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花粉症は、なぜ現代病なのか、を考える

花粉症は、なぜ現代病なのか、を考える2月末にもなると、花粉症をお持ちの当院に通う患者さんから、そろそろ花粉症が気になり始めたと聞くことが多くなります。

私自身は花粉症のような鼻水、くしゃみが止まらない春先の時期が今まで一度だけありましたが、それも20年近く前のことで、それ以降は多少、鼻がムズムズすることがあるかなぁ、といった程度です。

30年ぐらい前の私が子供のころは、周囲の人で花粉症に悩まされる方は少なく感じていました。現代とは明らかに違うように思えます。花粉そのものは、いつの時代でもあるものなので、現代のほうが花粉症が多いことが不思議でした。

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そのことが気になっていたのですが、下の記事の内容を考えると、昔より現代のほうが花粉症が多いことに納得できる気がします。

花粉症と大気汚染の原因物質との関連性を化学的に解明
http://www.mirai-kougaku.jp/eco/pages/150727.php

この記事では、これまでは、花粉の飛散量が増えたことが花粉症の患者さんの増加につながっていると考えられたが、大気中に浮遊する様々な汚染物質が花粉と接触することで起きる作用が、花粉症を引き起こすことが解明された、といっています。

花粉は自然に浮遊している状態でも、花粉が割れて、アレルギーを引き起こす物質を放出するようですが、そのアレルギーを引き起こす物質の拡散、増長するのが大気中の汚染物質である、ということのようです。

自然な状態で花粉が割れるのは2割程度のようですが、大気中の汚染物質と接触した場合は8割の花粉が割れて、アレルギーを引き起こす物質を放出するようです。詳しくは記事を御覧になっていただけたらと思います。

そうなると、大気中の汚染は都市部のほうがあるはずなので、都市部を生活圏にされている方のほうが花粉症になりやすい、といえるのかもしれません。

私個人としては、花粉にくっついた大気中の汚染物質がアレルギーを引き起こしているのではないか、とも思います。

いずれにしても、入ってくるものは仕方がないと思います。入ってくるものに過敏に気を遣いストレスを感じるよりは、入ってきたものに対応できるだけの免疫力を上げることを意識するほうが重要に思えます。

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カテゴリー: 花粉症

ツボの紹介 第6回 「三焦兪」

今回のコラムがツボの紹介としては、第6回となります。ツボについては以下のコラムをご覧いただけたらと思います。
ツボとは何か

第6回は「三焦兪」をご紹介できたらと思いました。

ツボには「~兪」という名前のツボが背中や腰にあります。そのようなツボのことを「背部兪穴」といいます。「背部兪穴」については、以下のコラムをご覧下さい。
背部兪穴とは ~腰背部に並ぶ臓器を癒すツボ~

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ツボの紹介 副腎三焦兪は、背部兪穴の一つであり、腰部の最も細いウェストの高さに背骨の左右に位置します。この三焦兪は、副腎という腎臓の上に乗っている小さな臓器と関連が深いとされます。それは、この三焦兪の位置に硬さが現れると、背骨から副腎につながる神経を圧迫し、副腎の機能が低下すると考えられているためです。

この副腎という臓器は、血圧、血糖、水分や塩分量などの調節といった、人が意識しなくても自動的に行なってくれる機能を調節するホルモンを分泌されるといわれています。人が意識しなくても自動的にに行なってくれる機能というのは、言い換えれば、自律神経のことであり、副腎が分泌するホルモンと自律神経は深い関係があるといえます。

副腎から分泌されるホルモンの一つに、糖質コルチコイドがありますが、この糖質コルチコイドを人工的に薬剤としたものが「ステロイド」となります。

ステロイドは、アトピー性皮膚炎などの治療に使われることが多いかと思いますが、このステロイドは効果も強力ですが、重大な副作用を招く恐れがあるとされています。ステロイドが開発された当初は、痛みを伴う疾患は全て解決されたといわれるほど、夢の薬剤ということだったようですが、その副作用の強さのため、現在では慎重に処方されている印象があります。

私達の体内の副腎で分泌されるホルモンは、「天然のステロイド」といえるもので、人口的なステロイド薬剤のような副作用とは無縁です。「天然のステロイド」が適量、体内を巡ることで、病気や体調の不調を改善・全快できる体内環境を作り出せるのではないでしょうか。

その天然のステロイドを分泌する副腎を癒し、活性化させることができるのが、「三焦兪」というツボとなります。

私の鍼の流派では、この「三焦兪」への鍼は、あらゆる病気に対して最優先されなければならないとされ、「三焦兪」は鍼治療において、最も重要なツボの一つとされています。

ツボの概要

ツボの名前 三焦兪(さんしょうゆ)
ツボの場所 腰部、第1腰椎棘突起下縁と同じ高さ、
      後正中線の外方1.5寸(4.5cm)

ツボの紹介 「三焦兪」


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カテゴリー: ツボの紹介

ツボの紹介 第5回 「脾兪」「胃兪」

今回のコラムがツボの紹介としては、第5回となります。ツボについては以下のコラムをご覧いただけたらと思います。
ツボとは何か

第5回は「脾兪」と「胃兪」をご紹介できたらと思いました。

ツボには「~兪」という名前のツボが背中や腰にあります。そのようなツボのことを「背部兪穴」といいます。「背部兪穴」については、以下のコラムをご覧下さい。
背部兪穴とは ~腰背部に並ぶ臓器を癒すツボ~

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「脾」と「胃」は表裏の関係であり、密接に連携しています。

「脾」とは、西洋医学の解剖学としては「脾臓」という臓器がありますが、「脾」はこの「脾臓」よりも「膵臓(すいぞう)」のことといわれています。「膵臓」は消化酵素を分泌します。

「胃」に関しては、西洋医学の「胃」とほぼ同じ機能とされます。飲食物を受け入れ、初期の消化を行なうとされます。

「脾」と「胃」は、飲食物を消化する際、飲食物を栄養として吸収しやすい状態に変化させ、次にそれが小腸に運ばれ、小腸から栄養が吸収されるとなります。従って、「脾」と「胃」は消化の初期段階の機能を担い、連携している関係となります。

「脾」や「胃」の機能が低下すると、食欲不振、胃腸虚弱、消化不良、食後倦怠感、胸やけ、胃もたれ、便秘、下痢といった症状が現れやすくなります。

このような消化器系の症状が現れている患者さんは、「脾兪」や「胃兪」に硬さなどの異常が現れることが多くあります。鍼治療では、「脾兪」や「胃兪」の硬さを緩めることで、「脾」や「胃」の機能が高まり、消化器系の症状に改善がみられるようになります。また、「脾兪」と「胃兪」に加え、腹部のツボである「中脘(ちゅうかん)」と「気海(きかい)」に鍼をすると、胃腸の自律神経を整える効果があり、消化器系の症状にも効果的です。

ツボの概要

ツボの名前 脾兪(ひゆ)
ツボの場所 上背部、第11胸椎棘突起下縁と同じ高さ、
      後正中線の外方1.5寸(4.5cm)

ツボの名前 胃兪(いゆ)
ツボの場所 上背部、第12胸椎棘突起下縁と同じ高さ、
      後正中線の外方1.5寸(4.5cm)


ツボの紹介 「脾兪」「胃兪」


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ツボの紹介 第4回 「心兪」

今回のコラムがツボの紹介としては、第4回となります。ツボについては以下のコラムをご覧いただけたらと思います。
ツボとは何か

第4回は「心兪(しんゆ)」をご紹介できたらと思いました。

ツボには「~兪」という名前のツボが背中や腰にあります。そのようなツボのことを「背部兪穴」といいます。「背部兪穴」については、以下のコラムをご覧下さい。
背部兪穴とは ~腰背部に並ぶ臓器を癒すツボ~

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「兪」は「癒」の原型といわれ、この背部兪穴の一つである心兪は、文字通り「心臓を癒す」とされ、狭心症、心筋梗塞、心臓神経症といった心臓疾患や不整脈、高血圧といった症状にも効果があるとされています。

また、この心兪を中心に硬さがみられ、首や肩にも張りや硬さが顕著な患者さんに多いのは、不眠症です。心兪周辺、首、肩が鍼によって緩むに従って、不眠症が改善していきます。

逆に、数秒で寝付ける、一度寝たら朝まで目が覚めない、といった方は、この心兪付近に硬さがみられず、柔軟性が高いことが多いです。

芯から緩めるという点では、全身の治療が必要ですが、普段は眠れるのに、寝つきが悪い、眠りが浅い、と感じる方は、この心兪付近にテニスボールなどを痛すぎない範囲で当ててみると、効果がみられることがあります。

ツボの概要

ツボの名前 心兪(しんゆ)
ツボの場所 上背部、第5胸椎棘突起下縁と同じ高さ、
      後正中線の外方1.5寸(4.5cm)

ツボの紹介 心兪


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背部兪穴とは ~腰背部に並ぶ臓器を癒すツボ~

背中や腰には、「~兪(ゆ)」といったツボがあります。このようなツボのことを「背部兪穴(はいぶゆけつ)」といいます。「背部兪穴」は腰背部の背骨の中心から左右の約5センチ外に位置します。

「背部兪穴」の「兪(ゆ)」という漢字は、「癒」という字の原型といわれています。「~兪」の「~」には臓器名が入りますので、「背部兪穴」は、その臓器を癒すツボとなります。

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厳密には、東洋医学でいう臓器名は西洋医学の臓器名と全く同じ意味ではなく、その臓器の持つ働きも含めますが、概ね、「心」なら「心臓」、「肝」なら「肝臓」のこととイメージされてもよいかと思います。東洋医学の臓器の考え方である「六臓六腑」については以下のリンク先をご覧下さい。

コラム 臓腑(ぞうふ)とは? ~東洋医学の基本的な考え方の一つ~

「背部兪穴」には以下があります。

背部兪穴


肺兪(はいゆ)…肺を癒す。
厥陰兪(けついんゆ)…厥陰とは、心臓を守る「心包」のこと。
心兪(しんゆ)…心を癒す。
肝兪(かんゆ)…肝を癒す。
胆兪(たんゆ)…胆を癒す。
脾兪(ひゆ)…脾を癒す。脾は脾臓というより、膵臓(すいぞう)のことを指す
       といわれています。
胃兪(いゆ)…胃を癒す。
三焦兪(さんしょうゆ)…三焦は西洋医学でいう副腎を指すといわれ、ホルモンを
            分泌します。
腎兪(じんゆ)…腎を癒す。
大腸兪(だいちょうゆ)…大腸を癒す。
小腸兪(しょうちょうゆ)…小腸を癒す。
膀胱兪(ぼうこうゆ)…膀胱を癒す。

※「心包」と「三焦」は東洋医学独特の臓腑です。

兪穴はなぜ臓器を癒すのか

シンプルに言うならば、2つのことが考えられ、1つ目は東洋医学的な考え方で、兪穴には、その臓器と関連する邪気(ネガティブな気、マイナスな気)が溜まることが考えられ、兪穴に鍼をすると、邪気と正気(プラスな気)の交換が行なわれることで、臓器が元気になるという考え方があります。

2つ目は、西洋医学の解剖と関連していることとなりますが、下の図のように、各臓器につながる神経の通り道は、「背部兪穴」の位置とほぼ一致することから、「背部兪穴」に鍼をするということは、各臓器につながる神経を刺激して、各臓器を整える、と考えられています。また、「背部兪穴」に硬さがある、張りがある、といった場合、その硬さや張りがその臓器につながる神経を圧迫していることが考えられ、硬さや張りを緩めることで、神経が圧迫から開放されて、その臓器の機能が高まることになります。

自律神経の分布


実際の鍼治療での兪穴の治療とは

実際の治療では、例えば、胃の調子が悪いという患者さんの場合、胃兪に硬さがみられる、張りがみられる、軟弱で力がないなど、何らかの異常がみられることが多々あります。この場合、胃兪に鍼をして、鍼の操作によって、硬さや張りを緩めるといったことで、圧迫された神経が圧迫から開放され、その神経のつながっている先の臓器が元気を取り戻すことになります。

それでは、この胃の調子の悪い患者さんや胃にまつわる疾患を持つ患者さんに、胃兪にだけ鍼をすれば症状がなくなり、全快するかというと、そうでない場合のほうが多いと思います。

それは、胃兪の異常というものは、体全体の歪みといった体のバランスの欠如がもたらしている場合が多くあるからです。その多くは、体の土台ともいえる腰部や骨盤部に根源がある場合が多いと思います。

従って、いくら胃兪の治療しても、体の土台である腰部や骨盤部に狂いがあり、左右差があったりとなると、根本的な胃兪の治療にならないとなります。腰部や骨盤部の狂いが体のバランスを崩し、その結果、胃兪に歪が現れていると考えることができるからです。

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カテゴリー: ツボの紹介

臓腑(ぞうふ)とは? ~東洋医学の基本的な考え方の一つ~

「五臓六腑に染み渡る…」

とは、「内臓全体に染み込むように美味しく感じられる」という表現ですが、東洋医学では「六臓六腑」とされます。この「六臓六腑」のことを「臓腑」と呼びます。

「臓腑」が様々な要因で変調をきたすと、病気となるとされます。臓腑の「臓」は、中身がつまった実質臓器とされ、「腑」は管状や袋状といった中身が空洞の中空臓器とされます。「臓腑」は以下のようになります。

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六臓六腑の表

この「六臓六腑」は、内臓器そのものと、それぞれの内臓の機能を含めたことをひっくるめたものを指します。

西洋医学で言われている、例えば胃なら臓器である胃のことだけを意味します。胃の機能のことまで「胃」という言葉には含まれないかと思います。

ちょっと話がわかりにくいかもしれませんが、内臓の機能を含めたことというのは、「六臓六腑」のそれぞれが以下のような機能を持っているとされ、臓器そのものに加え、機能や働き、つながりといったことが含まれています。以下は全ての機能や働きではないですが、わかりやすいものだけを並べてみました。

六臓六腑それぞれの特徴

肝(かん)
 ・魂を臓する。
 ・判断力や計画性などの精神活動を支配する。
 ・蔵血を司る。
 ・筋肉を司る。
 ・爪を司る。
 ・目につながる。
 ・怒り過ぎると肝を傷める。
 ・外邪を防ぐ。

心(しん)
 ・神を臓する。
 ・六臓六腑を統括し、知覚・記憶・思考・意識・判断などの精神活動の支配、
  六臓六腑の調和を保つ。
 ・血脈を司る。
 ・脈を介して血を全身にくまなく運行させる。身体諸器官の活動を支える。
 ・舌につながっている。
 ・喜び過ぎると心を傷める。

脾(ひ)
 ・営を臓する。
 ・運化(水穀を消化し、後天の精や津液、血・営衛などを吸収して全身に送る
  作用)を司る。
 ・消化・吸収を行う。
 ・肌肉を司る。
 ・口につながる。
 ・津液の生成を司る。
 ・思い過ぎると心を傷める。

肺(はい)
 ・気を司る。
 ・呼吸を司る。
 ・通調水道(脾の働きによって胃から上部に運ばれた水分を全身に散布する
  作用)を司る。
 ・皮毛を司る。汗腺を調節する。
 ・鼻につながる。
 ・憂鬱になり過ぎると肺を傷める。

腎(じん)
 ・精を蔵する。
 ・成長・発育・生殖・老化などを司る。
 ・水を司る。
 ・水分代謝を支配する。
 ・骨を司る。
 ・耳につながる。
 ・恐れ過ぎると腎を傷める。

心包(しんぽう)
 ・心を保護する。
 ・実体のない架空の臓器。

胆(たん)
 ・決断や勇気を司る。
 ・胆汁を蔵する。

小腸(しょうちょう)
 ・胃から送られてきた糟粕(飲食物のかす)を受け取り、内容物をさらに
  消化し、澄んだ清いものと濁ったものに分け、清いものは脾を通して全身へ
  送り、濁ったものは蘭門で水分と固形分に分けられ、水分は膀胱へ、
  固形物は大腸へ送られる。

胃(い)
 ・脾とともに消化吸収を行う。
 ・水穀の受納・腐熟を司る。
 ・通降を司る。
 ・内容物を小腸・大腸に送り、新たな飲食物を受け入れる。

大腸(だいちょう)
 ・大便を肛門から排泄する。
 ・「伝導の官」と呼ばれる。

膀胱(ぼうこう)
 ・貯尿・排尿作用を行う。
 ・「州都の官」と呼ばれる。

三焦(さんしょう)
 ・気が昇降出入する通路。
 ・水分の運行の通路。
 ・体温調節作用、気血津液の調整作用、輸瀉作用の三つを行う。

 三焦は上焦、中焦、下焦と分けられる。

 ・上焦は横隔膜より上部の機能を指す。働きは清気を取り入れ血と共に全身に
  巡らせる。衛気・津液を全身の皮膚に巡らせ皮膚に潤いを与えて、体温調節を
  行う。

 ・中焦は横隔膜から臍(へそ)までの間の機能を指す。働きは消化・吸収を
  行い、そこから生じる精気を、営気と血とし、経絡を介して全身に巡らせる。

 ・下焦は臍から下部の機能を指す。働きは消化した糟粕を大便、水分を
  尿として排出する。

上記をご覧になって、六臓六腑それぞれが持つ、だいたいのイメージをつかんでいただけたらと思いました。

西洋医学の臓器で言われていることとほとんど同じことや、メンタル的なことを臓腑が司っていたりと東洋医学独特のものもあったかと思います。

例えば、肝では、「判断力や計画性などの精神活動を支配する。」とありますが、肝の働きが鈍くなると、「物事の判断力や計画性までもが鈍くなる」ということを意味します。

臓腑は「五行説」という思想に当てはめられる

臓腑は、五行説と呼ばれる思想に当てはめられます。この五行説とは、自然界における万物は木・火・土・金・水の5つの元素から成り立つという考え方です。

以下の図は臓腑を五行説に当てはめた図となります。この場合、六臓六腑ではなく、五臓五腑となり、心包と三焦はありません。

五行関係図

上の図の中に「相生(そうせい)関係」と「相克(そうこく)関係」があります。

「相生」とは、「生み出す関係」であり、これはわかりやすいかと思います。

「相克」とは、「相克」の「克」とは「勝つ」の意味であり、それぞれの臓腑が勝ったり負けたりして権勢し合っているような関係といえます。

「相生」ばかりだと、どんどん全体が増えてしまっていくようですが、「相克」の関係性があるために、どんどん増えてしまうのを抑制しているともいえるようです。

このように、東洋医学では人体はそれぞれのパーツとパーツが単独で機能しているということではなく、「臓腑を当てはめた五行説」の考え方に代表されるように、それぞれが連動し関係性を保ちながら機能しているとされます。

弱った臓腑が元気を取り戻し全体のバランスが整えば、その患者さんの本来持ち合わせる治癒力が充分に発揮され、病が消失していくことになります。

まとめますと…

臓腑の「臓」とは実の詰まった実質臓器のことであり、肝・心・脾・肺・腎・心包があり、「腑」とは管状や袋状の中空臓器のことであり、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦となります。また、このそれぞれの臓腑は、臓器そのものとその臓器の働きなどが含まれるとされます。

それぞれの臓腑の特徴も見ていただきました。

この臓腑は、万物は木・火・土・金・水の5つの元素から成り立つとされる「五行説」という思想に当てはめられ、東洋医学の基礎的な考えとなっています。

今までのコラムでも今回のコラムに似た内容もあったかと思いますが、臓腑についてまとめられたものではなかったので、今回このようなコラムにさせていただきました。

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カテゴリー: 鍼治療の説明

ツボの紹介 第3回 「気海」

今回のコラムがツボの紹介としては、第3回となります。ツボについては以下のコラムをご覧いただけたらと思います。
コラム 2016年7月27日 ツボとは何か

第3回は「気海(きかい)」をご紹介させていただきます。

「気海」は臍(へそ)の下、約4.5センチのところに位置しますが、実際に鍼をする時は、臍から下のラインに沿って触っていくと、硬さに触れ、その硬さの中央に鍼をします。

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私自身も自分の「気海」に毎日のように鍼をするのですが、鍼をされた感覚としては、響き方が背中や腰に鍼をする時とも異なり、日によっても異なりますが、お腹の下半分に響いたり、胃の方向に響いたり、腰の方向に響いたりと様々です。体が疲れている時ほど、響き方が強く感じます。鍼をした後には、お腹に力がつくというか、重心が整うような感覚があります。

丹田は体の中心であり、気が溜まる個所があるとされますが、この丹田には3つあり、上丹田、中丹田、下丹田、となります。その下丹田が「気海」のこととされ、「気海丹田」とも呼ばれるそうです。

下丹田は気功や武術においても重視されますが、鍼治療においても下丹田である「気海」というツボを意識して治療をしていくことは、全身を整える効果としても重要なことだと思います。

ツボの概要

ツボの名前 気海(きかい)
ツボの場所 下腹部、前正中線上、臍中央の下方1寸5分(約4.5センチ)



ツボの紹介 気海


ツボの名前の由来

気海の「気」は、両親から受け継いだ生命力の元とされる先天の元気、腎気といった「気」のこととされ、「海」は大海を意味することから、体中の気が最後にたどり着く大海といった意味があります。

気海に集まった「気」は、気海から再び全身を巡るとされます。

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カテゴリー: ツボの紹介

ツボの紹介 第2回 「天柱」

今回のコラムがツボの紹介としては、第2回となります。ツボについては以下のコラムをご覧いただけたらと思います。
コラム 2016年7月27日 ツボとは何か

第2回は「天柱(てんちゅう)」をご紹介できたらと思いました。

天柱は頭と首の境目にあり、頭を支えている位置にあります。人間の頭部の重さは、4~6kgといわれ、それだけの重さを支えている天柱にはかなりの負担がかかりやすいといえるかと思います。

頭痛、肩こり、眼精疲労、花粉症などの鼻の症状、めまい、顔のむくみといった症状を訴える患者さんの天柱はコリ固まっていることが多いです。

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天柱の硬さは首だけの問題なのかといえば、そうとは限りません。背骨や骨盤は連動した動きをしますので、例えば、腰に明らかな硬さがみられる場合、その腰の硬さが背骨の動きを阻害することで、頭と頸椎の境目、頸椎と胸椎の境目、胸椎と腰椎の境目、腰椎と骨盤の境目といった個所に負担がかかり、諸症状が現れていることが多くあります。

体の負担のかかりやすい個所


しなやかな背骨と骨盤の動きを実現するには、背骨と骨盤周辺の硬さを鍼によって緩めていくこととなりますが、特に体の要である腰の硬さを緩めることができれば、背骨の動きが連動して、天柱に代表される、頭と頸椎の境目を緩めることにもつながると考えます。

ツボの概要

ツボの名前 天柱(てんちゅう)
ツボの場所 後頸部、第2頸椎棘突起上縁と同じ高さ、僧帽筋外縁の陥凹部。


ツボの紹介 天柱


ツボの名前の由来

天は頭を意味し、柱は大黒柱を意味することから、頭を支える重要な柱、となります。

古代中国では、大地は正方形であると考えられ、その四隅に天柱という柱が天空を支えていると考えられました。

古代中国の殷代から戦国時代にかけて存在した国である杞(き)では、人々がもし天柱が折れて空が落ちてきたらと心配して夜も眠れなくなるということから、「心配しないでいい事を心配すること、とりこし苦労」という意味の「杞憂(きゆう)」という言葉ができたそうです。

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カテゴリー: ツボの紹介

ツボの紹介 第1回 「命門」

今回のコラムがツボの紹介としては、第1回となります。ツボについては以下のコラムをご覧いただけたらと思います。
コラム 2016年7月27日 ツボとは何か

第1回は「命門(めいもん)」をご紹介できたらと思いました。

命の門というだけあって、並みのツボではないというか、究極的なツボに思えます。左右の「腎」の間に位置する命門は、生命力の中心部であり、鍼治療において、最も意識しなくてはならないツボの一つだと思います。

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命門の場所は、第2腰椎と第3腰椎の間の非常に狭いところになり、鍼は凄く入りにくい場所になります。他の流派の鍼灸師に、「命門に鍼が入りますか?」といったことを言われたことがあります。一見、鍼が入りそうにないツボですし、実際に鍼を入れるのは難しいツボです。

効果としては、「○○の症状に効く」といったものではなく、体全体に静かにゆるやかに刺激が波及していき、体全体の波長を整えるような効果があるといえるかと思います。体の調節を行なっている自律神経を整える作用ともいえると思います。

患者さんとしては、鍼が刺さっている感覚がないといったことが多いです。派手な感覚はなく、静かに体に染み入るような感覚かと思います。

ツボの概要

ツボの名前  命門(めいもん)
ツボの場所  第2腰椎棘突起下方の陥凹部

ツボ紹介 命門


ツボの名前の由来

古代中国では、「命門」は左右の腎の間にあるとされることから、「生命の重要な門」「生命力の中心」とされます。

これは、「腎」とは、西洋医学の「腎臓」のように尿の生成には関わらず、成長を司り、生殖といった働きがあるとされます。

「腎」は両親から受け継いだ生命の源である「先天の精(せんてんのせい)」を「腎精(じんせい)」として貯えます。「腎精」は人体の構成や生命活動を維持するための最も基本となる物質とされます。

この「腎精」を貯える「腎」は左右に2つあります。

その左右の「腎」の間に存在するツボである「命門」は、生命力の中心とされるということになり、文字通り、命に通ずる門ということになるかと思います。

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カテゴリー: ツボの紹介

ツボとは何か

「ツボ」という言葉は、一般的に広く使われ、いわゆる「肩こりに効くツボ」といった使い方や「笑いのツボ」といったように、「ツボ」のことを「ポイント、要点」といった意味で使うこともあるかと思います。

東洋医学では、「ツボ」を正式には「経穴(けいけつ)」といいます。「経穴」は、「気」といったエネルギーの通り道とされる「経絡(けいらく)」上に点在し、体中に365個ある、またはそれ以上、存在するといわれています。

「ツボ」は「経穴」の別名というか、一般的な呼び方となります。

「ツボ」をどう考えるかは諸説あります。中国の鍼灸の考え方、日本の鍼灸の考え方、また流派によっても、「ツボ」をどうとらえ、どう使うか、といったことは様々です。

ツボについては壮大過ぎて、私ごときが語れることではないと思いますし、一生、鍼治療を研究しても、私には何もわからないものなのかもしれません。以下は私個人が感じていることとなりが、考え方が偏っていたり、説明が不十分であったりするかと思いますが、お許しください。また、現在は以下のような考えですが、10年後、20年後と時間が経つにつれ、考え方も変わっていくのかもしれません。

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ツボの正体

「ツボ」というのは、全身を巡る「気」と呼ばれるエネルギーの出入り口であるとともに、老廃物であったり、東洋医学的にいえば「邪気」と呼ばれる「負のエネルギー」が溜まっている場所に感じます。

従って、ツボでは、「邪気」と「正気(せいき: プラスのエネルギー)」を交換するといったことが行なわれている気がします。

鍼灸では、「邪気」を取り除く方法のことを「瀉法(しゃほう)」と呼び、「正気」を体内に入れることを「補法(ほほう)」と呼びます。

この「瀉法」と「補法」のやり方にも様々な考え方があるようです。一般的には、「瀉法」は素早い鍼の抜き差し、であったり、経絡の流れに反して鍼を刺す、といったように様々な方法があります。「補法」は「瀉法」の逆の方法となります。

私としては、1本の鍼を打ってから抜くまでの間に「瀉法」と「補法」があり、それは患者さんの呼吸に合わせた鍼の動きによって、「邪気と正気の交換」が為されると考えます。

鍼の動きとしては、上下の動きはもちろんですが、鍼を捻って回転させる動きにも大きな意味があると思います。鍼が螺旋の動きをしながらも上下に絶え間なく動きながら、「邪気と正気」が交換されるイメージがあります。

ツボの探し方

経絡図ツボの場所は、教科書的な「~関節から~関節に向かって何寸」といったような示され方があります。

しかし、それはあくまでも教科書的な方法であり、実際の患者さんのお体では、通用しないことが多々あります。同じツボでも、ツボは患者さんお一人お一人によって、微妙に異なるということだと思います。

それでは、そのツボをどう探すかといえば、それは鍼灸師の指の感覚をはじめとする五感を頼りに探すしかないと私は思います。

ツボを特定するには、周りと異なる、左右の同じ場所を比べて異なる、皮膚上に鉛筆の芯のような突起が手に触れる、皮膚の色が異なる、皮膚がザラついている、凹みがある、などといった主に皮膚面に現れている細かな差異や反応を感じ取りながら、鍼灸師の経験を元にツボを特定していくことになります。

このツボの特定が正確であればあるほど、治療の効果も上がるのだと思います。

一般の方が、ご自分やご家族に、せんねん灸のようなお灸をされるといった場合は、だいたいの位置で構わないかと思いますが、上記のような皮膚面に現れている反応を意識しながらされると、さらに効果が高くなるかと思います。

「~に効くツボ」は本当に効くのか

「~に効くツボ」といった言われ方をするツボは、鍼灸の長い歴史の中で積み重ねられたデータによって、効果があるとされるのだと思います。

しかし、単純に、あるツボがある症状に効く、として、同じ症状を持つ患者さんに、同じツボを選んでも、効果は薄い、もしくは、一時的に症状が緩和しても、すぐに元に戻る、といったことが起きるように思えます。

それは、患者さんのお体は、当たり前のことですが、お一人お一人、異なり、同じ症状だとしても、何が原因で、どのように鍼をしなければならないかは、患者さんそれぞれによって異なります。

同じ患者さんでも、先週と今日とでは、お体は常に変化しています。その変化に合わせて、様々な治療の調節が必要となります。

また、「~に効くツボ」だけに鍼をするということよりも、お体全体のバランスを整えていく、といった鍼の打ち方のほうが、根本治癒に近づける気がします。

それは、お体全体のバランスの欠落によって、その歪みが体のある部位に負担をかけ、老廃物や邪気がツボに集まることで、気の流れが滞るといったことが原因となり、症状が表に現れてきていると考えられるからです。

「~に効くツボ」に囚われず、お体全体のバランスをとらえながら、身体に現れているツボを正確にとらえ、適切な鍼ができれば、ツボを通して、「邪気と正気」の交換が行なわれ、お体全体の気の流れが滞ることなく巡りだすこととなり、その患者さんが兼ね備えている治癒力を発揮できる体作りができると考えます。

重視するツボ

「~に効くツボ」とは別に、「このようなタイプの患者さん、このような症状をもつ患者さん、に対して、重視するツボ」というものがあります。

例えば、背中のほぼ中央に「胃兪(いゆ)」というツボがありますが、胃の症状のある患者さんは、この胃兪に硬さといった反応が出ることが多いです。これは、胃兪につまりのようなものがあることで、胃につながる神経が圧迫をうけ、胃の機能が低下する、と考えられます。

このように、患者さんのタイプや症状によって、あるツボに反応が出る傾向があり、そのようなツボを重視しながら、お体全体を意識するというのが、実際の鍼治療となります。

今後のコラムでは、私が重視しているツボをご紹介できたらと思っています。

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カテゴリー: ツボの紹介

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