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免疫力を上げるには?
~日常でできる免疫力アップ方法 後編 食事について~

今回は、前回のコラム、

免疫力を上げるには? ~日常でできる免疫力アップ方法 前編~

の後編ということで、免疫を上げる方法としての食事についてまとめてみたいと思います。

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食事に関しては、様々なことがいえますが、今回は免疫力を上げるには、というテーマがありますので、それに絞った内容にしたいと思います。

免疫細胞の6割は腸に存在し、腸内の免疫細胞が活発に働くには、善玉菌と悪玉菌の理想的なバランスが善玉菌9、悪玉菌1の9:1といわれています。ところが、このバランスは崩れやすく、善玉菌が不足し、悪玉菌が増えてしまう傾向にあります。よって、善玉菌を増やすための食事が必要となります。

善玉菌を増やす食事について以下が挙げられるかと思います。

発酵食品の摂取

発酵食品とは、食品を乳酸菌、麹菌、酵母菌、納豆菌などの働きによって、食材を発酵させ、食品の腐敗を防ぐ、おいしさに深みが出る、栄養成分が高まる、体内への吸収率が良くなる、といったことに加え、腸内環境を整え、免疫力が高まるといった効果があるとされます。

また、野菜に含まれる食物繊維は、乳酸菌などのエサとなり、発酵を助ける働きがあるとされます。

ヨーグルトやチーズといった乳製品は動物性の乳酸菌を含み、乳製品の乳酸菌は牛乳という栄養が豊富な環境で育つため、植物性乳酸菌のほうが厳しい環境である分、生命力が高く、胃や腸の中で胃酸などによって死滅することなく、多くが生きて腸まで届くと言われています。また、日本人にとっては、古来から植物性乳酸菌になじんでいるので、多くの日本人には植物性乳酸菌のほうが、体には合っているように思えます。

主な発酵食品の材料と菌名
醤油…大豆を麹菌と酵母で発酵
味噌…大豆を麹菌、酵母、乳酸菌で発酵
豆板醤…ソラマメと唐辛子を麹菌で発酵
コチュジャン…もち米と唐辛子を麹菌などで発酵
お酢…酒類が酢酸発酵
パン…小麦をパン酵母で発酵
くずもち…小麦を乳酸菌で発酵
納豆…大豆を納豆菌で発酵
鰹節…カツオをコウジカビで発酵
塩辛…微生物ではなく、原材料そのものがもつ酵素による発酵
ナタ・デ・ココ…ココナッツを発酵
バニラ…種子鞘の発酵により香料を得る
タバスコ…唐辛子を岩塩・穀物酢で発酵
キムチ…白菜などの野菜、塩、唐辛子、魚介塩辛などを乳酸菌によって発酵
ピクルス…野菜、塩、酢を乳酸菌によって発酵
ザワークラフト…キャベツ、塩を乳酸菌によって発酵
日本酒…米を麹菌と清酒酵母で発酵
ワイン…葡萄をワイン酵母で発酵
ビール…大麦の麦芽をビール酵母で発酵
シードル…りんごをりんご酵母で発酵
紅茶…発酵茶。微生物ではなく、原材料そのものがもつ酵素による酸化発酵
烏龍茶…紅茶と同様

米のとぎ汁乳酸菌の紹介

米のとぎ汁、自然塩、黒砂糖を混ぜて3~5日間かけて作ることができます。米に含まれる乳酸菌がとぎ汁にも含まれ、乳酸菌が塩分と糖分をエサとして増殖するというもののようです。私も最近、作ってみてはいますが、発酵が難しく、うまく作れるようになったら、後日紹介させていただきたいと思います。
作り方は以下のサイトを参考にされてください。
米のとぎ汁乳酸菌の作り方と使い方 | SUSTAINA PROJECT

特定の食品

野菜ある食品に限定して、「これさえ食べれば免疫が上がる。」といった考え方は偏りがあり、それほど単純には思えません。それでも、一般的に免疫に作用があるといわれる食品を以下に挙げ、参考にしていただけたらと思います。

大根
主な成分:辛味成分ジアスターゼ
免疫力を高めるには、白血球などの細胞がいつも元気に働けるよう、細胞の酸化(老化)を防ぐことが大切になります。
抗酸化食品はいろいろありますが、大根の辛み成分であるイソシアシアネイトに抗酸化の働きがあり、皮との間に多く含まれているので、よく洗って皮ごと食べたほうが効果が高いようです。
また、大根はジアスターゼなどの消化酵素も豊富です。食べたものを速やかに消化し、効率よく吸収する助けをし、効率よく吸収する働きがあり、代謝のアップにも役立ちます。
ただし、これらの成分は熱に弱いので、食べ方としては『大根おろし』が良いようです。

長いも
主な成分:ムチン
長いものヌメリに含まれるムチンは、たんぱく質の分解を助ける成分。長いもは、他にも多くの消化酵素を含み、食べ物の消化吸収をよくし、新陳代謝を上げるので、昔から“精がつく食べ物”といわれてきました。
最近では、抗酸化成分を含むこともわかっています。

茶そば
主な成分:ルチン、ビタミンA・C・E
そばにはルチンという抗酸化成分が含まれており、動脈硬化や高血圧の予防にも抗力を発揮するからです。 ところが、同じそばでも抹茶を加えた茶そばは、抗酸化ビタミンのA・C・Eも含むため、抗酸化力がさらに強力になるようです。そばを食べるなら、茶そばのほうがおすすめということのようです。

小松菜
主な成分:クロロフィル ビタミンA・C・E
小松菜は、緑色の成分であるクロロフィルとビタミンA・C・Eを含む、強力な抗酸化食品です。
そのうえカルシウムや鉄分などのミネラルも豊富なので、免疫力アップのためだけでなく、骨粗鬆症や貧血が気になる女性には、とくに積極的にとることをおすすめします。

納豆
主な成分:イソフラボン ビタミンK2
納豆などの大豆製品には、イソフラボンという、胃がんを予防する成分が含まれており、これが強い抗酸化力をもっています。
納豆には、納豆菌が含まれていますが、この納豆菌は腸内の悪玉菌をやっつけて、善玉菌を増やしてくれます。

梅干し
主な成分:クエン酸 特効成分
梅干しは昔から薬効の多い食品として知られていますが、有効成分の1つがクエン酸です。代謝をよくすることで疲労を予防・解消し、元気な体を維持します。
もう1つの有効成分は、梅干しを焼くことで生まれる特効成分。これには強力な抗酸化作用があるとされます。

にら
主な成分:硫化アリル ビタミンA・C・E
免疫力を高めるには、体内にはいった栄養素が、エネルギーとして効率よく燃える必要があります。
エネルギーの素である、糖質の代謝に不可欠な栄養素はビタミンB1です。そのビタミンB1の働きを助けるのが、にらに含まれている、硫化アリルという成分です。

にんにく
主な成分:硫化アリル
にんにく特有の匂いも、硫化アリルが含まれています。硫化アリルは加熱しないほうが、より強力に作用するので、『にんにくのしょうゆ漬け』がおすすめです。にんにくをしょうゆに漬けて、1週間から10日置くだけです。にんにくの臭みが消えるので、生でもおいしく食べられます。

食品添加物、化学調味料、乳製品の排除

ここからは、食べることで免疫を上げる、のではなく、免疫を下げている要因についてです。

食品添加物、化学調味料、乳製品が体内に入ると何が起こるのでしょう?

食品添加物、化学調味料の多くは化学物質であり、体内で活性酸素を発生させたり、アレルギーを起こさせる物質であったり、体細胞を傷つける可能性があります。このようなことが長期間に渡って続けられると免疫力が低下してしまいます。

また、乳製品には乳糖(ラクトース)という成分が含まれていて、日本人のような古来から乳製品をほとんど摂取してこなかった民族の場合、この乳糖を分解できず、腸に負担がかかり、免疫機能が低下するといわれています。

その他にも食品添加物、化学調味料、乳製品は「血管透過性の亢進」といい、「血管から水がしみ出る」という現象を引き起こし、細胞と細胞の間に水が溜まり、細胞同士の情報伝達が鈍るといった直接的ではないにしても間接的には免疫力低下を招くことが起きるとされています。

遺伝子組換農産物は何が悪いのか?

遺伝子組換農産物は強力な腸内細菌叢の破壊作用があります。遺伝子組換農産物は除草剤「ラウンドアップ」の使用を前提とします。

除草剤「ラウンドアップ」は、ベトナム戦争で使われた「枯葉剤」とほぼ同じ成分です。枯葉剤はダイオキシン類の一種2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-1,4-ジオキシン(TCDD)を高い濃度で含んだものです。

腸内細菌叢の状態の良い人が遺伝子組換農産物を摂取すると、腸内細菌叢はその90%が破壊され、免疫機能は劇的に低下するということになります。

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カテゴリー: 免疫力

免疫力を上げるには?
~日常でできる免疫力アップ方法 前編~

免疫力に関しては、下記のコラムに書かせていただきました。

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免疫力ってどういうこと?~免疫力と自律神経の関係と腸内環境について~

上記のコラムの中で、免疫力を上げるには、自律神経を整えることと腸内善玉菌を増やすことが大切であることを説明させていただきました。

自律神経と白血球の顆粒球とリンパ球の関係をまとめると以下のようになります。

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免疫機能を主に担当するのは血液中の白血球であり、白血球の種類である顆粒球とリンパ球の割合が自律神経の交感神経と副交感神経がコントロールしています。

交感神経…緊張、戦闘モードの時に働く→顆粒球が増える
副交感神経…リラックス、まったりモードの時に働く→リンパ球が増える

顆粒球が増えすぎ…自分の体を攻撃。顆粒球が死ぬ時に活性酸素を出し、がんや糖尿病の原因になると言われている。
リンパ球が増えすぎ…アレルギーを起こしたり、低体温を引き起こし、がんの原因になると言われている。
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今回は日常生活の中でできそうな自律神経を整えることと腸内善玉菌の増やし方や気をつける点をまとめられたらと思います。

睡眠

快眠眠ることで自律神経のバランスをとっています。

睡眠不足…免疫力低下。
睡眠時間が長すぎる…リンパ球が増え過ぎる。
夜更かし…交感神経が高まりすぎて顆粒球が増え過ぎる。
夏の時期…副交感神経が高まりやすく、日の出時間も早いことから、起床も早め。
冬の時期…交感神経が高まりやすく、日の出時間も遅いことから、日が昇るまでは寝ていたほうがよい。

適度な睡眠時間とは個人差もあり一概にはいえないのかもしれませんが、普通は7~9時間といったところでしょうか。寝不足、寝過ぎ、夜更かしはいずれも自律神経のバランスを崩すもののようです。また、季節による日の出に合わせた起床時間も意識すると自律神経にとってはさらに良いことのようです。自然界のリズムと睡眠時間を合わせることが自律神経を整えるようです。

運動

運動運動することで、筋肉が発熱し、代謝を高め、血行が促進し、疲労物質が回収されるなどの効果があり、免疫力を上げる効果が高いです。

適切な運動の量と質といったことも個人差がありますが、無理のないウォーキングなどの全身運動、筋肉を伸ばし、関節可動域を高めるストレッチなど、自分にとって心地く続けられる運動がご本人にとって適した運動に思えます。

量的にも疲れ過ぎる、痛みを感じるほどではなく、心地よさを感じられる量が適正だと思います。

入浴

入入浴には副交感神経優位をもたらすリラックス効果があります。副交感神経が優位になると内臓機能も高まり、腸も活発に活動しますので、当然、免疫力が上がることが期待できます。

熱いお風呂に短時間つかるのではなく、半身浴でぬるめのお風呂に30分以上、入るのが副交感神経が優位になるようです。

呼吸

自律神経とは、自分の意識に関係なく、自動的に体の様々な調節をしてくれる、人間にとって最も根源的な機能であると思います。

自律神経は交感神経と副交感神経の刺激の伝達によって、体の様々な機能を調節しています。代表的なものとして、体温、血圧、血流、ホルモン分泌、消化機能、呼吸などの調節が挙げられます。

この中で、特殊なものが呼吸です。呼吸は意識して深くしたり、浅くしたり、速くしたり、遅くしたりもできますが、無意識にもでき、就寝時には完全に自動です。

この意識的もでき、無意識にもできる呼吸は、意識的に呼吸することで、自律神経に直接働きかけることできる数少ない方法といわれています。ヨガや呼吸法などは体を動きに合わせながら、呼気と吸気を意識することで、自律神経を整える作用があるといえます。自律神経が整えば、当然、腸の働きを中心に免疫力は高まります。

精神的に緊張すると呼吸は浅く速くなります。これは交感神経が高まっている状態です。逆に、リラックスした状態では、呼吸は深くゆっくりになり、副交感神経が高まります。免疫を上げるには、副交感神経を高めたいので、呼吸を意識的に深くゆっくりなものにできるのが理想です。

食事

食事については、

次回のコラム 免疫力を上げるには?~日常でできる免疫力アップ方法 後編 食事について~

に続きます。

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カテゴリー: 免疫力

免疫力ってどういうこと?
~免疫力と自律神経の関係と腸内環境について~

免疫力というのは、外敵から身を守る力といえます。外敵とは、細菌、カビ、ウイルスなどのことですが、そうした外敵に対して、免疫機能はどれが外敵なのかを判別し、攻撃したり対処したりします。

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免疫機能は、血液の白血球の成分バランスを調節する自律神経の働きが重要となります。
血液の構成

血液は、

  血漿成分←働き:体内恒常性の維持
  血球成分

からなります。

血球成分は、

  赤血球←働き:酸素の運搬
  血小板←働き:止血
  白血球

からなります。

白血球は、

  顆粒球←働き:貪食・殺菌による感染防御
  リンパ球←働き:免疫応答
  単球←働き:感染防御

からなります。免疫を担当するのは主に白血球です。

免疫力ってどういうこと

顆粒球、リンパ球と自律神経の関係

白血球の顆粒球とリンパ球の割合は刻々と変化し、この割合をコントロールしているのが、自律神経です。

自律神経とは、本人の意思とは関係なく、体の様々な機能を自動的にコントロールしてくれる神経です。体温、脈拍、消化、排泄などがわかりやすいことですが、生物の根幹的な機能を司るのが自律神経です。例外としては、意識にコントロールでき、無意識にもできるのは呼吸です。この自律神経は、交感神経と副交感神経の2つの神経から成ります。この2つの神経には以下の特徴があります。

  交感神経…緊張、戦闘モードの時に働く→顆粒球が増える
  副交感神経…リラックス、まったりモードの時に働く→リンパ球が増える

顆粒球が増え過ぎると、自分の体を攻撃します。また、顆粒球が死ぬ時に活性酸素を出し、がんや糖尿病の原因になると言われています。

リンパ球が増えすぎると、アレルギーを起こしたり、低体温を引き起こし、がんの原因になると言われています。

顆粒球とリンパ球の理想的な割合は顆粒球54~60%、リンパ球35~41%といわれています。顆粒球とリンパ球が増えすぎずに一定の割合を保てれば、免疫機能も正常に働いてくれることになります。それには、自律神経がうまく調節してくれる必要があります。

顆粒球、リンパ球と自律神経の関係原始時代ならば、昼間は野山を駆け回り、狩りなどで傷を負うことも多かったと思いますし、戦闘モードである交感神経が強く働き、顆粒球が多い状態といえると思います。夜間は、電気のない時代であれば暗くて何もできず、日没には床に就き、リラックスモードで副交感神経が働き、リンパ球が多い状態だったのではないでしょうか。

こののバランスは、昼間は活動的、夜間は静かに休息という人間の生活のリズムと自然界のリズムが合っていることが理想に思えます。

交感神経、副交感神経ところが、現代人は、日の出とともに起床し、日没とともに就寝する人はほとんどいないのではないでしょうか。それどころか、夜になっても仕事が続く、朝は起きれない、もしくは寝不足を感じるといったことや昼夜が逆転している場合もあると思います。これが人間の生活のリズムと自然界のリズムにズレを生じさせていることになり、現代人の自律神経の乱れを生じ、それが免疫力の低下を招いている一つの原因に思えます。

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カテゴリー: 免疫力

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