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投稿日:2015年12月31日
冷えを訴える女性たちⅢ ~体を温める力を高める~
前回のコラム「冷えを訴える女性たちⅡ ~体を冷やすことを止める~」に引き続き、「体を温める力を高める」にはどうしたらよいか、についてまとめてみたいと思います。
本来ならば、寒さを感じれば、体が本人の意識とは関係なく、体が冷えないように様々な調節を自動的に行ってくれるように人間の体はできています。
ところが、現代人の多くは、この自動的に行ってくれる機能が低下していることで、様々な健康上の問題を抱えています。
この自動的に行ってくれる機能を司るのが自律神経です。
自律神経がうまく機能していない状態が「自律神経失調症」といわれます。体の冷えは、自律神経失調症の症状の一つといわれています。
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類の神経があり、この2種類の神経がバランスを保ちながら、体の様々な調節をしています。
人は日々、様々な刺激やストレスに対応しています。体の外からの刺激としては、天候の変化のようにわかりやすいものから、心的なストレスといったものにも対応しなければなりません。その際、本人は意識しなくても自動的に、自律神経が働き、様々な調節をしてバランスを取ってくれています。
交感神経とは緊張状態時に働き、副交感神経はリラックス状態時に働きます。自律神経は、緊張とリラックスという信号によって機能しているようです。
ところが、現代人のように、心身共にストレスを受け、強い緊張状態が長期間続くと、交感神経ばかりが働き、自律神経のバランスが失われ、様々な症状が現れます。
体の冷えに関しては、交感神経が強く働きすぎると血管が収縮した状態が続き、その結果、血行が悪くなる、ということが考えられます。
上記のように、現代人の多くは、交感神経が働き過ぎということがいえるので、リラックスする状態を意図的に増やすことが大事に思えますが、理想的には、適度な緊張とリラックスが心身を刺激するのが、自律神経を整えるには最適に思えます。
その方法について、以下にいくつかまとめてみたいと思います。
入浴
お風呂に入ると、ほとんどの方はリラックスできるのではないでしょうか。
体が温まれれば、血管が拡張し、血行が高まります。これは、副交感神経が盛んに働き、緊張状態からリラックス状態に戻し、心身ともにリセットされる効果があると思います。
熱いお風呂に短時間入るよりも、ややぬるめのお風呂に30分程度、入浴されるほうがリラックス効果が高いとされます。
温冷浴
これは、お風呂で、温水と冷水を交互に浴びるという、修行に近いものがあるように思えますが、これにより、交感神経と副交感神経が交互に刺激され、自律神経を整える作用があるようです。
また、これは皮膚を鍛え、皮膚の毛細血管が拡張される効果があり、血流量が増えるという効果もあるようです。
ただし、これはできる人とできない人がいるかと思いますし、これから始めるならば、夏場から徐々に始めるほうがいいと思います。
私自身は初めて10年近くになりますが、未だに冷水を浴びるのは声が出ちゃうほどキツいものがあります。始めた当初に気が付いたことは、確かに皮膚に厚みを感じるようになったことです。
温冷浴(温冷交代浴)
http://hontonano.jp/hienai/0704bath05.html
自然から離れない
少々、乱暴な方法かもしれませんが、自律神経失調症の方を一定の期間、人里離れた山の中で生活してもらえば、様々な症状が改善されるという説もあるようです。
自然界は昼と夜、潮の満ち引き、暑さ寒さのようなプラスとマイナス、陰と陽といったバランスを絶妙にとりながら存在しています。この大いなる力と人間が全く無関係とは思えず、人間も自然界の一部といえるのではないでしょうか。
運動
これは、自律神経と直接関係するものではないかもしれませんが、冷え性の改善には必要なことに思えます。
女性に比べ、男性に冷え症が少ないのは、男性のほうが筋肉量が多いから、という説があります。
筋肉には血液を循環させるポンプの作用があるため、筋肉が多ければ、血液の巡りが盛んになり、体が冷えにくくなるということは考えられます。
人間の筋肉量の6割は下半身といわれています。この下半身の筋肉は、血液を循環させるポンプとしての働きもあり、心臓を助ける効果もあります。
「老化は足腰から」ともいわれますが、ウォーキングのような無理のない運動は、血行を高め、冷えにくい体作りに適した運動に思えます。
鍼治療において、患者さんの体にとって、鍼とは金属の異物であり、そうした異物が体内に入ってくることで、体は異物に負けないように反応します。その際に交感神経が働いて、ある種の緊張状態になります。
それに反して、鍼を受けると体が緩んできて血行が良くなり、それがリラックスできる状態につながる現象があります。患者さんの中には治療中に完全に熟睡してしまう方や熟睡までいかないまでもウトウトと寝ているような起きているな状態の方は多くいらっしゃいます。このように、治療中からリラックス状態、つまり副交感神経が優位に働く状態にもなるのです。
従って、鍼治療には、交感神経と副交感神経が交互に反応するような現象があり、これが結果として、自律神経を整えていく効果となっているといえると思います。
他にも自律神経の分布がツボとの一致しているといったこともあり、詳細は以下のリンク先をご覧下さい。
鍼灸院神尾 「治療について」ページ
「鍼はなぜ効くのか」
https://harikanwo.com/chiryou.html
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冷え性の根本原因は自律神経の乱れ
本来ならば、寒さを感じれば、体が本人の意識とは関係なく、体が冷えないように様々な調節を自動的に行ってくれるように人間の体はできています。
ところが、現代人の多くは、この自動的に行ってくれる機能が低下していることで、様々な健康上の問題を抱えています。
この自動的に行ってくれる機能を司るのが自律神経です。
自律神経がうまく機能していない状態が「自律神経失調症」といわれます。体の冷えは、自律神経失調症の症状の一つといわれています。
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類の神経があり、この2種類の神経がバランスを保ちながら、体の様々な調節をしています。
人は日々、様々な刺激やストレスに対応しています。体の外からの刺激としては、天候の変化のようにわかりやすいものから、心的なストレスといったものにも対応しなければなりません。その際、本人は意識しなくても自動的に、自律神経が働き、様々な調節をしてバランスを取ってくれています。
交感神経とは緊張状態時に働き、副交感神経はリラックス状態時に働きます。自律神経は、緊張とリラックスという信号によって機能しているようです。
ところが、現代人のように、心身共にストレスを受け、強い緊張状態が長期間続くと、交感神経ばかりが働き、自律神経のバランスが失われ、様々な症状が現れます。
体の冷えに関しては、交感神経が強く働きすぎると血管が収縮した状態が続き、その結果、血行が悪くなる、ということが考えられます。
自律神経を整えるには
上記のように、現代人の多くは、交感神経が働き過ぎということがいえるので、リラックスする状態を意図的に増やすことが大事に思えますが、理想的には、適度な緊張とリラックスが心身を刺激するのが、自律神経を整えるには最適に思えます。
その方法について、以下にいくつかまとめてみたいと思います。
入浴
お風呂に入ると、ほとんどの方はリラックスできるのではないでしょうか。
体が温まれれば、血管が拡張し、血行が高まります。これは、副交感神経が盛んに働き、緊張状態からリラックス状態に戻し、心身ともにリセットされる効果があると思います。
熱いお風呂に短時間入るよりも、ややぬるめのお風呂に30分程度、入浴されるほうがリラックス効果が高いとされます。
温冷浴
これは、お風呂で、温水と冷水を交互に浴びるという、修行に近いものがあるように思えますが、これにより、交感神経と副交感神経が交互に刺激され、自律神経を整える作用があるようです。
また、これは皮膚を鍛え、皮膚の毛細血管が拡張される効果があり、血流量が増えるという効果もあるようです。
ただし、これはできる人とできない人がいるかと思いますし、これから始めるならば、夏場から徐々に始めるほうがいいと思います。
私自身は初めて10年近くになりますが、未だに冷水を浴びるのは声が出ちゃうほどキツいものがあります。始めた当初に気が付いたことは、確かに皮膚に厚みを感じるようになったことです。
温冷浴(温冷交代浴)
http://hontonano.jp/hienai/0704bath05.html
自然から離れない
少々、乱暴な方法かもしれませんが、自律神経失調症の方を一定の期間、人里離れた山の中で生活してもらえば、様々な症状が改善されるという説もあるようです。
自然界は昼と夜、潮の満ち引き、暑さ寒さのようなプラスとマイナス、陰と陽といったバランスを絶妙にとりながら存在しています。この大いなる力と人間が全く無関係とは思えず、人間も自然界の一部といえるのではないでしょうか。
運動
これは、自律神経と直接関係するものではないかもしれませんが、冷え性の改善には必要なことに思えます。
女性に比べ、男性に冷え症が少ないのは、男性のほうが筋肉量が多いから、という説があります。
筋肉には血液を循環させるポンプの作用があるため、筋肉が多ければ、血液の巡りが盛んになり、体が冷えにくくなるということは考えられます。
人間の筋肉量の6割は下半身といわれています。この下半身の筋肉は、血液を循環させるポンプとしての働きもあり、心臓を助ける効果もあります。
「老化は足腰から」ともいわれますが、ウォーキングのような無理のない運動は、血行を高め、冷えにくい体作りに適した運動に思えます。
鍼治療は自律神経にどのような作用があるか
鍼治療において、患者さんの体にとって、鍼とは金属の異物であり、そうした異物が体内に入ってくることで、体は異物に負けないように反応します。その際に交感神経が働いて、ある種の緊張状態になります。
それに反して、鍼を受けると体が緩んできて血行が良くなり、それがリラックスできる状態につながる現象があります。患者さんの中には治療中に完全に熟睡してしまう方や熟睡までいかないまでもウトウトと寝ているような起きているな状態の方は多くいらっしゃいます。このように、治療中からリラックス状態、つまり副交感神経が優位に働く状態にもなるのです。
従って、鍼治療には、交感神経と副交感神経が交互に反応するような現象があり、これが結果として、自律神経を整えていく効果となっているといえると思います。
他にも自律神経の分布がツボとの一致しているといったこともあり、詳細は以下のリンク先をご覧下さい。
鍼灸院神尾 「治療について」ページ
「鍼はなぜ効くのか」
https://harikanwo.com/chiryou.html
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