コラム
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投稿日:2022年05月13日
自然農法の参考にさせていただいているYouTube動画
私が今回、体験農園で自然農法を実践してみたいということで、その際、数冊の書籍も参考にしていますが、YouTube動画もかなり参考にさせていただいています。自然農法を実践されていて、YouTube動画として情報発信されている方々を今回、紹介させていただきます。
まず最初に、瀬戸内まいふぁーむの高内実さんのYouTube動画です。
YouTube 瀬戸内まいふぁーむ【自然農チャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCOOGZ3VxgQIiAhHPqZVHwSA
高内さんは、広島や和歌山で、自然農法で生産農家をされている方です。動画内で仰られていることから、この方は愛媛県伊予市の福岡正信さんの農園で修行され、その後、自然農法を長年、実践されている方のようです。
仰られていることが、単なる技術的なことだけではなく、哲学的であったり、私が福岡正信さんの著書から感じたことや私が福岡正信さんの息子さんの田んぼの稲刈りに参加させていただいた時に感じたことに通ずるものを発信されています。
次に、最近、チャンネルを見つけて、今時間がある時はひたすら観ているチャンネルです。山岡亨さんという愛媛県松山市で自然農法を実践されている方で、愛媛自然農塾を主催されている方です。
こちらの方の動画内にも、福岡正信さんのお話もありますが、川口由一さんという自然農法家として有名な方がいらっしゃいますが、川口さんと交流のある方のようです。
動画の内容がとにかく素晴らしいと思います。実践的な自然農法についても細かく丁寧な説明をしてくださっていますし、動画を見ているだけで、いろいろな気づきがあります。
動画の中に、山岡さんも最初に畑を始めたのが、鎌倉の市民農園だったので、ご苦労されたお話をされていて、興味深かったです。
また、ある動画の中で、畑作りには計画というものも必要だが、計画通りにはいかないことが多いので、その都度、臨機応変に動的に変化させていく柔軟性が大切だというお話があり、私の今回の野菜作りにもいえることだと思いますし、人生においても同様のことが言えると痛感します。
YouTube 島の自然農園
https://www.youtube.com/channel/UCExoD6BaC8Pj45SB92iS1Wg
こちらでは、愛媛自然農塾の見学会というものがあるようで、その内、うかがう気マンマンです。
愛媛自然農塾
https://ehime-shizennoh.jimdofree.com/
最後に、兵庫県丹波市で自然農法を実践されている高橋ひでさんのチャンネルです。
YouTube うむ農園 自然栽培チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCMBg_eh8KTznao1hBOIqECA
こちらの方の動画を始めて観たのは、日本の食糧生産、食糧危機についての動画がきっかけでした。自然農法の技術的なことについての動画も参考にさせていただいていますが、高橋さんご自身が都会から丹波市に移住されて、農業に従事されるまでの経緯など、若者が地方に移住して生活していくお話が興味深かったです。
上記以外にも、自然農法を実践されている方々の動画はYouTubeにもたくさんあり、参考にさせていただいています。本もいいですが、動画は映像としてより明確ですし、見ているだけでワクワクしてきます。今後も私の畑作りにも参考にさせていただき、私のブログ記事やコラム記事の中でも、YouTube動画を紹介させていただけたらと思っています。
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瀬戸内まいふぁーむ
まず最初に、瀬戸内まいふぁーむの高内実さんのYouTube動画です。
YouTube 瀬戸内まいふぁーむ【自然農チャンネル】
https://www.youtube.com/channel/UCOOGZ3VxgQIiAhHPqZVHwSA
高内さんは、広島や和歌山で、自然農法で生産農家をされている方です。動画内で仰られていることから、この方は愛媛県伊予市の福岡正信さんの農園で修行され、その後、自然農法を長年、実践されている方のようです。
仰られていることが、単なる技術的なことだけではなく、哲学的であったり、私が福岡正信さんの著書から感じたことや私が福岡正信さんの息子さんの田んぼの稲刈りに参加させていただいた時に感じたことに通ずるものを発信されています。
島の自然農園
次に、最近、チャンネルを見つけて、今時間がある時はひたすら観ているチャンネルです。山岡亨さんという愛媛県松山市で自然農法を実践されている方で、愛媛自然農塾を主催されている方です。
こちらの方の動画内にも、福岡正信さんのお話もありますが、川口由一さんという自然農法家として有名な方がいらっしゃいますが、川口さんと交流のある方のようです。
動画の内容がとにかく素晴らしいと思います。実践的な自然農法についても細かく丁寧な説明をしてくださっていますし、動画を見ているだけで、いろいろな気づきがあります。
動画の中に、山岡さんも最初に畑を始めたのが、鎌倉の市民農園だったので、ご苦労されたお話をされていて、興味深かったです。
また、ある動画の中で、畑作りには計画というものも必要だが、計画通りにはいかないことが多いので、その都度、臨機応変に動的に変化させていく柔軟性が大切だというお話があり、私の今回の野菜作りにもいえることだと思いますし、人生においても同様のことが言えると痛感します。
YouTube 島の自然農園
https://www.youtube.com/channel/UCExoD6BaC8Pj45SB92iS1Wg
こちらでは、愛媛自然農塾の見学会というものがあるようで、その内、うかがう気マンマンです。
愛媛自然農塾
https://ehime-shizennoh.jimdofree.com/
うむ農園 自然栽培チャンネル
最後に、兵庫県丹波市で自然農法を実践されている高橋ひでさんのチャンネルです。
YouTube うむ農園 自然栽培チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCMBg_eh8KTznao1hBOIqECA
こちらの方の動画を始めて観たのは、日本の食糧生産、食糧危機についての動画がきっかけでした。自然農法の技術的なことについての動画も参考にさせていただいていますが、高橋さんご自身が都会から丹波市に移住されて、農業に従事されるまでの経緯など、若者が地方に移住して生活していくお話が興味深かったです。
動画に感謝です
上記以外にも、自然農法を実践されている方々の動画はYouTubeにもたくさんあり、参考にさせていただいています。本もいいですが、動画は映像としてより明確ですし、見ているだけでワクワクしてきます。今後も私の畑作りにも参考にさせていただき、私のブログ記事やコラム記事の中でも、YouTube動画を紹介させていただけたらと思っています。
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カテゴリー: 自然農
投稿日:2022年04月30日
自然農法を求めた旅
今から15年ほど前になりますが、私が自然農法と出会い、それを求めて旅をして、最終的に自宅から意外と近場に辿り着くというお話しになります。
そんな体験もあり、今回の体験農場にもつながった話しとなります。
15年ほど前となると、私が35歳の頃になりますが、私はその頃は、鍼灸師国家資格を目指す鍼灸の専門学校の学生でした。
夏休みに、長野県の山の中で陶芸などの芸術活動をしている叔父さんを訪ねました。叔父さんは、私にとって、ご意見番というか、特に鍼灸師を目指すかどうか、といった時期に、よく訪ねて、人生相談させてもらっていました。
この時、叔父さんの大学時代の同級生の方が長野県松本の山深い集落で暮らされていて、その方を叔父さんと一緒に訪ねてみようということになりました。
その方は、大学で油絵科を卒業され、その後、チベットに渡り、曼荼羅の師匠の元、曼荼羅の画家として修行されたそうです。ご自宅の半分はアトリエになっていて、制作中のかなり大型の曼荼羅などを見せていただきました。
山の中で曼荼羅を描いて、どうやって生活しているのか聞いてみました。曼荼羅を描いてほしい人がいて、その依頼主は何年かかっても構わないから完成するのを待つということで、報酬は一生分の光熱費を支払ってもらうということだと言っていました。
家賃もかからないらしく、その方曰く、現金は必要ないと言いきっていました。
食べる物は目の前の自分の畑で採れるもので良いと言って、畑を見せてくれました。自宅の敷地よりも少し大きい畑がありましたが、野菜もできているけど花は咲き乱れているし、何がどこに植わっているのかがわからない混沌とした畑なのですが、どこか調和が取れていて美しい空間がありました。私がそれまで目にしていた畑とは全く異なるものでした。
私はこの畑についていろいろと質問してみました。その方が福岡正信さんと対談され、その時に意気投合して、福岡さんの影響を受けて、自分でも自然農法の畑を作ってみようと考えたそうです。
私はその時は福岡正信さんを存じ上げず、話しについていけなかったのですが、叔父さんは、納得して二人で話しが盛り上がっていました。
私はその方の現金を必要とせず、好きな時に好きな絵を描き、自立したその姿がかっこ良いばかりでなく、本当の意味で何からも支配されずに自由に生きるとはこういうことなのかと思ったりもしました。
叔父さんの家に帰宅後、叔父さんが私に手渡したのが、「わら一本の革命」という福岡正信さんの著書でした。叔父さんの家にはこの本以外にも数冊、福岡正信さんの著書がありましたが、最初はこれ読んでみたら、ということで、これをきっかけに、私は福岡正信さんの著書を読み漁りました。
福岡正信さんは自然農法家ということではありますが、粘土団子という粘土質の土の中に、相性の良い複数種類の種を混ぜ団子状にし、表面を乾燥させたものを砂漠化してしまった土地などに撒いて緑化するという「現代の花咲か爺さん」と呼ばれていたりもして、海外では緑化の専門家としても知る人は知る存在です。実際に、砂漠を緑化する国家プロジェクトとして、中東やアジアの国々に招かれ、実績があり評価されている方です。
著作の中でも、この粘土団子の話しもありますし、自然農法の実践的な話しもあります。自然農法は、単なる農法の一つというよりは、考え方というか思想が基にあって、その自然農法の思想が現代の世の中では色々な気づきとなるように私は感じました。
自然農法に適した土を完成させるには、時間をかけて土を自然な状態に戻していくような手間がありますが、ある程度、土が完成して、作物が育つようになれば、あとは人間が手を加えることは少なくなるので、福岡正信さんの著書では、半農半Xの実践を推奨していました。それは、日常生活の半分の時間と労力を自然農に使い、もう半分のX(エックス)はそれぞれ個人のやりたい事をしたらいい、という考え方で、これは私が長野県の叔父さんの同級生の曼荼羅の画家の方が実践されていたことに通ずるものを感じました。
それから数ヶ月後、10月の体育の日絡みの連休に、私は福岡正信さんの著書の世界に魅せられ、どうしても愛媛県伊予市にある福岡正信さんの農園を訪ねてみたくなりました。
とはいえ、住所もわかりませんでしたが、著書には愛媛県伊予市と記されていたので、それと、いくつか福岡正信さんの農園の写真が掲載されていて、なんとなくこんな感じの所なのかなぁ、といったことだけで、ただただ閃きに身を任せて出発しました。
愛媛県伊予市に着いてから農園を探すのに、機動力としては、バイクがいいかと思い、東京の有明港からバイクでフェリーに乗って、翌日に徳島県でフェリーを降り、それからバイクで四国を縦断し、愛媛県伊予市に着きました。
伊予市に着いてからは頼るのは野生の勘のみでしたが、著書の写真の感じで何となく、それっぽい山に入っていってみました。そんな方法で目的地にたどり着けるわけもなかったのですが、その日はいくつか山の上のほうまでバイクで駆け上がり、また降りてくるといったことを繰り返していました。
段々、体力的にも疲れてきて、山の中で急なヘアピンのようなカーブでバイクを倒してしまいました。スピードは出てなかったので転倒するということではなく、バイクを倒してしまった感じだったのですが、その時、ギアが1速から上げることができない状態になってしまいました。
仕方がないので、その山の麓にガソリンスタンドがあったことを思い出し、そのガソリンスタンドまで1速のままジリジリと走りました。そのガソリンスタンドではバイクのことはわからないと言われ、数十メートル先の自動車整備工場に行ってみたらどうかということになり、その整備工場を訪ねてみました。
すると、その日は整備工場は休みだったのですが、整備工場の裏がいかにもその整備工場の方の自宅っぽかったので、そちらを訪ねてみると、整備工場の方が出てきてくださり、バイクをみてもらいました。ギアの問題はとりあえず応急処置をしていただき、普通に走れる状態になりました。
その時、整備工場の方が私のバイクのナンバープレートを見て、「所沢って、埼玉県?そんなところから何しに来たの?」と聞かれました。私は福岡正信さんの農園を見てみたくてその農園を探していることを告げました。すると、その整備工場の方は、農園がどこにあるのかは知らないが、福岡正信さんの自宅はこの道をまっすぐ行った突き当たりの家だと教えてくれました。
そんなことがあり、なんとか福岡正信さんのご自宅まで辿り着きました。山の中でバイクを倒さなければ辿り着けなかったかもしれませんでした。
ドキドキのピンポンだったわけですが、出てこられたのは、福岡正信さんの息子さんの奥様でした。著書を読んで、どうしても福岡正信さんの農園を見たいということを伝えましたが、今思っても、かなり反応が悪いというか、迷惑そうでした。確かに、アポなしで突然ですし、失礼なことしているなぁ、と自分でも思ったのですが、そういったこと以上に何か追っ払われるというか、非常に冷たい反応でした。
後でわかったのは、昔から福岡正信さんを担ぎ上げて、ビジネスというか、純粋な目的ではなく、訪ねてくる人達も多かったようで、私もそのように思われたようでした。
奥様からは、福岡正信さんはその時、96歳ということもあり、もう既に農園からも引退していて、その農園は息子さんも引き継いでいなくて誰も入らなくなってから久しく、今はただの山になっている、ということで、案内するようなこともできないので、お帰りください、といった感じでした。
私としては、埼玉県から愛媛県まで無謀な旅をしながらも、なんとか辿り着いて、このまま帰るわけにもいかない、ということで、変なスイッチが入りまして、勝手に自己アピールを始めました。
自分は、鍼灸師を目指して鍼灸の専門学校に通う学生で、福岡正信さんの著書に出会い、その思想に惹かれ、どうしても農園を訪ねてみたいということで、来ました、といったことを話しました。
すると、その奥様が「鍼灸師」というキーワードに反応され、「以前も鍼灸師の人達が農園を訪ねて来たことがあった。」ということを仰り、それから表情から態度まで一転して、私が何か営利目的というか、そういった目的ではなく、純粋な気持ちで訪ねていることを理解していただきました。
それでも、福岡正信さんの農園はもう存在しないから案内はできないが、その時期は10月でしたので、ちょうど稲刈りの時期で、福岡正信さんの息子さんが引き継いでいる田んぼのほうで稲刈りの作業をやっているから、翌日からその作業に加わって、何か感じてもらう、といったことで良ければどうぞ、と言っていただき、翌日、田んぼを訪ねることになりました。
翌日、早朝に田んぼを訪ねると、5人の方々がいて、その方々に加わって、一日稲刈りの作業をさせていただきました。
福岡正信さんの息子さんとも話しをさせていただき、自然農法の田んぼの説明をしていただきました。自然農法の田んぼでは、稲刈り時期は水は引けてますが、稲の根元には、色々な草が生え、様々な生物が生息していて生態系を形成していました。ちょっと離れた別の農家の一般的な田んぼもあって、そちらも見てみましたが、全く生物は見られず、全く別世界でした。
稲刈り作業をさせていただきながら、色々な気づきや感じることがありました。また、そこで一緒に作業した5人の方々とも楽しく一日、過ごさせていただきました。みなさん、鍼灸にも興味があって、色々と私に質問してくれたりもしました。
その日は、実は、もう既に連休が終わっていて、帰りもフェリーに乗るので自宅に着くにも2日ぐらいかかることもあり、完全に鍼灸学校の授業をサボることになっていました。担任の先生にはメールしました。怒られるかと思いましたが、そういったことなら、しっかりやってこい、ということで大目に見てもらいました。
みんなで夕飯をいただき、そこで採れた玄米を炊いて、ご馳走してもらいました。格別に美味しかったです。
みなさん全国から辿り着いていて、私と似た感じで、福岡正信さんの著書を読んだことがきっかけでした。
その中に、ハロルドくんというスイスから来た20歳の若者がいました。彼もドイツ語に翻訳された福岡正信さんの著書を読んで、自然農法に興味を持ち、ギリシャで粘土団子のプロジェクトがあって、それに参加したことがきっかけで、そのプロジェクトで一緒だった日本人の女性が、ハロルドくんを福岡さんのところに連れてきてくれた、と言っていました。彼はここに2ヶ月滞在してから中国に向かうと言っていました。
みなさんに良くしてもらい、本当に楽しくて、みなさんから部屋も空いているし、ずっと滞在したらいいのにと言ってくれたのですが、鍼灸学校のこともあるので、さすがにこれ以上はと思い、帰路につきました。
帰り際に、ハロルドくんが彼をここに連れてきてくれた日本人の友人の電話番号を教えてくれました。その友人も自然農法を実践していると思うし、ぜひ連絡を取って、訪ねてみたらと言ってくれました。
自宅に帰宅後、ハロルドくんに教えてもらった連絡先に早速、電話してみました。
すると、その方は埼玉県日高市という、私の自宅からクルマで1時間ぐらいのところに在住の方でした。電話で話しをすると快く迎えていただけることになり、早速、訪ねてみました。
その方の自宅周辺の畑を見せていただき、自然農法のみならず、粘土団子のプロジェクトのことなど、色々な話しをしてもらいました。その日の最後に、その方の友人のところに行ってみようということになって、うかがったのが、「たねの森」という、自然農法に適した種を作られているところに案内してもらいました。
無農薬・無化学肥料のたねの店 たねの森
最近の通常の化学農法で使われている種は、F1種といい、1代だけで、種が取れない品種となります。本来の種ならば、野菜であれば、採れた野菜から種を採取して、いくらでも増やしていけるものです。そういった本来の種のことを固定種と言いますが、たねの森では、その固定種の種を作っています。
そこでは、畑も広大で、私のような素人でも畑の作業に参加して良いということになり、それから頻繁に通うことになりました。鍼灸学校が夏休みの時は、ほぼ毎日のように通っていました。
私は当時、鍼灸関係の本で、ある鍼灸師に弟子入りすると、それから毎日、畑仕事をさせられる、という話しを読んでいました。私はその時、畑仕事は一見、鍼灸とは関係なさそうだが、考え方などが通ずることがありそうだと思いました。また、自然界にどっぷり浸かることで、五感を通して感覚を磨くようなことができるのではないか、という私の個人的な感覚があり、そんなこともあって、積極的に畑にお邪魔していました。
こんな経緯があり、長野から始まり、愛媛を訪ね、最後に埼玉県日高に辿り着くといった旅でしたが、先月から体験農園が始まったことで、思い返してしまいました。
今回の体験農園も、たねの森の種で始められることになっていますので、種は間違いないので、しっかり畑を作っていきたいと思います。
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そんな体験もあり、今回の体験農場にもつながった話しとなります。
まずは叔父さんのところからスタート
15年ほど前となると、私が35歳の頃になりますが、私はその頃は、鍼灸師国家資格を目指す鍼灸の専門学校の学生でした。
夏休みに、長野県の山の中で陶芸などの芸術活動をしている叔父さんを訪ねました。叔父さんは、私にとって、ご意見番というか、特に鍼灸師を目指すかどうか、といった時期に、よく訪ねて、人生相談させてもらっていました。
この時、叔父さんの大学時代の同級生の方が長野県松本の山深い集落で暮らされていて、その方を叔父さんと一緒に訪ねてみようということになりました。
叔父さんの同級生を訪ねる
その方は、大学で油絵科を卒業され、その後、チベットに渡り、曼荼羅の師匠の元、曼荼羅の画家として修行されたそうです。ご自宅の半分はアトリエになっていて、制作中のかなり大型の曼荼羅などを見せていただきました。
山の中で曼荼羅を描いて、どうやって生活しているのか聞いてみました。曼荼羅を描いてほしい人がいて、その依頼主は何年かかっても構わないから完成するのを待つということで、報酬は一生分の光熱費を支払ってもらうということだと言っていました。
家賃もかからないらしく、その方曰く、現金は必要ないと言いきっていました。
食べる物は目の前の自分の畑で採れるもので良いと言って、畑を見せてくれました。自宅の敷地よりも少し大きい畑がありましたが、野菜もできているけど花は咲き乱れているし、何がどこに植わっているのかがわからない混沌とした畑なのですが、どこか調和が取れていて美しい空間がありました。私がそれまで目にしていた畑とは全く異なるものでした。
私はこの畑についていろいろと質問してみました。その方が福岡正信さんと対談され、その時に意気投合して、福岡さんの影響を受けて、自分でも自然農法の畑を作ってみようと考えたそうです。
私はその時は福岡正信さんを存じ上げず、話しについていけなかったのですが、叔父さんは、納得して二人で話しが盛り上がっていました。
私はその方の現金を必要とせず、好きな時に好きな絵を描き、自立したその姿がかっこ良いばかりでなく、本当の意味で何からも支配されずに自由に生きるとはこういうことなのかと思ったりもしました。
福岡正信さんの著書と出会う
叔父さんの家に帰宅後、叔父さんが私に手渡したのが、「わら一本の革命」という福岡正信さんの著書でした。叔父さんの家にはこの本以外にも数冊、福岡正信さんの著書がありましたが、最初はこれ読んでみたら、ということで、これをきっかけに、私は福岡正信さんの著書を読み漁りました。
福岡正信さんは自然農法家ということではありますが、粘土団子という粘土質の土の中に、相性の良い複数種類の種を混ぜ団子状にし、表面を乾燥させたものを砂漠化してしまった土地などに撒いて緑化するという「現代の花咲か爺さん」と呼ばれていたりもして、海外では緑化の専門家としても知る人は知る存在です。実際に、砂漠を緑化する国家プロジェクトとして、中東やアジアの国々に招かれ、実績があり評価されている方です。
著作の中でも、この粘土団子の話しもありますし、自然農法の実践的な話しもあります。自然農法は、単なる農法の一つというよりは、考え方というか思想が基にあって、その自然農法の思想が現代の世の中では色々な気づきとなるように私は感じました。
自然農法に適した土を完成させるには、時間をかけて土を自然な状態に戻していくような手間がありますが、ある程度、土が完成して、作物が育つようになれば、あとは人間が手を加えることは少なくなるので、福岡正信さんの著書では、半農半Xの実践を推奨していました。それは、日常生活の半分の時間と労力を自然農に使い、もう半分のX(エックス)はそれぞれ個人のやりたい事をしたらいい、という考え方で、これは私が長野県の叔父さんの同級生の曼荼羅の画家の方が実践されていたことに通ずるものを感じました。
愛媛県伊予市を目指す
それから数ヶ月後、10月の体育の日絡みの連休に、私は福岡正信さんの著書の世界に魅せられ、どうしても愛媛県伊予市にある福岡正信さんの農園を訪ねてみたくなりました。
とはいえ、住所もわかりませんでしたが、著書には愛媛県伊予市と記されていたので、それと、いくつか福岡正信さんの農園の写真が掲載されていて、なんとなくこんな感じの所なのかなぁ、といったことだけで、ただただ閃きに身を任せて出発しました。
愛媛県伊予市に着いてから農園を探すのに、機動力としては、バイクがいいかと思い、東京の有明港からバイクでフェリーに乗って、翌日に徳島県でフェリーを降り、それからバイクで四国を縦断し、愛媛県伊予市に着きました。
山でコケる
伊予市に着いてからは頼るのは野生の勘のみでしたが、著書の写真の感じで何となく、それっぽい山に入っていってみました。そんな方法で目的地にたどり着けるわけもなかったのですが、その日はいくつか山の上のほうまでバイクで駆け上がり、また降りてくるといったことを繰り返していました。
段々、体力的にも疲れてきて、山の中で急なヘアピンのようなカーブでバイクを倒してしまいました。スピードは出てなかったので転倒するということではなく、バイクを倒してしまった感じだったのですが、その時、ギアが1速から上げることができない状態になってしまいました。
仕方がないので、その山の麓にガソリンスタンドがあったことを思い出し、そのガソリンスタンドまで1速のままジリジリと走りました。そのガソリンスタンドではバイクのことはわからないと言われ、数十メートル先の自動車整備工場に行ってみたらどうかということになり、その整備工場を訪ねてみました。
すると、その日は整備工場は休みだったのですが、整備工場の裏がいかにもその整備工場の方の自宅っぽかったので、そちらを訪ねてみると、整備工場の方が出てきてくださり、バイクをみてもらいました。ギアの問題はとりあえず応急処置をしていただき、普通に走れる状態になりました。
その時、整備工場の方が私のバイクのナンバープレートを見て、「所沢って、埼玉県?そんなところから何しに来たの?」と聞かれました。私は福岡正信さんの農園を見てみたくてその農園を探していることを告げました。すると、その整備工場の方は、農園がどこにあるのかは知らないが、福岡正信さんの自宅はこの道をまっすぐ行った突き当たりの家だと教えてくれました。
ご自宅に辿り着くものの…
そんなことがあり、なんとか福岡正信さんのご自宅まで辿り着きました。山の中でバイクを倒さなければ辿り着けなかったかもしれませんでした。
ドキドキのピンポンだったわけですが、出てこられたのは、福岡正信さんの息子さんの奥様でした。著書を読んで、どうしても福岡正信さんの農園を見たいということを伝えましたが、今思っても、かなり反応が悪いというか、迷惑そうでした。確かに、アポなしで突然ですし、失礼なことしているなぁ、と自分でも思ったのですが、そういったこと以上に何か追っ払われるというか、非常に冷たい反応でした。
後でわかったのは、昔から福岡正信さんを担ぎ上げて、ビジネスというか、純粋な目的ではなく、訪ねてくる人達も多かったようで、私もそのように思われたようでした。
奥様からは、福岡正信さんはその時、96歳ということもあり、もう既に農園からも引退していて、その農園は息子さんも引き継いでいなくて誰も入らなくなってから久しく、今はただの山になっている、ということで、案内するようなこともできないので、お帰りください、といった感じでした。
勝手に自己アピール
私としては、埼玉県から愛媛県まで無謀な旅をしながらも、なんとか辿り着いて、このまま帰るわけにもいかない、ということで、変なスイッチが入りまして、勝手に自己アピールを始めました。
自分は、鍼灸師を目指して鍼灸の専門学校に通う学生で、福岡正信さんの著書に出会い、その思想に惹かれ、どうしても農園を訪ねてみたいということで、来ました、といったことを話しました。
すると、その奥様が「鍼灸師」というキーワードに反応され、「以前も鍼灸師の人達が農園を訪ねて来たことがあった。」ということを仰り、それから表情から態度まで一転して、私が何か営利目的というか、そういった目的ではなく、純粋な気持ちで訪ねていることを理解していただきました。
それでも、福岡正信さんの農園はもう存在しないから案内はできないが、その時期は10月でしたので、ちょうど稲刈りの時期で、福岡正信さんの息子さんが引き継いでいる田んぼのほうで稲刈りの作業をやっているから、翌日からその作業に加わって、何か感じてもらう、といったことで良ければどうぞ、と言っていただき、翌日、田んぼを訪ねることになりました。
稲刈りに参加
翌日、早朝に田んぼを訪ねると、5人の方々がいて、その方々に加わって、一日稲刈りの作業をさせていただきました。
福岡正信さんの息子さんとも話しをさせていただき、自然農法の田んぼの説明をしていただきました。自然農法の田んぼでは、稲刈り時期は水は引けてますが、稲の根元には、色々な草が生え、様々な生物が生息していて生態系を形成していました。ちょっと離れた別の農家の一般的な田んぼもあって、そちらも見てみましたが、全く生物は見られず、全く別世界でした。
稲刈り作業をさせていただきながら、色々な気づきや感じることがありました。また、そこで一緒に作業した5人の方々とも楽しく一日、過ごさせていただきました。みなさん、鍼灸にも興味があって、色々と私に質問してくれたりもしました。
その日は、実は、もう既に連休が終わっていて、帰りもフェリーに乗るので自宅に着くにも2日ぐらいかかることもあり、完全に鍼灸学校の授業をサボることになっていました。担任の先生にはメールしました。怒られるかと思いましたが、そういったことなら、しっかりやってこい、ということで大目に見てもらいました。
みんなで夕飯をいただき、そこで採れた玄米を炊いて、ご馳走してもらいました。格別に美味しかったです。
みなさん全国から辿り着いていて、私と似た感じで、福岡正信さんの著書を読んだことがきっかけでした。
その中に、ハロルドくんというスイスから来た20歳の若者がいました。彼もドイツ語に翻訳された福岡正信さんの著書を読んで、自然農法に興味を持ち、ギリシャで粘土団子のプロジェクトがあって、それに参加したことがきっかけで、そのプロジェクトで一緒だった日本人の女性が、ハロルドくんを福岡さんのところに連れてきてくれた、と言っていました。彼はここに2ヶ月滞在してから中国に向かうと言っていました。
みなさんに良くしてもらい、本当に楽しくて、みなさんから部屋も空いているし、ずっと滞在したらいいのにと言ってくれたのですが、鍼灸学校のこともあるので、さすがにこれ以上はと思い、帰路につきました。
ハロルドくんが教えてくれた連絡先
帰り際に、ハロルドくんが彼をここに連れてきてくれた日本人の友人の電話番号を教えてくれました。その友人も自然農法を実践していると思うし、ぜひ連絡を取って、訪ねてみたらと言ってくれました。
自宅に帰宅後、ハロルドくんに教えてもらった連絡先に早速、電話してみました。
意外と近場に辿り着く
すると、その方は埼玉県日高市という、私の自宅からクルマで1時間ぐらいのところに在住の方でした。電話で話しをすると快く迎えていただけることになり、早速、訪ねてみました。
その方の自宅周辺の畑を見せていただき、自然農法のみならず、粘土団子のプロジェクトのことなど、色々な話しをしてもらいました。その日の最後に、その方の友人のところに行ってみようということになって、うかがったのが、「たねの森」という、自然農法に適した種を作られているところに案内してもらいました。
無農薬・無化学肥料のたねの店 たねの森
最近の通常の化学農法で使われている種は、F1種といい、1代だけで、種が取れない品種となります。本来の種ならば、野菜であれば、採れた野菜から種を採取して、いくらでも増やしていけるものです。そういった本来の種のことを固定種と言いますが、たねの森では、その固定種の種を作っています。
そこでは、畑も広大で、私のような素人でも畑の作業に参加して良いということになり、それから頻繁に通うことになりました。鍼灸学校が夏休みの時は、ほぼ毎日のように通っていました。
私は当時、鍼灸関係の本で、ある鍼灸師に弟子入りすると、それから毎日、畑仕事をさせられる、という話しを読んでいました。私はその時、畑仕事は一見、鍼灸とは関係なさそうだが、考え方などが通ずることがありそうだと思いました。また、自然界にどっぷり浸かることで、五感を通して感覚を磨くようなことができるのではないか、という私の個人的な感覚があり、そんなこともあって、積極的に畑にお邪魔していました。
こんな経緯があり、長野から始まり、愛媛を訪ね、最後に埼玉県日高に辿り着くといった旅でしたが、先月から体験農園が始まったことで、思い返してしまいました。
今回の体験農園も、たねの森の種で始められることになっていますので、種は間違いないので、しっかり畑を作っていきたいと思います。
たねの森の風景
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カテゴリー: 自然農
投稿日:2022年04月20日
体験農園で試してみたいこと
今年3月から市営の体験農園を借りれることになり、作業を始めています。
私個人的には、この体験農園で試してみたいことがあり、それは、自然農法で野菜を作るということです。
私は農法について語れるほどではありませんが、あえて素人なりに説明させていただきます。
私個人的には、この体験農園で試してみたいことがあり、それは、自然農法で野菜を作るということです。
私は農法について語れるほどではありませんが、あえて素人なりに説明させていただきます。
農法には大きく分けて、3つの農法があると思います。
1つ目は、化学農法です。世の中のほとんどの畑や田んぼで行われている農法です。これは、化学肥料、農薬、除草剤といったものを使います。トラクターや草刈機など機材を積極的に使います。
野菜や米は、ちょっと言い方が悪いかもしれませんが、化学肥料の栄養分を吸い上げて育つ、というイメージかと思います。
また、畑を耕します。土と化学肥料を混ぜて耕し、多くの場合、単一の作物を大量に栽培する方法です。にんじんなら、一帯をにんじんのみ栽培するといった形です。このようなある意味、人間の都合で大量生産するような農法の場合、その不自然さから、害虫が多く発生することがあり、その害虫を農薬で殺し、害虫のみならず、益虫までも殺し、畑には虫だけでなく、本来土壌を豊かなものにする微生物までも殺し、生物がいない畑から作物を作る、というなんだか不自然極まりないのが化学農法といえます。
お気づきかと思いますが、これは、収穫できた作物の質はさておき、効率というか、ビジネスとしては優秀な点があるようです。日本の場合、農協の農法ともいえるかと思います。
次に、2つ目は、有機農法です。これは、1つ目の化学農法の化学肥料、農薬、除草剤といった化学物質を使わずに、それらにとって代わるものを自然素材のものを使う、という農法といえるかと思います。
つまり、畑は耕しますが、肥料には、落ち葉を発酵させたものや家畜の糞を使ったり、農薬の代わりに酢と柑橘系のエキスを混ぜたものを使ったり、といった農法です。
これは、もちろん化学農法よりは遥かに人間の体や地球環境にも良いと思いますが、私個人的には生意気な言い方になってしまいますが、少し物足りないというか、ある面では化学農法に近い気がします。
3つ目は、自然農法となります。私個人的な考えですが、これは単なる農法というよりは思想的なことも含まれていると思います。人間都合で作物を作るのではなく、自然界のおこぼれを人間がいただく、といった謙虚な思想があると私は思います。
従って、効率とか利益とかそういったことが優先されるわけではなく、また人間が自然を征服する、といったことではなく、自然界と人間がうまく折り合いをつけて、持続可能で無理のない形を目指すものであると私は思います。
具体的には、耕さず、雑草といわれる草も草の部分は草刈りをしたとしても根っこは抜かず、その雑草の根っこが伸びていくことで畑を耕し、根っこに付いている菌が土の中の微生物を豊かにし、それを求めてミミズ、蜘蛛といった益虫がやってきて、畑の中に一つの生態系を生み出すイメージです。
また、栽培する野菜による組み合わせによって、害虫を寄せ付けないといったことや野菜同士お互いの根っこを通して栄養を交換したり、といったバンカープランツ、コンパニオンプランツといった栽培方法があります。また、種蒔きは新月の時期が良いとされたり、苗を受けるのは満月以降が良いといった、天体の運行までも考慮する農法です。
「農薬を使わないということであれば、害虫が出たらどうするか。」
ということになりますが、本当に土壌の質が高く、自然農法に的した環境であれば、不自然に害虫が湧いて、作物がやられてしまう、といったことはないようです。
害虫がいても、その害虫を食べる昆虫がいたり、多少野菜も食べられたとしてもそれは、虫が食べる分であって、残った収穫できた分を人間がいただく、といった姿勢のようです。農薬に頼る人からすれば、信じられないようなことなのかもしれません。
自然農法の究極的な形は、人間は何も特別なことはせず、ただ種を蒔けばいい、といったことのようですが、その状態というのは、何年も何十年も自然農法を続けて土壌が自然農法に適したものにならないと無理なようです。江戸時代の土壌であれば、理想に近い土壌は多くあったのかもしれませんが、現代の土壌は、畑や田んぼは化学肥料と農薬漬けで微生物は壊滅していて、とても種を蒔いただけでは作物は育ちません。
そのようなある意味、化学物質によって土壌が汚染されているという話しとは別に、全く手付かずの山の土壌といったものは、酸性が強く、野菜などの作物には適さない土壌だそうです。そのような山の土壌を開墾して、自然農法を始めても最初の数年はまともな作物は育たないようですが、3年、5年、10年と続けていくうちに、土壌がアルカリ性になっていき、自然農法で立派な作物が育つようになるそうです。これは、ある意味、山の土壌を作物を作るために人間都合で土壌を畑の土壌に変えてしまった、ともいえ、これすらも環境破壊である、と仰る自然農法家の方もいらっしゃいます。そういった意味でも、自然界と人間が折り合いをつけて、共存していく、といったことなのかもしれません。
思うがまま、農法について書かせていただきましたが、気づかれる方もいらっしゃるかと思いますが、この化学農法と自然農法というのは、西洋医学と東洋医学の考え方の違いに通ずるものがあると私は思います。
悪いところを叩く、症状を消す、といった西洋医学のやり方は、種を蒔いただけでは作物が育たないのなら化学肥料を入れればいい、害虫被害があるなら殺虫剤、雑草がうっとうしければ除草剤、といったことと似ていませんか。
対して、自然農法の究極的な形として、種を蒔けば、それだけでいい、という話しは、東洋医学の本来、人間には自己を治癒する力があり、その自然治癒力がうまく機能する身体を作るために、鍼や灸、漢方薬がある、という思想に通ずるものがあると考えるのは、私の戯言でしかないのでしょうか。
そんな訳で、今回、市営の体験農場といった限定的な小規模な畑ではありますが、私としては、自然農法を試してみてたくさん失敗もして、勉強してみたいと思っています。体験農場は、市が化学肥料をふんだんに混ぜ込んだ土壌をトラクターで耕していただいているようですし、除草剤も使われているせいか、土の臭いを嗅いでも何も臭いがありません。土壌の質が高ければ、軽く発酵したような臭いがするそうです。
そのような訳で、まずは、土壌改善から始めていこうと考えていますが、なかなか難しいと思います。特に1年目は全く野菜が育たないといった結果もありえるほど、難しいと思いますが、困難にめげずに、楽しんでいきたいと思います!ごちゃごちゃ言ってないで、始めてみます!
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化学農法とは
1つ目は、化学農法です。世の中のほとんどの畑や田んぼで行われている農法です。これは、化学肥料、農薬、除草剤といったものを使います。トラクターや草刈機など機材を積極的に使います。
野菜や米は、ちょっと言い方が悪いかもしれませんが、化学肥料の栄養分を吸い上げて育つ、というイメージかと思います。
また、畑を耕します。土と化学肥料を混ぜて耕し、多くの場合、単一の作物を大量に栽培する方法です。にんじんなら、一帯をにんじんのみ栽培するといった形です。このようなある意味、人間の都合で大量生産するような農法の場合、その不自然さから、害虫が多く発生することがあり、その害虫を農薬で殺し、害虫のみならず、益虫までも殺し、畑には虫だけでなく、本来土壌を豊かなものにする微生物までも殺し、生物がいない畑から作物を作る、というなんだか不自然極まりないのが化学農法といえます。
お気づきかと思いますが、これは、収穫できた作物の質はさておき、効率というか、ビジネスとしては優秀な点があるようです。日本の場合、農協の農法ともいえるかと思います。
有機農法とは
次に、2つ目は、有機農法です。これは、1つ目の化学農法の化学肥料、農薬、除草剤といった化学物質を使わずに、それらにとって代わるものを自然素材のものを使う、という農法といえるかと思います。
つまり、畑は耕しますが、肥料には、落ち葉を発酵させたものや家畜の糞を使ったり、農薬の代わりに酢と柑橘系のエキスを混ぜたものを使ったり、といった農法です。
これは、もちろん化学農法よりは遥かに人間の体や地球環境にも良いと思いますが、私個人的には生意気な言い方になってしまいますが、少し物足りないというか、ある面では化学農法に近い気がします。
自然農法とは
3つ目は、自然農法となります。私個人的な考えですが、これは単なる農法というよりは思想的なことも含まれていると思います。人間都合で作物を作るのではなく、自然界のおこぼれを人間がいただく、といった謙虚な思想があると私は思います。
従って、効率とか利益とかそういったことが優先されるわけではなく、また人間が自然を征服する、といったことではなく、自然界と人間がうまく折り合いをつけて、持続可能で無理のない形を目指すものであると私は思います。
具体的には、耕さず、雑草といわれる草も草の部分は草刈りをしたとしても根っこは抜かず、その雑草の根っこが伸びていくことで畑を耕し、根っこに付いている菌が土の中の微生物を豊かにし、それを求めてミミズ、蜘蛛といった益虫がやってきて、畑の中に一つの生態系を生み出すイメージです。
また、栽培する野菜による組み合わせによって、害虫を寄せ付けないといったことや野菜同士お互いの根っこを通して栄養を交換したり、といったバンカープランツ、コンパニオンプランツといった栽培方法があります。また、種蒔きは新月の時期が良いとされたり、苗を受けるのは満月以降が良いといった、天体の運行までも考慮する農法です。
「農薬を使わないということであれば、害虫が出たらどうするか。」
ということになりますが、本当に土壌の質が高く、自然農法に的した環境であれば、不自然に害虫が湧いて、作物がやられてしまう、といったことはないようです。
害虫がいても、その害虫を食べる昆虫がいたり、多少野菜も食べられたとしてもそれは、虫が食べる分であって、残った収穫できた分を人間がいただく、といった姿勢のようです。農薬に頼る人からすれば、信じられないようなことなのかもしれません。
自然農法の究極的な形は、人間は何も特別なことはせず、ただ種を蒔けばいい、といったことのようですが、その状態というのは、何年も何十年も自然農法を続けて土壌が自然農法に適したものにならないと無理なようです。江戸時代の土壌であれば、理想に近い土壌は多くあったのかもしれませんが、現代の土壌は、畑や田んぼは化学肥料と農薬漬けで微生物は壊滅していて、とても種を蒔いただけでは作物は育ちません。
そのようなある意味、化学物質によって土壌が汚染されているという話しとは別に、全く手付かずの山の土壌といったものは、酸性が強く、野菜などの作物には適さない土壌だそうです。そのような山の土壌を開墾して、自然農法を始めても最初の数年はまともな作物は育たないようですが、3年、5年、10年と続けていくうちに、土壌がアルカリ性になっていき、自然農法で立派な作物が育つようになるそうです。これは、ある意味、山の土壌を作物を作るために人間都合で土壌を畑の土壌に変えてしまった、ともいえ、これすらも環境破壊である、と仰る自然農法家の方もいらっしゃいます。そういった意味でも、自然界と人間が折り合いをつけて、共存していく、といったことなのかもしれません。
化学農法と自然農法、西洋医学と東洋医学
思うがまま、農法について書かせていただきましたが、気づかれる方もいらっしゃるかと思いますが、この化学農法と自然農法というのは、西洋医学と東洋医学の考え方の違いに通ずるものがあると私は思います。
悪いところを叩く、症状を消す、といった西洋医学のやり方は、種を蒔いただけでは作物が育たないのなら化学肥料を入れればいい、害虫被害があるなら殺虫剤、雑草がうっとうしければ除草剤、といったことと似ていませんか。
対して、自然農法の究極的な形として、種を蒔けば、それだけでいい、という話しは、東洋医学の本来、人間には自己を治癒する力があり、その自然治癒力がうまく機能する身体を作るために、鍼や灸、漢方薬がある、という思想に通ずるものがあると考えるのは、私の戯言でしかないのでしょうか。
とにかく、始めてみます
そんな訳で、今回、市営の体験農場といった限定的な小規模な畑ではありますが、私としては、自然農法を試してみてたくさん失敗もして、勉強してみたいと思っています。体験農場は、市が化学肥料をふんだんに混ぜ込んだ土壌をトラクターで耕していただいているようですし、除草剤も使われているせいか、土の臭いを嗅いでも何も臭いがありません。土壌の質が高ければ、軽く発酵したような臭いがするそうです。
そのような訳で、まずは、土壌改善から始めていこうと考えていますが、なかなか難しいと思います。特に1年目は全く野菜が育たないといった結果もありえるほど、難しいと思いますが、困難にめげずに、楽しんでいきたいと思います!ごちゃごちゃ言ってないで、始めてみます!
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カテゴリー: 自然農