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体験農園で試してみたいこと

今年3月から市営の体験農園を借りれることになり、作業を始めています。

私個人的には、この体験農園で試してみたいことがあり、それは、自然農法で野菜を作るということです。

私は農法について語れるほどではありませんが、あえて素人なりに説明させていただきます。

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農法には大きく分けて、3つの農法があると思います。

化学農法とは

1つ目は、化学農法です。世の中のほとんどの畑や田んぼで行われている農法です。これは、化学肥料、農薬、除草剤といったものを使います。トラクターや草刈機など機材を積極的に使います。

野菜や米は、ちょっと言い方が悪いかもしれませんが、化学肥料の栄養分を吸い上げて育つ、というイメージかと思います。

また、畑を耕します。土と化学肥料を混ぜて耕し、多くの場合、単一の作物を大量に栽培する方法です。にんじんなら、一帯をにんじんのみ栽培するといった形です。このようなある意味、人間の都合で大量生産するような農法の場合、その不自然さから、害虫が多く発生することがあり、その害虫を農薬で殺し、害虫のみならず、益虫までも殺し、畑には虫だけでなく、本来土壌を豊かなものにする微生物までも殺し、生物がいない畑から作物を作る、というなんだか不自然極まりないのが化学農法といえます。

お気づきかと思いますが、これは、収穫できた作物の質はさておき、効率というか、ビジネスとしては優秀な点があるようです。日本の場合、農協の農法ともいえるかと思います。

有機農法とは

次に、2つ目は、有機農法です。これは、1つ目の化学農法の化学肥料、農薬、除草剤といった化学物質を使わずに、それらにとって代わるものを自然素材のものを使う、という農法といえるかと思います。

つまり、畑は耕しますが、肥料には、落ち葉を発酵させたものや家畜の糞を使ったり、農薬の代わりに酢と柑橘系のエキスを混ぜたものを使ったり、といった農法です。

これは、もちろん化学農法よりは遥かに人間の体や地球環境にも良いと思いますが、私個人的には生意気な言い方になってしまいますが、少し物足りないというか、ある面では化学農法に近い気がします。

自然農法とは

3つ目は、自然農法となります。私個人的な考えですが、これは単なる農法というよりは思想的なことも含まれていると思います。人間都合で作物を作るのではなく、自然界のおこぼれを人間がいただく、といった謙虚な思想があると私は思います。

従って、効率とか利益とかそういったことが優先されるわけではなく、また人間が自然を征服する、といったことではなく、自然界と人間がうまく折り合いをつけて、持続可能で無理のない形を目指すものであると私は思います。

具体的には、耕さず、雑草といわれる草も草の部分は草刈りをしたとしても根っこは抜かず、その雑草の根っこが伸びていくことで畑を耕し、根っこに付いている菌が土の中の微生物を豊かにし、それを求めてミミズ、蜘蛛といった益虫がやってきて、畑の中に一つの生態系を生み出すイメージです。

また、栽培する野菜による組み合わせによって、害虫を寄せ付けないといったことや野菜同士お互いの根っこを通して栄養を交換したり、といったバンカープランツ、コンパニオンプランツといった栽培方法があります。また、種蒔きは新月の時期が良いとされたり、苗を受けるのは満月以降が良いといった、天体の運行までも考慮する農法です。

「農薬を使わないということであれば、害虫が出たらどうするか。」

ということになりますが、本当に土壌の質が高く、自然農法に的した環境であれば、不自然に害虫が湧いて、作物がやられてしまう、といったことはないようです。

害虫がいても、その害虫を食べる昆虫がいたり、多少野菜も食べられたとしてもそれは、虫が食べる分であって、残った収穫できた分を人間がいただく、といった姿勢のようです。農薬に頼る人からすれば、信じられないようなことなのかもしれません。

自然農法の究極的な形は、人間は何も特別なことはせず、ただ種を蒔けばいい、といったことのようですが、その状態というのは、何年も何十年も自然農法を続けて土壌が自然農法に適したものにならないと無理なようです。江戸時代の土壌であれば、理想に近い土壌は多くあったのかもしれませんが、現代の土壌は、畑や田んぼは化学肥料と農薬漬けで微生物は壊滅していて、とても種を蒔いただけでは作物は育ちません。

そのようなある意味、化学物質によって土壌が汚染されているという話しとは別に、全く手付かずの山の土壌といったものは、酸性が強く、野菜などの作物には適さない土壌だそうです。そのような山の土壌を開墾して、自然農法を始めても最初の数年はまともな作物は育たないようですが、3年、5年、10年と続けていくうちに、土壌がアルカリ性になっていき、自然農法で立派な作物が育つようになるそうです。これは、ある意味、山の土壌を作物を作るために人間都合で土壌を畑の土壌に変えてしまった、ともいえ、これすらも環境破壊である、と仰る自然農法家の方もいらっしゃいます。そういった意味でも、自然界と人間が折り合いをつけて、共存していく、といったことなのかもしれません。

化学農法と自然農法、西洋医学と東洋医学

思うがまま、農法について書かせていただきましたが、気づかれる方もいらっしゃるかと思いますが、この化学農法と自然農法というのは、西洋医学と東洋医学の考え方の違いに通ずるものがあると私は思います。

悪いところを叩く、症状を消す、といった西洋医学のやり方は、種を蒔いただけでは作物が育たないのなら化学肥料を入れればいい、害虫被害があるなら殺虫剤、雑草がうっとうしければ除草剤、といったことと似ていませんか。

対して、自然農法の究極的な形として、種を蒔けば、それだけでいい、という話しは、東洋医学の本来、人間には自己を治癒する力があり、その自然治癒力がうまく機能する身体を作るために、鍼や灸、漢方薬がある、という思想に通ずるものがあると考えるのは、私の戯言でしかないのでしょうか。

とにかく、始めてみます

そんな訳で、今回、市営の体験農場といった限定的な小規模な畑ではありますが、私としては、自然農法を試してみてたくさん失敗もして、勉強してみたいと思っています。体験農場は、市が化学肥料をふんだんに混ぜ込んだ土壌をトラクターで耕していただいているようですし、除草剤も使われているせいか、土の臭いを嗅いでも何も臭いがありません。土壌の質が高ければ、軽く発酵したような臭いがするそうです。

そのような訳で、まずは、土壌改善から始めていこうと考えていますが、なかなか難しいと思います。特に1年目は全く野菜が育たないといった結果もありえるほど、難しいと思いますが、困難にめげずに、楽しんでいきたいと思います!ごちゃごちゃ言ってないで、始めてみます!

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カテゴリー: 自然農法

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