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背部兪穴とは ~腰背部に並ぶ臓器を癒すツボ~

背中や腰には、「~兪(ゆ)」といったツボがあります。このようなツボのことを「背部兪穴(はいぶゆけつ)」といいます。「背部兪穴」は腰背部の背骨の中心から左右の約5センチ外に位置します。

「背部兪穴」の「兪(ゆ)」という漢字は、「癒」という字の原型といわれています。「~兪」の「~」には臓器名が入りますので、「背部兪穴」は、その臓器を癒すツボとなります。

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厳密には、東洋医学でいう臓器名は西洋医学の臓器名と全く同じ意味ではなく、その臓器の持つ働きも含めますが、概ね、「心」なら「心臓」、「肝」なら「肝臓」のこととイメージされてもよいかと思います。東洋医学の臓器の考え方である「六臓六腑」については以下のリンク先をご覧下さい。

コラム 臓腑(ぞうふ)とは? ~東洋医学の基本的な考え方の一つ~

「背部兪穴」には以下があります。

背部兪穴


肺兪(はいゆ)…肺を癒す。
厥陰兪(けついんゆ)…厥陰とは、心臓を守る「心包」のこと。
心兪(しんゆ)…心を癒す。
肝兪(かんゆ)…肝を癒す。
胆兪(たんゆ)…胆を癒す。
脾兪(ひゆ)…脾を癒す。脾は脾臓というより、膵臓(すいぞう)のことを指す
       といわれています。
胃兪(いゆ)…胃を癒す。
三焦兪(さんしょうゆ)…三焦は西洋医学でいう副腎を指すといわれ、ホルモンを
            分泌します。
腎兪(じんゆ)…腎を癒す。
大腸兪(だいちょうゆ)…大腸を癒す。
小腸兪(しょうちょうゆ)…小腸を癒す。
膀胱兪(ぼうこうゆ)…膀胱を癒す。

※「心包」と「三焦」は東洋医学独特の臓腑です。

兪穴はなぜ臓器を癒すのか

シンプルに言うならば、2つのことが考えられ、1つ目は東洋医学的な考え方で、兪穴には、その臓器と関連する邪気(ネガティブな気、マイナスな気)が溜まることが考えられ、兪穴に鍼をすると、邪気と正気(プラスな気)の交換が行なわれることで、臓器が元気になるという考え方があります。

2つ目は、西洋医学の解剖と関連していることとなりますが、下の図のように、各臓器につながる神経の通り道は、「背部兪穴」の位置とほぼ一致することから、「背部兪穴」に鍼をするということは、各臓器につながる神経を刺激して、各臓器を整える、と考えられています。また、「背部兪穴」に硬さがある、張りがある、といった場合、その硬さや張りがその臓器につながる神経を圧迫していることが考えられ、硬さや張りを緩めることで、神経が圧迫から開放されて、その臓器の機能が高まることになります。

自律神経の分布


実際の鍼治療での兪穴の治療とは

実際の治療では、例えば、胃の調子が悪いという患者さんの場合、胃兪に硬さがみられる、張りがみられる、軟弱で力がないなど、何らかの異常がみられることが多々あります。この場合、胃兪に鍼をして、鍼の操作によって、硬さや張りを緩めるといったことで、圧迫された神経が圧迫から開放され、その神経のつながっている先の臓器が元気を取り戻すことになります。

それでは、この胃の調子の悪い患者さんや胃にまつわる疾患を持つ患者さんに、胃兪にだけ鍼をすれば症状がなくなり、全快するかというと、そうでない場合のほうが多いと思います。

それは、胃兪の異常というものは、体全体の歪みといった体のバランスの欠如がもたらしている場合が多くあるからです。その多くは、体の土台ともいえる腰部や骨盤部に根源がある場合が多いと思います。

従って、いくら胃兪の治療しても、体の土台である腰部や骨盤部に狂いがあり、左右差があったりとなると、根本的な胃兪の治療にならないとなります。腰部や骨盤部の狂いが体のバランスを崩し、その結果、胃兪に歪が現れていると考えることができるからです。

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