今日はある患者さんと治療後にちょっと話し込んじゃいました。

「自分では、腰痛とか腰の症状は今までなかったので、腰はノーマークというか、全く意識してませんでしたが、今日、鍼を受けてみて、自分が今、抱えている諸症状は腰が根本原因ではないかと気づきました。」

と、その患者さんは仰っていました。その患者さんは、自律神経失調症、不眠症、体のだるさ、冷え性、といった症状をお持ちで、1ヵ月前から通院されています。最も深刻な訴えは不眠症です。

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この患者さんは、首、肩、肩甲骨内側に主に硬さといった異常がみられ、これは不眠症の患者さんの特徴でもあり、ご本人も首、肩、肩甲骨内側の硬さをはっきりと自覚されています。ご本人の訴えである不眠症を解消するには、この首、肩、肩甲骨内側の硬さを鍼によって緩めていく治療が必要となります。

この患者さんの場合、もちろん、この首、肩、肩甲骨内側を治療のポイントとするわけですが、私の治療の場合、どのような症状をお持ちの患者さんでも、首から肩、背中、腰、骨盤というように、首、背骨、骨盤の周辺を注意深く触診し、異常のある箇所に鍼をし、体全体を意識しながら治療を進めます。

これは、体は一つ一つのパーツに分けることはできるかもしれませんが、決してパーツとして部分的に機能しているのではなく、体全体として連動して機能していると考えるためです。その連動性の中核を担うのが腰であると考えます。

腰はちょうど体の中心部に位置し、骨盤を土台とし、腰を中心として曲げたり、伸ばしたり、ねじったり、といった動きができます。はさみに例えると、腰ははさみの刃と刃をつなぐネジの部分とでもいえるでしょうか。このネジの部分がズレていたり、動きが悪かったりしたら、はさみの切れ味が悪いばかりでなく、物を切ることも全くできないかもしれません。

腰が根本原因


鍼治療では、

「腰を治さなければ、体は治らない。」

と言われています。私の鍼治療でもどんな症状の患者さんでも必ず腰を注意深く診て、触診して、異常がないかどうか確認します。実際には9割以上の患者さんに腰に鍼をします。それは、腰は体の動きの出発点であり、腰に狂いがあれば、体全体も整わないと考えるためです。

今日、話をした患者さんの場合、腰の特に深いところに硬さがあり、ご本人も自覚されています。体の土台である腰が硬いと、腰にかかる様々な負担に柔軟に対応できず、腰に乗っかっている背中や肩甲骨周辺、肩、首にも負担がかかることで硬くなり、不眠症に陥っていると考えます。

この患者さんは、自分の腰に治療のポイントがあることを発見され、とても喜ばれ、今後の治療にも期待が持てると仰って帰られました。

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診療日




火・水以外の祝日は診療日となります。

診療時間
月・木・金:10時半〜18時半
(最終診療開始時間:17時)
土・日:10時半〜19時半
(最終診療開始時間:18時)

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