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スパイクタンパク質を考える

この記事を書いているのが、2022年3月30日ということで、新型コロナワクチンの3回目が実施されている時期となります。あらためてこの時期に、新型コロナワクチンの中身やその仕組みについて考えてみたいと思います。

ネット上には、この新型コロナワクチンの中身について、様々な憶測が飛び交っています。新型コロナワクチンの中身を分析することは違法とされているとか、世界各地の研究機関がもう既に、中身の解析は済んでいて、独自に動物実験が行われているとか、確かめようがなかったりすることが多くあります。

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今回はあえて、ネット上の情報はここでは取り上げず、1回目のワクチン接種の案内として、私の住む埼玉県所沢市から届いた「新型コロナワクチン接種のご案内」という書類の中の「新型コロナワクチン予防接種についての説明書」に記されていた内容を元に考えてみたいと思います。

つまりこれは、所沢市の行政から郵送されてきた書類であり、厚生労働省の指示の元、作成された書類であると考えると、内容が良いかどうかは別として、ネット上のあやふやな話しというわけではありません。

この「新型コロナワクチン予防接種についての説明書」の「今回接種する新型コロナウィルスワクチンの特徴」という欄に以下の文章が記載されています。

「本剤はメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンであり、SARS-CoV-2のスパイクタンパク質(ウィルスがヒトの細胞へ侵入するために必要なタンパク質)の設計図となるmRNAを脂質の膜に包んだ製剤です。本剤接種によりmRNAがヒトの細胞内に取り込まれると、このmRNAを基に細胞内でウィルスのスパイクタンパク質が産生され、スパイクタンパク質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで、SARS-CoV-2による感染症の予防ができると考えられています。」



非常にわかりにくい説明文に思えるのは私だけでしょうか。わざとわかりにくくしているようにも思えます。

まず、この新型コロナワクチンというのは、メッセンジャーRNAワクチンというワクチンのタイプである、ということだと思います。このメッセンジャーRNAワクチンというのは、以前からあったインフルエンザワクチンのような不活化ワクチンと呼ばれるタイプとは別物だということだといえます。

インフルエンザの不活化ワクチンというのは、インフルエンザウィルスを弱毒化した成分を体内に入れることによって、体がその弱毒化されたウィルスに対して、抗体を作り、インフルエンザに感染した場合、その抗体によってインフルエンザウィルスと闘う、というものだと思います。

次に、「SARS-CoV-2のスパイクタンパク質(ウィルスがヒトの細胞へ侵入するために必要なタンパク質)の設計図となるmRNAを脂質の膜に包んだ製剤です。」とあります。

SARS-CoV-2というのは、新型コロナウィルスの別名ですので、新型コロナウィルスのスパイクタンパク質の設計図となるメッセンジャーRNAを脂肪の膜で包んだ薬剤である、ということだと思います。

この「スパイクタンパク質」というのが、このワクチンを理解するのに重要なキーワードになると思います。ここでは、スパイクタンパク質は、ウィルスがヒトの細胞に侵入するために必要なタンパク質とありますが、この説明はあまり重要なことを言っているとは思えません。

ここからが重要だと思いますが、「本剤接種によりmRNAがヒトの細胞内に取り込まれると、このmRNAを基に細胞内でウィルスのスパイクタンパク質が産生され、スパイクタンパク質に対する中和抗体産生及び細胞性免疫応答が誘導されることで、SARS-CoV-2による感染症の予防ができると考えられています。」とあります。

これは、このワクチンを接種すると、細胞内で、このメッセンジャーRNAを基にして、「新型コロナウィルスのスパイクタンパク質」が作られ、このスパイクタンパク質に対する抗体ができることで、新型コロナウィルスに感染した場合、闘うことができるようになる、ということだと思います。

わかりやすく説明すると以下のようになるかと思います。

先に説明したインフルエンザのワクチンの場合、弱毒化したウィルスを体内に入れることで、その弱毒化したウィルスに対して、抗体を作って、インフルエンザに感染した場合は、その作った抗体で闘うことができる、ということでした。

それに対して、新型コロナウィルスのメッセンジャーRNAワクチンの場合は、スパイクタンパク質を作るための設計図を含んだメッセンジャーRNAが体内に入ると、その設計図を基に、体内で「新型コロナウィルスのスパイクタンパク質」というものが作られ、そのスパイクタンパク質に対して、抗体を作って、新型コロナウィルスに感染した場合、その抗体でウィルスと闘う、ということになるかと思います。

従って、インフルエンザワクチンの弱毒化されたウィルスが、新型コロナウィルスワクチンのスパイクタンパク質に当たる、ということになりそうです。

ここからは、上記のことを踏まえて、私個人の考えとなります。

この新型コロナウィルスワクチンにおける、スパイクタンパク質というものが、接種者の体内で作られるということですが、このスパイクタンパク質に関して、気になることがあります。

それは、このスパイクタンパク質は、大きく分けて2つの副作用があるという話しがあることです。1つ目は、血栓症を引き起こす可能性がある、ということです。このスパイクタンパク質というのは、「スパイク」ということで、「トゲ」があり、スパイクタンパク質が血管内を流れる際、血管内をその「トゲ」でガリガリと傷つけ、その破片が血栓となる説があります。血栓は血の塊のようなもので、それが脳に飛んでいき、脳の毛細血管で詰まれば脳梗塞、心臓に飛んでいき、心臓の毛細血管で詰まれば心筋梗塞を引き起こす可能性があるとされています。

もう一つは、免疫低下を引き起こす、とされています。これは、詳しくどのような仕組みで免疫低下が起こるのかはわかりませんが、そういった説はあります。著しい免疫低下が起これば、感染症にかかりやすくなったり、重症化しやすくなったりすることは考えられますし、それ以外にも癌細胞の増殖を抑えられなくなることも考えられます。

私個人としては、所沢市から届いた説明書に書かれた新型コロナウィルスに対する効果というものよりも、スパイクタンパク質がもたらす副作用のほうを充分、認識し、警戒しなければならないと考えます。

現時点では、確実なことは何も言えませんが、この3回目のワクチン接種時期に、今一度、この「スパイクタンパク質」について、ご自身で調べ、考えていただいた上で、ご自身が決断する際の一つのポイントにしていただけたらと切に願います。


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カテゴリー: 新型コロナウイルス

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