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鍼治療例

私が今まで診させていただいた患者さんの症例をご紹介させていただいております。

患者さんがどのような症状で来院され、私がどのように患者さんの状態を見極め、どのような鍼治療をどのぐらいの期間、頻度で鍼治療を行ったのか、その結果、患者さんの最初の症状などがどう変化したのかをご紹介させていただいております。

ご自身の症状などと比べて、参考にしていただけたらと思います。


腰痛
性別 男性
年齢 20歳代
最もお困りの症状 腰痛
その他の症状 首と肩のコリ

初診時の症状、体質
腰痛は2~3年前から。第1腰椎付近が痛む。特に右が痛む。臀部や足への痺れ、痛みなどの症状はない。仕事はイスに座りっぱなしのことが多いので、夕方以降、腰がつらくなってくる。

首と肩が痛みというほどではないが、コリがある。頭痛も時々ある。体は疲れやすい。

診察
腰部は第1腰椎第4~5腰椎仙骨部にはっきりとした硬さがあります。特に、右第4~5腰椎の硬さは連なります。

この部位は腰椎と骨盤との境目であり、どんな患者さんでも負担がかかっている部位であり、体の土台ともいえる部位ですので、腰部に限らず全身に影響を与えます。

腰部の硬さによって、体の土台のバランスが崩れ、それが肩や首のコリの原因にも思えます。

治療内容
体の土台を正すには、まずは腰部と骨盤の仙骨部を中心に、その深部を鍼で緩めていく必要があります。腰部の深部が緩んでくると、腰部の硬さによって圧迫された神経が開放され、腰痛も緩和され、消失していくと考えます。

体の土台が整ってくれば、その上に立つ脊柱は自然とその患者さんにとって最適な状態に戻っていくはずです。それにより、首と肩のコリも徐々に緩んでくると考えます。脊柱が自然な形に戻ると、体全体の体調も整ってくるはずです。

腰痛の治療ポイント

経過
頸部肩部肩甲骨内側の硬さや張りを鍼によって緩めながら、最も重視したのは、第1腰椎第4~5腰椎仙骨部でした。

鍼は実際には、「硬結(こうけつ)」と呼ばれる硬いものに当たります。この硬結に鍼を当て、硬結が緩むように鍼を操作します。特に硬い硬結には時間をかけて、硬結が変化してくるまで、じっくりと時には根気強く、鍼の操作に集中します。

このような治療を繰り返していく内に、この患者さんの場合、週に1回の治療で1ヶ月後には腰痛はほぼなくなりました。それと、腰が楽になるにつれ、便通が以前よりも良くなったと仰っていました。

この時期には、ご本人はかなり腰が楽になったということもありましたが、私としては、もう少し腰部が緩んで、それが全身に良い影響が波及していくまで、治療を続けられたほうがいいかということは、ご本人に伝えていました。

お仕事の関係もあり、通院は一時中断し、その3ヵ月後に来院されました。

その時は、腰の症状がぶりかえすことはありませんでしたが、仕事もお忙しく、かなり疲れが残っている状態でした。

その後は10日~2週間に1回の治療を2ヶ月継続され、腰の痛みをはじめ、腰のつらさといった症状もなくなりました。また、首や肩のコリやつらさもほとんど気にならなくなり、首や肩がつらい時でも1回の鍼治療でつらさが取れてしまうほど、軽度のものになりました。

治療期間: 3ヶ月
腰の痛みがなくなる…初診から1ヶ月
腰のつらさ、違和感がなくなる…初診から6ヶ月(初診から1ヶ月後から3ヶ月間中断)

治療間隔
初診~1ヶ月…週に1回
2ヶ月~4ヶ月…治療中断
5ヶ月~6ヶ月…10日~2週間に1回

患者さんご自身が感じられた変化
鍼治療を開始して初回後すぐから腰の痛みがだいぶとれて、3回目の治療の時には背中と腰に違和感が少し残る程度となり、腰痛が楽になる実感が早い時期からありました。それに便通が良くなったことにも驚きました。

治療のほうは初診の1ヶ月後には腰痛がだいぶ楽になっていたので、仕事の関係もあり、3ヶ月ほど中断する形になってしまいました。中断せずに継続できていれば、もっと早く良い状態になったかと思いましたが、残業が続き仕事帰りに治療にうかがうことができず、3ヶ月が過ぎてしまいました。

その3ヶ月間は、以前のような腰痛が再発することはなかったのですが、仕事中に座っている時間が長く、夕方に腰がつらくなってくることはありました。

治療を再開してからは、腰のつらさや違和感がなくなってきて、腰の症状で悩まされることがなくなりました。

考察
初診当初は、腰部の特に右の第4~5腰椎付近に硬さが連なり、左右でかなり偏った状態の印象がありましたが、治療をする度に変化がみられ、それに従って腰の痛み、張り、違和感といった症状がなくなってきました。

また、便通が良くなったということがありましたが、これは腰痛を抱える患者さんに多くみられます。腰部には、大腸、小腸、胃、膵臓といった消化器系の臓器と関係しているツボがありますので、消化器系の機能が活性化し、溜め込んでいた老廃物を外に出す力が高まったといえると思います。

途中で治療を中断されたこともあり、中断がなければもっと早くに腰痛が解消されたかもしれませんが、それぞれの患者さんには色々な都合があり、治療のペースも様々ですので、こちらは最善を尽くして治療にあたらせていただけたらと思っています。

カテゴリー:腰痛

診療日時
月・木・金:10時半〜18時半
(最終診療開始時間:17時)
土・日:10時半〜19時半
(最終診療開始時間:18時)

休診日
火・水
火・水以外の祝日は診療日となります。

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