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鍼治療例

私が今まで診させていただいた患者さんの症例をご紹介させていただいております。

患者さんがどのような症状で来院され、私がどのように患者さんの状態を見極め、どのような鍼治療をどのぐらいの期間、頻度で鍼治療を行ったのか、その結果、患者さんの最初の症状などがどう変化したのかをご紹介させていただいております。

ご自身の症状などと比べて、参考にしていただけたらと思います。


腰痛
性別 女性
年齢 40歳代
最もお困りの症状 腰痛
その他の症状 首痛、肩こり、冷え性、生理痛、副鼻腔炎、胃痛、こむら返り、眼精疲労
初診時の症状、体質
今年3月下旬にギックリ腰のような痛みがあり、寝返りがうてないほどだった。その時は、整形外科で気功を受け、回復した。

今はデスクワーク中に椅子に座っている時間が長いと腰がつらい。

腰部は左が痛み、骨盤部は左右ともにつらさがある。右太ももの外側にかけてもつらさがある。腰と連動して、腰がつらい時に股関節も危うさがある。

首・肩のつらさは以前からあり、右肩は五十肩のような手の挙がりにくさがあった。

下半身が冷え、生理痛がある。20歳代後半、バセドウ氏病があったが、40歳代からは安定している。

胃の痛みや不快感、頭痛、こむら返り、眼精疲労といった症状も時々ある。

診察
お体全体の印象としては、頸部肩部肩甲骨内側第1腰椎第4~5腰椎仙骨部の硬さが顕著であり、このような硬さが滞りとなり、全身の気、血液、神経の流れを阻害していて停滞していることが、諸症状の原因といえます。

治療内容
まずは、腰部を中心に深部を鍼によってほぐしていき、腰痛の解消を目指します。その後、その他の症状を意識した治療を行います。

腰痛 治療ポイント


経過
初診後、比較的早い段階から、腰の痛みがとれてきて腰が楽になったという変化がありました。しかし、その後しばらくは、腰、股関節、大腿の外側などが重く感じたり、動きがぎこちなかったり、突っ張った感覚があったりしましたが、徐々にそのような症状も改善されてきていると思います。

ただし、腰部は負担がかかりやすく、疲労が溜まるにしたがい、コリなどがでやすいこともありますので、今後も腰部、仙骨部臀部といった腰周りの柔軟性を高めていけるように治療を進めていきたいと考えております。

この患者さんの腰部の特徴としては、第1腰椎付近に三焦兪、第4腰椎付近に大腸兪というツボがありますが、この2つのツボに鍼が当たると治療開始時はかなりコツコツとした鍼の感触があり、かなりの硬さを感じていましたが、3ヵ月後には、特に三焦兪の当たりはそれほどはっきりとした硬さではなくなってきました。

左の三焦兪からは、6月20日に瘀血(おけつ)と呼ばれる静脈に入って回収されない体の奥に漂っている血液が外に出てきたことも硬さがとれてきたことに関連していると思います。

また、腰部では、治療開始当初は三焦兪が最も目立ったポイントでしたが、最近になっては、大腸兪、仙骨部臀部とやや下方の硬さを緩めることにポイントが移ってきています。

肩部肩甲骨内側についてですが、治療開始時は、かなりの硬さがみられ、鍼から伝わってくる感触としても、非常に重く、硬さが緩んでくるまでにかなり時間がかかる印象がありました。

それが2ヶ月後には、私の感覚としては、肩部から肩甲骨にかけて、鍼が硬い所にコツコツと当たる感触がなくなってきて、それと共に、患者さんご自身の肩周辺のつらさも和らいできているように思えます。

胃の痛みや不快感、頭痛、こむら返り、眼精疲労、といった症状も見え隠れしていますが、治療開始当初から比べると軽度になってきていると感じます。

また、飛行機に乗られた時に感じられていた耳と体全体の痛みがあるということでしたが、今のところ消えているということも、お体の要所の硬さがほぐれてきたことで、気、血液、神経といった流れが以前よりも滞りなく巡ってきていることと関連があると思います。

今後もこの患者さんのお体のポイントである頸部肩部肩甲骨内側第1腰椎付近、第4腰椎付近、仙骨部臀部の硬さを緩めていく治療を進めていきたいと考えております。特に、頸部と腰部から下がメインになると思います。

腰~臀部にかけてのコリ、副鼻腔炎による鼻炎、アレルギー反応、頭痛といった症状の改善、消失を目標としつつ、お体全体の循環を高めていくことを目指すことで、疲れにくく、また疲労が残りにくいお体の状態を実現できるよう、治療を継続していただけたらと思っております。

治療期間: 初診日~現在…6ヶ月間
治療間隔: 週1回

患者さんご自身が感じられた変化
昔から身体が硬く、全身カチコチだったせいか、鍼治療を受けると強い響きを感じ、正直冷や汗をかくこともありましたが、治療後、特に初診の時はまるで重りが取れたかのように驚くほど身体が軽やかになり、本当にびっくりしました。

それからは、だいたい週1回のペースで通っておりますが、すでに五十肩は完治し、腰・首・肩も痛みや重苦しさは以前より大幅に改善されてきています。

実は私は飛行機の着陸時に大変耳が痛くなるタイプで、出張の度にとても憂鬱だったのですが、首が軽くなってきたおかげか、ほとんどその痛みが起こらなくなってきて、意外なところに嬉しい効果を感じられました。

また、股関節痛も腰の硬さが取れてくるごとに少なくなってきているようで、疲れの取れ方も以前よりは早くなり身体の自己回復力が高まってきたと実感しています。

考察
まず、第一に、腰のつらさを軽減させるために、腰部の特に第4~5腰椎付近の深い所の硬さを解消することを目指しました。この第4~5腰椎付近はその下は骨盤ですので、人間が2足歩行する時点で、人体の最も負荷がかかりやすいところといえます。強靭な靭帯や筋肉で支えているわけですが、長年の負担はどんな方でも抱えており、何かのきっかけがあると、腰痛や椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症といった腰部にまつわる疾患となるといえます。

脳から背骨の中を神経の束が走っており、その神経が腰部や骨盤から、副腎、腎臓、小腸、大腸といった臓器につながっていることから、腰部が硬いと神経を圧迫し、このような臓器の働きが鈍ります。

副腎は全身を整える様々なホルモンを分泌しますし、小腸は栄養を吸収し、腎臓と大腸は排泄を司りますから、体の状態を上げる意味でも腰部は大変重要です。

また、腰部は体の中心に位置することから、腰部が硬いと上半身と下半身を結ぶ血管も圧迫しますので、全身の血流が悪くなります。血行が悪くなると、老廃物が回収されず、新しいフレッシュな血液が足先などの末端まで届かず、代謝が落ち、体がむくみ、全身の機能が低下します。

上記のように、腰部が全身に与える影響は大きなものがありますので、腰痛があるないに限らず、多くの患者さんの場合、腰部は治療のポイントとなります。この患者さんの場合は、腰部、臀部、大腿、股関節といったところに症状がありましたので、そのような症状を改善させるためにも、また全身の状態を上げていくためにも腰部の治療が最優先となりました。

他のポイントとしては、肩部の硬さも治療開始時には気になりましたが、肩は腰に比べても早い時期に緩んできています。肩や肩甲骨周りが硬くなりますと、よく眠れなくなることがあります。良い眠りは、体を回復させ、健康を維持するために最も重要なことの一つです。

この患者さんの今後の治療のポイントは、腰部は大前提となりますが、頸部の硬さ特に頸部の左側の硬さを緩めることとなります。

頸部には、目、鼻につながる神経が通っていますし、脳から全身につながる神経がまず頸部を通るわけですから、頸部の硬さは全身の神経を圧迫することにもなりかねません。眼精疲労や鼻炎といった症状を改善させることに加え、全身にやはり影響のある頸部の硬さを緩めることも治療の大きなポイントとなります。

カテゴリー:腰痛

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